ことりぷらす

ルビィ「次の曲の振り付け難しいね……」

花丸「マルもうへとへとずら……」

善子「くっくっくっ、神に妬まれた完璧な堕天使ヨハネにとっては造作もないことよ」

ルビィ「さすが善子ちゃん！」

善子「だからヨハネ！」

ダイヤ「……。あの、善子さん？」

善子「なによ」

ダイヤ「そういう堕天使だとかヨハネだとかいうのルビィに悪影響だからやめてくださらない？」

善子「やめるやめないとかじゃなくてヨハネはヨハネなの！」

ダイヤ「大体、善子さんは完璧だとおっしゃっていましたが、結構間違っていましたわよね？」

善子「そ、それは今関係ないじゃない！」

ダイヤ「あら、造作もなかったのではなくて？」ｸｽｸｽ

善子「いっくら完璧な堕天使だって間違えることくらいあるの！」

善子「大体、ルビィのためって何よ、ルビィもそんな心配されるほど子供じゃないわよ！ ね？ ルビィ」

ルビィ「ぴぎっ！？ え、えっと……」ｱｾｱｾ

ダイヤ「妹のことを心配するのは姉として当然でしょう？ ねぇ、ルビィ？」

ルビィ「え、えっと、えっと……」ｱｾｱｾ

ダイヤ「高校生にもなって痛々しい発言をしている人になんだかんだ言われたくありませんわ」

善子「こっちこそシスコンになんやかんや言われたくないし」ﾌﾟｲｯ

ダイヤ「なんですって！？」ｽﾞｲｯ

善子「なによ、やるっての！？」ｽﾞｽﾞｲｯ

千歌「す、すとーっぷ！」

曜「ケンカはやめよ？ ね？」ｱｾｱｾ

梨子「善子ちゃんもダイヤさんもちょっと言い過ぎよ」

果南「なんだか最近あの2人妙に仲悪くない？」

鞠莉「んー、相性は悪くないと思うんだけど……」

善子「むーっ」

ダイヤ「ふんっ」

曜「あっ、よ、善子ちゃん！ バス来たよ！ 乗ろ！」

善子「……うん」

善子「べーっ！」

ダイヤ「こんの自称堕天使いいいいいいいい！」

花丸「だ、ダイヤちゃん落ち着いて！」

梨子「あー、もう！ なんで善子ちゃんは火に油を注ぐようなことするのかなぁ……」

――
黒澤家

ルビィ「あ、あのね、お姉ちゃん」

ダイヤ「なんですの、ルビィ？」

ルビィ「その、善子ちゃんってほんとはいいこなの」

ダイヤ「あの自称堕天使が？」

ルビィ「時々変なことしてるけど、根は真面目で一生懸命で――」

ダイヤ「俄かには信じがたい話ですわね」

ｵﾓｲｶﾞﾄ-ﾄﾞｶﾅｲｯﾃﾅﾔﾑﾉﾊｰ♪

ダイヤ「ん」

ルビィ「お姉ちゃんの携帯？」

ダイヤ「えぇ、メールですわね」

ダイヤ「ごめんなさい、ルビィ。少し急用が」

ルビィ「そっか……。善子ちゃんのこと、その、誤解しないであげてね……？」

ダイヤ「……まあ、少し様子を見てみますわ」

ルビィ「お姉ちゃんも善子ちゃんも大切だから2人がケンカしてるの見るのやだから……」

ルビィ「明日きちんと仲直りしてね！」

ダイヤ「えぇ。嫌な思いをさせてごめんなさい、ルビィ」

ダイヤ「では、少しでかけてきますわね」

ルビィ「うん……」

――

ダイヤ「……」

善子「………」

ダイヤ「さっきぶりですわね」

善子「……誰もいないわよね？」

ダイヤ「えぇ、おそらく」

善子「……ダイヤっ！」ｷﾞｭｯ

ダイヤ「ふふ、甘えん坊ですわね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

善子「だって2人きりじゃないと甘えられないし！」

善子「あのね、あのねダイヤ！」ｽﾘｽﾘ

ダイヤ「興奮しすぎですわ、落ち着いて」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

善子「すきっ！」ｽﾘｽﾘ

ダイヤ「わたくしも好きですわよ」ﾆｺｯ

善子「あっ」

ダイヤ「どうかしまして？」

善子「さっきはごめんなさい！」

ダイヤ「さっき？ あぁ、お互い様ですわ」

善子「ほんとはね、ヨハネもダイヤの悪口いいたくないの……」

ダイヤ「わたくしも同じ。あなたに対して悪態をつく度に心が痛みますわ」

ダイヤ「みなさんに心配もかけてしまっているようですし」

善子「でも、グループ内で恋愛してるなんて知られたら大変だし」

ダイヤ「気を抜くとあなたを好きな感情があふれ出して来てしまうから、悪態をつくしかないんですのよね……」

善子「……」ｷﾞｭｩｯ

ダイヤ「不安？」

善子「……うん」

善子「いつばれちゃうかもわからないし、ばれちゃったら別れさせられるかもだし」

ダイヤ「善子さん」ｸﾞｲｯ

善子「ん？ んぅ♡」ﾁｭｯ

ダイヤ「あなたに暗い顔は似合いませんわよ、善子さん」

善子「……善子さんって呼ばないで」

ダイヤ「あぁ、ごめんなさい。そうでしたわね」

ダイヤ「善子♡」ﾎﾞｿｯ

善子「ん……」

