

梨子「それで」
志満「んー?」ムギュムギュ
梨子「用事ってなんですか?」
志満「んー」ナデナデ
梨子「ちょっと」
志満「ふぅ、充電完了…それじゃ、ばいばい」フリフリ
梨子「おかしいおかしいおかしい」
志満「なーに?」
梨子「なーに?、じゃないです」ジトッ
志満「ふふっ、私の真似?じょーずよ」ニコッ
梨子「いやいや、そんなことではなく」
志満「なに梨子ちゃん、用がなきゃ会っちゃダメなの?」
梨子「せっかくの休日にですね」
志満「はい」
梨子「呼び出された私の身にもですね」
志満「はい」
梨子「しかもこれといった用事もないってどういうことですか」
志満「はい」
梨子「きいてます?」
志満「ねぇ梨子ちゃん」
梨子「はい?」
志満「ぎゅー!」ダキッ
梨子「誤魔化さない」ペシッ
志満「あだっ」
梨子「帰りますよ?」キッ
志満「ぶー、折角二人きりなのに」
梨子「…」
志満「なにか別の用事でもあった?」
梨子「…いえ、これといっては」メソラシ
志満「ならいいじゃない」
梨子「そういう問題ではないです」
志満「私は梨子ちゃんのことが好き」
梨子「私は志満ねぇが嫌いです」
志満「帰ろ…」
梨子「いやここあなたのお家」
志満「うぅ」ウルウル
梨子「嫌いです」
志満「がーん」ガクッ
梨子「そんな?そんなにですか?」
志満「生きる意味って…いったい」
梨子「重すぎるこの人」
梨子「…」
志満「しゅん」
梨子「口で言わないでください」
志満「…」
梨子「…」
志満「ちらっ、ちらっ」
梨子「はぁ…まったくもぉですねぇ」
志満「ーっ」パァ
梨子「すごい嬉しそう」
志満「お姉さんのお部屋に行く?」
梨子「なぜそうなるのか」
志満「だめ?」ウルウル
梨子「来てほしいんですよね?」
志満「…」コクコクッ
梨子「仕方ないですね、まったく」
志満「いい子ねぇ」ヨシヨシ
梨子「触らないでください」ペシッ
志満「年上の人に暴力は良くないと思うわ?」
梨子「高校生を家に連れ込んでる大人が言えたことですか?」
志満「双方の合意の元ですので」
梨子「違います、半分無理やりです」
志満「そうかなぁ」ニコニコ
梨子「何が言いたいんですか」
志満「ほんとは梨子ちゃんだって」
梨子「なんですか」ギロッ
志満「おーこわいこわい」
梨子「ばか」ボソッ
志満「行きましょうか」ニコッ
梨子「…」コクッ
—–
—
–
梨子「お邪魔します」
志満「はい、いらっしゃい」
梨子「志満ねぇのお部屋…久しぶり」
志満「散らかってるところは見ない振りしてね」
梨子「千歌ちゃんと美渡さんは?」
志満「もちろん出掛けてるわ、じゃなきゃあなたとこんなところに居られないでしょ」
梨子「いつ頃帰ってきますか」
志満「ずいぶん気にするのね」
梨子「いえ…別に」
志満「ははーん、お姉さんわかっちゃったなぁ」
梨子「なにがですか」
志満「梨子ちゃんの考えてること」
梨子「…」
志満「当ててほしい?当てて欲しいでしょ」
梨子「いいえ」
志満「志満お姉さんといつまで一緒に居られるのかなぁ…、たくさんお話してたいなぁ…」
梨子「…」
志満「ピンポーンでしょ?ねぇねぇ」ニコニコ
梨子「やっぱり帰ります、さよなら」クルッ
志満「ごーめーんー」ニギッ
梨子「まったく…なんでこんな」ボソボソ
志満「ねぇ梨子ちゃん」
梨子「なんですか」ジトッ
志満「耳、真っ赤よ?」
梨子「っっっ!?」
志満「ふふっ、どうしたのかしらねぇ」
梨子「ばかばかばか!帰ります!!もぉもぉ!///」ポコポコ
志満「可愛いわねぇ」ヨシヨシ
梨子「さーわーらーなーいーでー!」ジタバタ
志満「こらこら、暴れないの…よしよーし…いい子だから」ナデナデ
梨子「むぅ…」スンッ
志満「ごめんなさいね」
梨子「…」
志満「こうして二人きりなれたの…久しぶりよね」
梨子「そうですね」ムスッ
志満「だからかな、嬉しくて、つい梨子ちゃんに意地悪したくなっちゃったの」
梨子「ひどい人です」
志満「梨子ちゃんも嬉しいでしょ?」
梨子「知りません」
志満「嬉しいくせに」
梨子「知りません」
志満「志満ねぇちゃんは、嬉しいなぁ…すごく」ギュッ
