ことりぷらす

千歌「はぁ…｣

曜「千歌ちゃん、どこか調子悪いの？」

千歌「ううん、大丈夫…ぜっこーちょーだよ」

曜(とてもそうは見えない)

ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾊﾟﾝﾎﾟﾝ

「生徒会から、本日の放送委員会の会場の変更についてお知らせします」

千歌「！」

曜「お、ダイヤさんの声だ」

「本日の放送委員会は、会場が第2委員会室に変更となりました。各学年の委員の方は…」

曜「連日会議でダイヤさんも大変だね」

千歌「うん…｣ｼｭﾝ

曜(…なるほど、そういうことね)

こんな感じでお願いします！

ルビィ「忙しいからって妹のことを蔑ろにしちゃダメだよ。千歌ちゃんともっとお話してあげて」

ダイヤ「はい……」

曜「会いに行かないの？」

千歌「迷惑かけちゃうもん」

曜「ダイヤさんはそんな風に思わないと思うよ。きっと喜んでくれるって！」

千歌「喜んでくれたら嬉しいけど、そうならいいけど…それも良くないっていうか」

曜「え、どういうこと？」

千歌「だって、私と会ってくれるのは嬉しいけど、その分お仕事する時間もなくなっちゃうわけで…」

曜「ああ…」

千歌「もっと会いたいし、もっと一緒にいたいけど…私だけのワガママでダイヤさんを大変にしちゃうわけにはいかないよ」

曜「ふむふむ。そういうことなら…あ、ちょっと電話してくるね」

千歌「うん…」

曜(久々に一肌脱ぎますか、ってね)prrrr

曜「ただいまー」

千歌「お帰り。長かったね」

曜「ちょっとね。はい､これ｣ｶﾞｻ

千歌「なにこれ…キット◯ット抹茶味！」

曜「差し入れ、してきなよ。ダイヤさん抹茶好きでしょ」

千歌「曜ちゃん、私のためにわざわざ？」

曜「へへ。千歌ちゃんがしょんぼりしてると、私も元気なくなっちゃうし」

千歌「曜ちゃん…！」

曜「ほら、早く行かないとお昼休み終わっちゃうよ」

千歌「ありがとう曜ちゃん！これ、食べて！」つミカン

曜「ありがと。頑張ってねー」

千歌「うん！｣ﾀﾞｯ

曜「さてさて、うまく行くといいな」prrrr

曜「ありがと、助かったよ。うん、きっと上手く行くと思う」

曜「え？キット◯ットだけに？いやいや、そんなつもりじゃ…」

生徒会室

ダイヤ「ふぅ、やっとひと段落…お昼休みもあとわずかです、早くお弁当を食べてしまいませんと」

ダイヤ「しかし、仕事の山は減る気配すらなく…この調子ですと、今日も練習後に残務処理ですね…」

千歌『えへへ、ダイヤさーん！』ﾆﾊﾟｰ

ダイヤ「千歌さん…」

千歌『私は大丈夫！心配いらないから、お仕事頑張って！あ、でも無理しちゃヤダよ？』ﾆｺ…

ダイヤ「千歌さん…千歌さんの本当の笑顔、久しく見ていない気がします」

ダイヤ「私が不甲斐ないばかりに、千歌さんには迷惑を…」

ガラッ！！

ダイヤ「ぴぎゃ！？｣ﾋﾞｸｯ

千歌「ダイヤさん！」

ダイヤ「ち、千歌さん！？」

千歌「ダイヤさん、お疲れさまです！」

ダイヤ「え、ええ…って、入室する際はノックするようにと」

千歌「そんなの後、後！ハイこれ！｣ｶﾞｻ

ダイヤ「私に…？あっ！」

千歌「抹茶味のキット◯ット！お仕事頑張ってるダイヤさんに食べて欲しいなって！」

ダイヤ「わざわざ、届けに来てくれたのですか？」

千歌「うんっ！｣ﾆﾊﾟｰ

ダイヤ「あ…！」

ダイヤ(この笑顔…)