善子「ダイヤ」ｽﾘｽﾘ

ダイヤ「まだ不安ですの？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

善子「んーん、それよりも今は」

善子「ダイヤともっとくっついてたい♡」ｷﾞｭｰｯ

ダイヤ「もう、善子ったら♡」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

善子「ダイヤのぬくもりが心地いいの♡」

ダイヤ「それはこちらも同じですわ♡」ｷﾞｭｯ

――

ダイヤ「ん、もうこんな時間……」

ダイヤ「今日はそろそろ帰りましょう？」

善子「……もっといたい」ｷﾞｭｯ

善子「まだダイヤ分補給できてないもん……」

ダイヤ「平日は練習後に少し会うくらいしかできませんわよ」

ダイヤ「休日は長い間一緒にいられるでしょう？」

善子「……」

ダイヤ「わたくしだって本当は離れたくないですわ」

ダイヤ「けど、会えない時間があるから会える時が待ち遠しいの」

善子「それは、そうだけど……」

善子「じゃあ、最後に」ﾂﾑﾘｯ

ダイヤ「本当に甘えん坊ですわね」

ダイヤ「あいしていますわ、よしこ♡」ﾁｭｯ

善子「んっ♡ んちゅっ♡」

ダイヤ「ちゅるっ♡ ちゅうっ♡」

善子「んふっ♡ もっとぉ♡」

ダイヤ「ちゅぷっ♡ んちゅっ♡ 善子はほしがりですわね♡」

ルビィ「わ、わぁ……」ｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ

千歌「ちょ、ちょっとルビィちゃん声おっきいよ！」ｱｾｱｾ

曜「いやいや、千歌ちゃんの方が大きいから！」

ダイよし「！？」ﾋﾞｸｯ

鞠莉「あーあ、見てるのばれちゃったじゃない」

梨子「もっと見てたかったのにぃ……」

果南「だから邪魔しないように帰ろうって言ったのに」

花丸「果南ちゃんが一番じーっと見てたずら」

果南「そ、そんなことないって！」ｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱ

ダイヤ「あなたたち何をしてますの……？」

ルビィ「えっと、ルビィはお姉ちゃんどこ行くのかなって気になってついてきて」

曜「私も善子ちゃんが急にバスを降りてったから気になって」

千歌「LINEのグループで2人のこと相談してたら2人がいちゃいちゃしてる画像が曜ちゃんから送られてきて」

果南「気になって見に来たんだけど」

ダイヤ「……」ｽｯ

善子「……えっと、だ、ダイヤのばーか」

ダイヤ「よ、善子さんのおたんこなす、ですわ」

花丸「いやいや、今更繕っても遅いずら。なんかぎこちないし」

ダイヤ「……わかりました」

鞠莉「なにが？」

ダイヤ「別れますわ」

善子「……」ｺｸﾘ

梨子「ちょ、ちょっと、なんで急にそんな！？」ｱｾｱｾ

ダイヤ「アイドルは恋愛禁止、でしょう？」

ダイヤ「だから、仕方のないことですわ」

千歌「……ぶっぶーだよ、ダイヤちゃん」

ダイヤ「へ？」

千歌「μ’s活動日誌。海未さんの当番の時」

ダイヤ「……？」

千歌「穂乃果さんの言葉だよ」

千歌「『アイドルは恋愛禁止って言っても、女の子同士なら別に大丈夫、のような気がするし』」

ダイヤ「っ！」ﾊｯ

千歌「女の子同士なら大丈夫ってあの穂乃果さんが言ってるの」

千歌「だから、きっと大丈夫！」

梨子「そうよ、女の子同士なら大丈夫！」

ダイヤ「では、善子さんとお付き合いしていてもいいと……？」

果南「まあ、好きになっちゃったものは仕方ないしね」

花丸「愛情に年齢も性別も壁はないずら」

ルビィ「る、ルビィは2人がケンカしてる姿よりは仲がいい姿の方が見たいな」

曜「2人とも心配しすぎなんだよ」

鞠莉「そうそう、マリーたちは全然Welcomeデース」

善子「みんな……！」ｼﾞｰﾝ

――
数日後

千歌「っていうわけで2人が付き合ってるのを隠さなくなったのはよかったんだけど」

善子「ダイヤ、つかれたー」

ダイヤ「もう、仕方ないですわね。ほらこっちきなさい」

善子「ダイヤ分ほきゅー♡」ｷﾞｭｰｯ

ダイヤ「わたくしも善子分補給ですわ♡」ｷﾞｭｰｯ

善子「んっ♡」ﾁｭｯ

ダイヤ「もう、善子ったら♡」

果南「練習中も構わずいちゃいちゃされるとなんていうか……」

梨子「眼福だよね」ﾆｺﾆｺ

曜「それは梨子ちゃんだけだと思うよ」ｱﾊﾊ…

ルビィ「ルビィも2人が仲良しで嬉しいよ」ﾆｺﾆｺ

花丸「ルビィちゃんと梨子ちゃんのはきっと少し意味が違うずら」

善子「ダイヤ♡ んちゅぅ♡」

ダイヤ「善子♡ ちゅぷっ♡ ちゅぅっ♡」

鞠莉「んー、これならケンカしてたほうがまだマシだったかも……」ﾊｧ

おわり