梨子「…」ニギッ
志満「ふふっ」
梨子「ん」スッ
志満「あら、どうして離れるの?、やっぱりお姉さんのことが嫌い?」
梨子「そうじゃなくて」
志満「おお、嫌いじゃないらしいわ」
梨子「こんなこと」
志満「うん」
梨子「こうしてること…他のみんなにバレたらと思うと」
志満「…」
梨子「…」
志満「こわいんだね」
梨子「…」
志満「なら、お姉さんとこうして会うの…やめる?」
梨子「…い」ボソッ
志満「?」
梨子「ずるいです…」
志満「大人はずるいのよ」クスッ
梨子「犯罪者め」
志満「なんてひどい子なのかしら」
梨子「それに、やっぱり嫌いです」
志満「私は好きよ、梨子ちゃんのこと」
梨子「知ってます」
志満「千歌ちゃんと美渡ちゃんね」
梨子「え?」
志満「あの二人、今日は帰ってこないの」
梨子「そうですか」
志満「泊まる?お泊まりする?」
梨子「して欲しいですか?」
志満「わかってるくせに」
梨子「して欲しいですか?」
志満「言ってほしいの?欲しがりねぇ」クスッ
梨子「帰ります」
志満「わかったわ、じゃーね、さよなら」
梨子「え」
志満「帰るんでしょ?ごめんなさいね、無理に付き合わせて」
梨子「あ、あの」アセアセ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
志満「んー?」ニコニコ
梨子「ず、ずるです!こんなのずるっこです!」
志満「大人はずるいのよ」ドヤッ
梨子「うううぅ…っ!」ギロッ
志満「勝った…」
梨子「…」
志満「所詮こどもね、大人には勝てないのよ」
梨子「くぅぅぅぅぅうっ」プルプル
志満「そんなに悔しいのね、涙目の梨子ちゃんも可愛いわ」ニコニコ
梨子「仕方ないです」
志満「仕方ないわね」
梨子「志満ねぇが泊まってほしそうな顔をしているので、泊まってあげます、仕方ないです」
志満「なんて言いがかり」
梨子「私の勝ちですね」
志満「こどもねやっぱり」クスッ
梨子「うるさいです」ムスッ
志満「梨子ちゃんが怒った顔好きなのよねぇ」
梨子「なんでこんな人を好きになってしまったのか」
志満「あ、好きって言った!!」
梨子「間違えました」
志満「梨子ちゃん」
梨子「?」
志満「ほら、もっと傍においで」
梨子「…でも」
志満「今だけは、ほんとに二人きりだから」
梨子「やっぱり…ずるいなぁ」スッスッ
志満「素直な子は好きよ、お姉さん」ニコッ
梨子「志満ねぇは素直すぎです」
志満「手、貸して」
梨子「ん」
ニギッ
志満「…」
梨子「なんか」
志満「うん」
梨子「志満ねぇの、働いてる人の手って感じがします」
志満「あら、荒れてるって言いたいの?」
梨子「そうじゃなくて」ニギニギ
志満「手、きれいね…ピアノしてるからかしら」
梨子「褒めても何も出ませんよ」
志満「そんなつもりはなかったけど」
梨子「…、ありがとうございます」ボソッ
志満「いえいえ」
梨子「なんでだろ、こうしてると…手を握ってるだけで安心します」
志満「そっか」
梨子「…」
志満「…」
梨子「顔、近いです」プイッ
志満「耳だけじゃなくて顔も赤いわよ」クスッ
梨子「ばか」
志満「年上の人にそんな言葉いけません」
梨子「ふんっ」
志満「大人は敬わないと」
梨子「ねぇ、志満ねぇ…」ニギニギ
志満「ん」
梨子「…」チラッ
志満「どうしたのかしら」
梨子「その…す…」
志満「?」
梨子「…好きです///」ボソッ
志満「あらあら、ふふっ」
梨子「笑わないでくださいぃ!」
志満「ちゃんとわかってるから、梨子ちゃんの気持ち」スッ
梨子「…ほんとかなぁ」
志満「信用してないの?」
梨子「だって私…素直じゃないから」
志満「なら、練習しなきゃね」グイッ
梨子「わわっ!?」ヨロッ
志満「今夜一緒に、素直になる練習…ね?」ニコッ
梨子「…///」コクッ
チュッ
おわり
初めて見る組み合わせだ
過去
志満「一緒にいたくて」梨子「内緒の休日」
志満「みんなでいるとき」梨子「ふたりでいるとき」
乙です
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