ことりぷらす

善子「あ、はい」

曜「エイプリルフールだから千歌も可愛い嘘付くなーって思ってたんだけど、浜辺にいたんだよね」

曜「朝、私を浜辺で待ってんだよね」

曜「私への愛の大きさ爆発し過ぎでしょ！って感じでさ」

曜「ほんと可愛いんだよねぇハイパーファビュラスアルティメットジャンボ寝そべりEX千歌って」

善子「あ、はい」

曜「えっ！？い、いつものは？」

善子「いやなんか…今の曜さんとは距離置きたいかなって…」

曜「う、嘘だよ！嘘！だからいつもの善子ちゃんに」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、ほんと可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「ちょっとおっぱい触っただけで可愛い声出してさ」

曜「ほんと愛くるしいよね 千歌って」

曜「明日も千歌と遊んであげるかなぁ」

善子「あ！千歌さん！」

曜「へ！？ちちち千歌ちゃん！？これは違うくて！…っていないじゃん！」

善子「うっそー！」

曜「千歌のLINEってさぁ、可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「無意味にハート付けてきたり、『猫ちゃんがいたよー』って写真送ってきたりするんだよね」

曜「この前風邪引いちゃった時も沢山LINEしてくれてね」

曜「可愛いんだよねぇほんと千歌って」

善子「へー、でもそれ位なら私も千歌さんとしてるし…いや、もっと可愛いかも？」

曜「う、嘘だ！！千歌ちゃんがそんなわけ…」

曜「ちょっと善子ちゃんケータイ貸してっ！！」

善子「うっそー！」

曜「千歌とさぁ、ホラー映画観ると可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「『よーちゃん 怖いよー』って言いながらも、背中に隠れながら観るんだよね」

曜「震える手が背中に伝わってきてさ」

曜「『怖いとこ終わった？終わった？』って、画面をひょこひょこ見ながら聞いてくるんだよね」

曜「それで、ホラーシーンになる度にﾋﾞｸｯってしちゃってさ」

曜「ほんと可愛いよね千歌って」

善子「あら、この前千歌さんとお化け屋敷入った時は思いっきり抱き付いてきて、泣く位驚いてて可愛かったわよ？」

曜「そ、そんな…千歌ちゃん、私とはお化け屋敷入ってくれないのに…」

曜「善子ちゃんとは…」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、みかん食べる時可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「私がみかん剥いてるとさ、ｼﾞｰｯと見てくるんだよね」

曜「けど、なにも言わないの」

曜「それで皮を剥き終えたら、『よーちゃん よーちゃん！』って服の袖を引っ張ってきて、口を開けて待ってるんだよ」

曜「もう食べさせるしかないよね？ね？」

曜「結局 私の分は無くなっちゃうんだけど、千歌の笑顔だけでお腹一杯だよ本当」

善子「私の場合、千歌さんはよくみかんを剥いてくれるわよ」

善子「それでみかん嫌いなの知ってるのに無理やり食べさせようとしてきて、ほんと困った先輩よ」

曜「えっ…そんな…私と千歌ちゃんだけのみかんな関係じゃ無かったの…？」

曜「千歌ちゃん…」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、ストレッチも可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「開脚前屈の時 背中押してあげてるんだけどね」

曜「ｸﾞｲｰｯってやって 吐息が聞こえる距離まで近づくんだよ」

曜「千歌ってさ、まだまだ股関節が硬いから ちょっと押すだけで可愛い声を漏らすんだよね」

曜「もっと声を出させたいけど 私以外にも聞こえると恥ずかしがっちゃうからさ、止めてあげてるんだ」

曜「千歌って可愛さの中にも妖艶さがあるんだよねぇ」

善子「千歌さんとストレッチやる時あるけど、やけに胸を押し付けてこない？」

善子「妙に身体をくっ付けてきたり、手付きがやらしいというか…」

曜「千歌ちゃんを変な風に言わないで！千歌ちゃんはそんな女の子じゃ…」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、寝顔も可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「よく一緒に”寝る”んだけどさ」

曜「疲れちゃってると千歌の方が早く寝ちゃうんだよね」

曜「それでほっぺをぷにぷにしたり、耳を触ったりすると可愛い表情しちゃってさ」

曜「ほんと可愛いんだよねぇ千歌って」

善子「わかる！私も寝てる千歌さんの唇を触るけど本当可愛いの！」

善子「ぷにぷにしてたら指を咥えてきて、さらに吸い付いてくるし愛くるしかったわ」

曜「えぇ！？それ本当！？私も今度千歌ちゃんにやろ」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、ゲームやってる時も可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「レースゲームだと曲がる時に身体が倒れて来て、私にもたれ掛かっちゃうし」

曜「格ゲーなら攻撃する度に『えいっ、やーっ』とか掛け声しちゃってさ」

曜「ほんと可愛いんだよねぇ千歌って」

善子「確かにゲームに流されやすいわね千歌さんは」

善子「恋愛ゲームを一緒にやった時なんかは千歌さんから結構甘えてくるし、いい感じの雰囲気になったらそのまま…」

曜「ち、千歌ちゃんが雰囲気なんかで流されるはずが…」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、ボウリングの時も可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「千歌って球技が得意だからボウリングも上手なんだよね」