ダイヤ「ありがとうございます。後でご馳走になりますね」

千歌「えー、今食べないの？」

ダイヤ「お昼がこれからですので、その後にでも早速」

千歌「え！まだ食べてなかったの！？」

ダイヤ「恥ずかしながら、仕事が立て込んでしまって、いつのまにかこんな時間に…」

千歌「大変！こうしてる場合じゃないよ！」

ダイヤ「えっ？」

千歌「ほらほら、急いで食べないと！あっ、飲み物とかあります？」

ダイヤ「だ、大丈夫ですから、落ち着いてください」

千歌「昼休みは残りわずか！作戦は一刻を争う、だよ！あ、でもゆっくり食べないと体に悪いし…あー、どうしたらいいのー！？」

ダイヤ「…もう｣ｸｽ

千歌「♪～｣ﾆｺﾆｺ

ダイヤ「ふぅ、ご馳走さまでした。すみません、食べ終わるまで待っていただいて」

千歌「すまなくなんかないよ。食べてるダイヤさんが見たかったんだもん！｣ﾆﾊﾟｰ

ダイヤ「！｣ﾄﾞｷｯ

千歌「へへ、特等席だぁ♪」

ダイヤ「ふふっ。なら、私もですね。千歌さんを独り占めしてしまいました」

千歌「んー。足りないなぁ」

ダイヤ「え？」

千歌「独り占めが足りないってこと。千歌のこと、もっと独り占めしていいよ？」

ダイヤ「千歌さん…」

千歌「そりゃ！」はぐっ

ダイヤ「ひゃあ！」

千歌「ふふ、ダイヤさーん！｣ｷﾞｭｰ

ダイヤ「ありがとう、千歌さん｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

お待たせした上に尻切れとんぼだけど、とりあえずこんな感じで
もしかしたら蛇足を書くかも

個人的には、ちかダイにおける敬語千歌ちゃんがすごく好きなんだけど難しい

ちかダイ流行れ

ダイヤ「千歌さん、今日も遅くなりますんで、戸締まりの方、気をつけてくださいね」

千歌「あっ……うん、わかった……ご飯はどうするの？」

ダイヤ「外で済ませてきますので、用意しなくても大丈夫ですわ」

千歌「そうなんだ……わかった」

ダイヤ「それでは、いってきますね」

千歌「うん、いってらっしゃい……気をつけてね」

ｶﾞﾁｬ

千歌「……」

ダイヤさん……今日も遅くなるんだ……

最後、一緒にご飯食べたの、いつだっけ？

本当は一緒に食べたいけど、食べずに帰りを待ってたら、ダイヤさんを心配させちゃうよね……

朝も忙しいから、ゆっくり一緒に食事出来ないし……

最近、全然一緒に食べれてないなぁ……

千歌「……」ｸﾞｽｯ

一人で食べるの寂しいよぉ……

ダイヤさんと一緒に食べたいなぁ……

～夜～

千歌「いただきます……」

今日も一人の晩ごはん。

いらないって言われたけど、ダイヤさんの分も用意しちゃった。

もしかしたら早く帰ってくるかもしれないし……

千歌「……」ﾓｸﾞﾓｸ

一人で食べるの寂しい……

だから最近は、お人形を隣のに置いて食べてるの。

お店で偶然見かけたんだよね、ダイヤさんに似てるお人形を……

千歌「今日の玉子焼きうまく焼けてるでしょ？」

そのお人形に話しかけながら食べるのが最近の日課なの。

千歌「あと、お魚も上手に焼けたんだ～♪」

こうしてるとね、寂しさが少しは紛らわせるんだよ。

千歌「大根おろしもね？うさぎの形にしてみたんだよ。かわいいでしょ？」

『…………』

本当に、少しだけね……

千歌「……」ｸﾞｽｯ

やっぱり……寂しいや……

千歌「ダイヤさん……」ﾎﾞｿｯ

ｶﾞﾁｬ

玄関が開く音がする。

ダイヤ「ただいま帰りました」

千歌「えっ……」

ダイヤさんの声だ……なんで？

ダイヤ「今日は早く終わりましたんで、まっすぐ帰ってきました」

そう言いながら玄関からリビングまで歩いてくる。

千歌「うそ……」

本当に、帰ってきてくれたの？

千歌「あっ」

隣にお人形を置いていたままだ。

お人形と一緒にご飯食べてたなんて、バレたら恥ずかしいよ。

どこかに隠さないと……

ｶﾞﾁｬ

ダイヤ「千歌さん？」

でも、間に合わなかったみたい。

だって玄関からリビングまで3秒くらいの距離なんだもん。

千歌「お、おかえり……」

ダイヤ「はい……それは……？」

見られちゃった……内緒のお人形。

千歌「えぇっと……」

ダイヤ「晩ごはん、その子と食べてたんですか？」

千歌「……う、うん」

ダイヤ「……」

どうしよう……引かれちゃったかな？

それともお行儀が悪いって思われた？

ううん、よく考えたらこのお人形、無断で買っちゃったんだよね。

何か買うときは相談しないといけない決まりなのに内緒で買っちゃったの……

きっと、怒られちゃう。

謝らないと、ダイヤさんに……

千歌「ダイヤさん、あのっ……」

ダイヤ「……ごめんなさい、千歌さん」

千歌「えっ？」

ダイヤ「寂しい思いをさせて……申し訳ありませんわ」ｷﾞｭｯ

千歌「ダイヤさん……」

ダイヤ「まだ忙しい日が当分続きますけど……それが終わったら、絶対二人の時間を増やしますので、もうしばらく我慢してくれませんか……？」

千歌「……怒ってない？」

ダイヤ「何をです？」

千歌「お人形、勝手に買っちゃって……」

ダイヤ「そんなことで、怒るわけないでしょう？」

千歌「……引いてない？」

ダイヤ「はい？」

千歌「一人でこんなことしてて……」

ダイヤ「……ふふ、心配性ですね貴方は」

千歌「えっ？」

ダイヤ「引くわけないでしょう？」

千歌「……本当？」

ダイヤ「当たり前です、それに……」

ダイヤさんがお人形を撫でる。

ダイヤ「この子がいるんですから、一人ではないでしょう
？」

千歌「……ダイヤさん」

ダイヤ「……あら、晩ごはん……私の分も用意してくださったんですか？」

千歌「あっ、うん……ごめんなさい、いらないって言われたのに……」

ダイヤ「いいえ、いいんです」

今度は千歌の頭を撫でてくれた。

ダイヤ「まだ食べてなかったので、助かりました」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

千歌「ダイヤさん……」

ダイヤ「一緒に食べてもいいですか？」

千歌「一緒に……？」

ダイヤ「えぇ、私と千歌さんとその子の３人で、一緒に」

千歌「……うん！」

すばらしい

最終回は千歌ちゃんはダイヤちゃんって呼んでたけど、それでもやっぱりダイヤさん呼びが好き