

梨子「ほらね?タイトルに釣られて閲覧してしまったでしょ?」
梨子「読者を騙すなんて簡単よ…けど、私はそんなハリボテの閲覧数なんていらないわ」
梨子「…」
梨子「…そう…私はもっと読み手を大切にしたい」
だから今日も私は筆を触る
梨子「…ふぅ」
自室の椅子に座り天井を見つめる
机の上には桜内の百合百合のーと♡が置いてある
梨子(さて…今日は何を書こうかしら…)
__ _
「ダメよ…あっ…やめて…っ…♡」
「本当に…やめていいの?」
梨子「……」カリカリ
梨子「…っ」
パタン。
梨子(ダメね…こんなのありきたりだわ)
少し書いては筆を置く
梨子「……はぁ」
梨子(あっそうだわ)
梨子「千歌ちゃんちに行こう」
_/_つ/ ̄/
/_/ ̄ ̄ ̄ ̄
☆
千歌「梨子ちゃんいらっしゃーい」
梨子「ごめんね、急にお邪魔しちゃって」
千歌「ううん、へーきだよ!」
梨子「…ねぇ千歌ちゃん」
千歌「なに?」
梨子「あ…えっと…あのね?」
千歌「ん?」
梨子「……」
梨子「はぁ…ダメね…やっぱり書けないわ」
頭の中で千歌ちゃんを出しても湧いてこない百合の波動
今日も書けない…。
梨子「……」
白紙のページを見つめたまま動けない
梨子「…何か」
PRRR♪
梨子「…っ!!」
梨子「は、はい!」
千歌『あ!梨子ちゃん?今暇?』
__
____
☆
梨子「よ、よし…!」
妄想じゃなくて本当に千歌ちゃんちにお邪魔する事になるなんて!
梨子(忘れ物はないわよね…あっ、一応百合百合のーと♡もって行こう!何かあったらすぐメモできるように)
梨子「…さて」
いつも会ってる千歌ちゃんに会うだけなのにやたらと緊張してしまう
きっと休日に会うからだ
梨子「…」ゴクッ
ピンポーン♪
パタパタ
ガラッ!
千歌「いらっしゃーい!」
梨子「お邪魔します」
☆
千歌「ねぇねぇ梨子ちゃん」
梨子「なぁに?」
千歌「あのねー?あの…えっとね?」
梨子「?」
千歌「えっとさー…もうすぐバレンタインデーじゃん?そこでさー」
梨子「バレンタインデー…」
あぁ!!
あぁ!!そうよ!!そうだわ!!
バレンタインよ!!すっかり忘れていたその極上の百合イベント!!
なんてことなの…!こんな素敵なネタを忘れていたなんて…でもバレンタインデーはまだ先だしこれならなんとか
千歌「…梨子ちゃん?」
梨子「!!…あっ…ごめんなさい」
梨子「…それで…なんだっけ?」
千歌「うん…えっとね?梨子ちゃんてチョコレート作れるよね?」
梨子「もちろんよ?買うなんてありえないわ」
千歌「ほんと!?えへへ!じゃあさじゃあさ!一緒に作ってほしいな!」
梨子「一緒に!?」
千歌「うん!…だめ?」
梨子「だ…め…じゃないわ…」
千歌「!!…ほんと!?やったーっ!!」
梨子「ふ…ふふふ…ぐふ」
こうして私は千歌ちゃんとチョコレートを作る事になった
梨子「じゃあ…いつ作る?」
千歌「今から」
梨子「!?」
__
____
千歌「お父さーん♡厨房借りてもいーい?」
梨子「お邪魔しまーす…」
さすが旅館の厨房…こんなに大きな場所でチョコレートを作るなんて
なんだか贅沢
千歌「…よしっ!はい!これとこれと…あとこれ!」
千歌ちゃんは材料と道具を一式並べる
食べる方は簡単だけど作る方はとっても大変なのね
梨子「…ねぇ千歌ちゃん」
千歌「なーに?」
梨子「チョコレートは誰に渡すの?」
千歌「…!」ピタッ
梨子「…?」
千歌「よーちゃんと梨子ちゃんだよー…えへへ」
梨子「!…そっか!」ニコッ
可愛い
絶対に成功させなきゃね!
__ _
♡
千歌「…ふぅ!…あとは冷凍庫で固めるだけだね!」
梨子「そうね、見た目も完璧よ!」
千歌「えへへ…ありがとう!梨子ちゃーんっ!!」ギュッ…♡
梨子「わっ!♡」
あぁ~私の周りに百合の花が見えるわ
千歌「…えへへ」
梨子「ふふっ…がんばったわね♡」ナデナデ
千歌「うん…!」
♡
千歌「梨子ちゃん、今日は手伝ってくれてありがとう!」
梨子「ううん、こちらこそ!楽しかったわ」
千歌「ふふん♡…あっ、梨子ちゃんは誰に作ったの?」
梨子「私は善子ちゃんと千歌ちゃんと曜ちゃんに」
千歌「!…よ、曜ちゃんに?」
梨子「…ふふっ…気になる?」
千歌「ぅえ!?えええっと!?///」
梨子「あはは♡…ちゃーんと友チョコよ」
千歌「え!?…あっ…も、もう!梨子ちゃん!!///」
梨子「あはは!」
梨子(でも千歌ちゃんには本命だったり…なーんてね♡)
梨子「じゃあ、また明日学校でね?」
千歌「うん!またね!!」
お家はすぐ隣だけど
私達の距離感はまだ少し遠い
けれどこの距離が今は心地よくて
いつまでも一緒にいたい、そんな気持ちを今日改めて実感した
そんな休日の1日でした。
__
_____
当日
千歌「よ、曜ちゃん…これ…受け取ってくれるかな…?///」
曜「えっ!?…う、うん…///」
梨子(千歌ちゃん…上手くいったみたいね!)
善子「リリー、話ってなに?」
梨子「あっ善子ちゃんいたの?」
善子「ちょっと!リリーが呼んだんでしょ!?あと私は__」
梨子「はい!これ!」
善子「え…?これ…って…!」
梨子「善子ちゃんをリア充にしてあげる♡」
善子「なっ///……ありがとう…///」
梨子「ふふっ…どういたしまして」
バレンタイン、それは女の子がいつもりよ少しだけ
素直になれる日。
おわりよ
おまけ
千歌「ただいま~」
千歌「はぁ~曜ちゃんにもチョコ渡せたし梨子ちゃんにもお礼の友チョコ渡せてよかった~」
千歌「あれ?なんだろこれ…ひゃくあいひゃくあいのーと♡?梨子ちゃんのかな?」ピラッ
千歌『おっ♡おっ♡…あひっ!?♡やめれっ♡もぅっ♡んひっ♡…溶けちゃぅっ♡ちかのおまん×梨子ちゃんのお○んちんチョコレートで溶けちゃぅぅぅ♡♡♡』
パタン。
千歌「…」
千歌「…?」
おわりよ
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