曜「なのにストライクを取ったらぴょんぴょん跳ねて嬉しがっちゃってさ」

曜「その後『やったよ！曜ちゃ～ん！』って満面の笑みでハイタッチして来るんだよ」

曜「ほんと可愛いんだよねぇ千歌って」

善子「この前、千歌さんと二人でボウリング行った時は大変だったわ」

善子「ボウリングなんて全然やったこと無いからガーターばっかりで落ち込んでたら」

善子「千歌さんが手取り足取り教えてくれて、最後の最後でストライク取れたんだけど」

善子「千歌さんったら自分の事のように喜んじゃって、思いっきり抱き付いてきたのよ」

曜「えっ！？手取り足取り教えてくれるの！？千歌ちゃんが！？」

善子「うっ」

曜「さらに抱き付きも！？」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、雨の日も可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「梅雨入りしたから傘持ってきた方がいいよーって伝えるんだけど、傘持ってこないんだよね」

曜「それで学校帰り案の定、雨降っちゃってさ」

曜「そしたら『曜ちゃん入れてー！』って傘の中に飛び込んで、抱きついてくるんだよ」

曜「ほんと可愛いんだよねぇ千歌って」

善子「この前千歌さんと帰ってる時にも雨降っちゃって、二人とも傘持ってなかったからびちょ濡れになっちゃったんだけど」

善子「その後千歌さん家のお風呂に２人で入って、着替えも貸してもらったわよ」

曜「ズルい！私も千歌ちゃんとお風呂に入りたい！」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、しいたけと遊んでる時も可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「『私しいたけの躾出来るんだよー！』って言うんだけどさ」

曜「おすわり！お手！伏せ！ってやってるのに何にも動かないんだよね」

曜「『もうなんでやってくれないのぉ！』ってジタバタ焦りだしちゃってさ」

曜「ほんと可愛いんだよねぇ千歌って」

善子「千歌さんって逆なら得意なのにね」ｸｽｯ

曜「逆…？」

善子「千歌さんって躾しやすいのよ？」

善子「おすわりやお手だってするし、喉回りを撫でると悦んじゃって可愛いのよね」

曜「ず、ズルい！私も千歌ちゃんに躾したい！」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、花火の時も可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「”ドンッ”って大きい音が鳴る度に身体を”ビクッ”って震わせちゃってさ」

曜「怖いのかな？って思ったんだけど『わぁ！綺麗だねぇ』って目を輝かせながら見上げてるんだよね」

曜「花火に照らされてる横顔が、より一層綺麗見えてさ」

曜「ほんと可愛いんだよねぇ千歌って」

善子「震えてるんなら抱き締めてあげなきゃ！」

善子「千歌さんと花火大会行くときは毎回抱いて一緒に見てるわ」

善子「その方が千歌さんと一体になって花火を楽しめるわよ？」

曜「えっ…千歌ちゃん花火大会に二人で行くのは初めてって言ってたのに…」

曜「”私とは”初めてって事だったの…？」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、風邪引いてる時も可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「お見舞いに行ったら布団からひょこっと顔出して『よーちゃん助けてーっ』って甘えた声で言ってくるんだよ？」

曜「もちろん私はご飯食べさせたり御世話するんだけどさ」

曜「ほんと可愛いんだよねぇ千歌って」

善子「私も丁度お見舞いに行ったわよ？」

善子「今日は千歌さんの身体を拭いてあげたんだけど、千歌さんたら恥ずかしいのか顔を真っ赤にしちゃって可愛かったわね」

曜「待って！千歌ちゃんにまだそれやってあげてない！！」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、炬燵に入ってる時も可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「一緒に入ってる時に足をツンツンしてあげるんだけどさ」

曜「最初は笑ってるんだけど、続けてるうちに頬を紅らめてﾁﾗﾁﾗみてくるんだよ」

曜「ほんと可愛いんだよねぇ千歌って」

善子「そ、そうなんだ…千歌さんのツンツンってちょっと…」

善子「えっちだなって思ったらそういう…」

曜「え゛っ…ちちち千歌ちゃん！？」

善子「うっそー！」

曜「千歌ってさぁ、エイプリルフールの日も可愛いんだよねぇ」

善子「あ、はい」

曜「ニヤニヤしながら満面の笑みを浮かべて『曜ちゃんなんか大嫌い！』って言ってくるんだよ」

曜「もちろん嘘って分かってるんだけど落ち込むフリをしたら『よよよ曜ちゃん！？嘘だよぉ！本当にごめん！！』ってさ」

曜「ほんと可愛いんだよねぇ千歌って」

善子「私も同じ事を千歌さんにされて、同じように落ち込んでるフリをしたら『なんでもするから許してぇ！』って抱き付きながら言ってきたわよ？」

善子「もちろん千歌さんに…」

曜「待って！千歌ちゃんのそんな話ちょっと聞きたいけど聞きたくない！！」

善子「うっそー！」

曜「善子ってさぁ、ほんと可愛いんだよねぇ」

曜「私の下らない話にいつも付き合ってくれてさ、登下校のバスは善子ちゃんと一緒で楽しかったよ」

曜「今まで本当にありがとうね
これでお別れかな…」

善子「曜さん…」ｸﾞｽｯ

曜「うっそー！」

曜「新しい学校でも一緒にお喋りしながら行こうよ！」

曜「明日に向かって全速前進よーしこー！」

おわり