

――休日 国木田家・花丸の部屋
ルビィ「うわ~、赤ちゃんの頃の花丸ちゃん可愛いねぇ!」ペラッ
花丸「そんなことないずらよ~///」テレテレ
ルビィ「この頃から『ずら~』って言ってたの?」
花丸「あはは、さすがに『バブバブ』だったと思うずらよ」
ルビィ「……すごい、もうこの頃から本を読んでたんだね~」ペラッ
花丸「2歳の頃には本を読む仕草をしてたみたい。さすがに文字は読めなかったけど」
ルビィ「こっちは、幼稚園の頃だね」
ルビィ「あれ?花丸ちゃんの隣にいる女の子ってもしかして……」ペラッ
花丸「うん、善子ちゃんだよ。この頃はまだ髪が短かったずら」
ルビィ「……善子ちゃんも可愛いなぁ。この頃からお団子に羽が付いてたんだね」
花丸「昔から自分のことを『天使』だと思い込んでた、面白い子だったずらよ」フフッ
ルビィ「そう……だったんだね……」
ルビィ「ねえ……花丸ちゃん」
花丸「なに?ルビィちゃん」
ルビィ「花丸ちゃんのお家って、今までお引っ越ししたことってある?」
花丸「えっ?ううん、生まれてからずっとこのお寺に暮らしているずらよ」
花丸「生まれも育ちもこの内浦ずら」
ルビィ「そうだよね」
ルビィ「実家がお寺なら、そう簡単にお引っ越し出来るわけないよね……」
花丸「……ルビィちゃん?」
ルビィ「ルビィもね、生まれも育ちも内浦で、ずっと今の家に住んでるんだけど……」
花丸「そうだね。ルビィちゃんの家は網元のお屋敷だからね。それがどうかしたの?」
ルビィ「……おかしいと思わない?花丸ちゃん」
花丸「え?」
ルビィ「花丸ちゃんの家からルビィの家まで、そう離れていないのに」
ルビィ「なんでルビィたち、もっと小さい頃に知り合わなかったんだろう……」
花丸「……………………あっ」
花丸「言われてみれば……内浦は小さい街だし、それに子どもは少ないから」
花丸「季節の行事ごととかで、もっと早くルビィちゃんと知り合っていたはず」
花丸「なのに、どういう訳かルビィちゃんと出会った記憶が全くないずら……」
ルビィ「中学の時、初めて花丸ちゃんの家に遊びに行った時は驚いちゃったよ」
ルビィ「お寺に住んでいたのもそうだけど、自宅から1kmしか離れてなかったんだもの」
※ルビィの自宅の位置は「大川家長屋門」、花丸の自宅の位置は「来迎寺」とします。
ルビィ「沼津に住んでいる善子ちゃんと花丸ちゃんが幼なじみだと分かってからは」
ルビィ「今まで黙ってたけど、ずっと『疑問』ばかり思い浮かんじゃって……」
花丸「疑問……ずら?」
ルビィ「花丸ちゃん、どこの幼稚園に通っていたか覚えてる?」
花丸「えっ?沼津の幼稚園だった気がするずら。内浦には幼稚園がないから」
ルビィ「うん、そうだね。内浦に幼稚園はないからね」
ルビィ「沼津の幼稚園に通っていたら、善子ちゃんと知り合ったのは筋が通ってるよね」
ルビィ「……一応」ボソッ
花丸「う、うん……」
いやG’sではちゃんとみんな幼馴染み設定だろ何がおかしい
この時ルビィはお姉ちゃんと同じ長髪のはず=ここにいるのはルビィではない
という仮説があってな
ルビィ「ルビィは別の幼稚園に通っていたから」
ルビィ「百歩譲って、ルビィより先に善子ちゃんと仲良くなったのは認めるよ」
ルビィ「悔しいけど……」ボソッ
花丸(悔しい?ルビィちゃん今小声で悔しいって……)
花丸(それに、雰囲気がいつものルビィちゃんじゃないみたい。ちょっと怖いずら……)
ルビィ「でも、小学校の場合そういう訳にはいかないんだよ」
ルビィ「ルビィ、色々と調べたんだ。小学校では『学区』というものが決められていて」
ルビィ「私立小学校や特別な事情がない限り、地元の小学校に通う決まりになってるのに」
ルビィ「どうしてルビィたち、小学生の頃に知り合わなかったんだろう……」
花丸「た、確かに……内浦で暮らしている子どもは、みんな『内浦小学校』に通うけど」
花丸「あれ?どうしてだろう……?分からないずら……」
ルビィ「念のために確認したいんだけど、花丸ちゃんは……どこの小学校出身?」
花丸「えっ?まるは……」アルバム ペラッ
花丸「ほら、入学式の時の写真だけど、内浦小学校ずらよ……?」
ルビィ「ルビィも……内浦小学校、だよ?」
花丸「…………え?」
ルビィ「ルビィも、内浦小学校の卒業生なんだよ……?」
花丸「そ、そうだったの?いつ卒業したの?」
ルビィ「平成25年だから、2013年だね」
※本編は2016年とします。
花丸「オラと一緒ずら……オラも平成25年3月に卒業したずら」
ルビィ「でも……クラスメイトに『国木田花丸』という女の子は」
ルビィ「どこにも……いなかったんだよ……」
花丸「そんな…………」
ルビィ「実はね、今日遊びに来たのも、それを確かめるためだったの」バック ガサゴソ
ルビィ「ルビィ、小学校の時の卒業アルバムを持ってきたんだ」
花丸(あれ……まるがもらった卒業アルバムと全く同じ形してる……?)
ルビィ「ほら見て?6年1組の写真、これがルビィだけど……」ペラッ
花丸「本当だ……みんな知ってる顔なのに、まるがどこにもいないずら……」
花丸「ちょ、ちょっと待ってね!?まるも卒業アルバム持ってくるからっ!」ドタバタ
ルビィ「…………花丸ちゃん」
――
花丸「そんな……どうして、こんなことに……」
ルビィ「……………………」
花丸(まるの卒業アルバムは、ルビィちゃんのものと全く同じ色と形で)
花丸(写真も文章もほとんど同じなのに、ただ1点だけ違うところが……)
花丸(それは、『黒澤ルビィ』という女の子が……どこにも載っていないことでした……)
ルビィ「……………………」ポタッ ポタッ
花丸「ルビィ……ちゃん……」
ルビィ「おかしいよね。ルビィたち、同じ小学校に通って、同じ年に卒業して……」ジワッ
ルビィ「知り合ってたら、友だちになってたかもしれないのに……なんでぇ……!」ヒック
ルビィ「2人してお互いのことを知らないのぉ……!!」
ルビィ「どうして卒業アルバムに写ってないの……!?」
ルビィ「こんなの絶対おかしいよぉ!」ポロポロ
花丸「そんなこと……まるにも分からないずらよ……」ジワッ
花丸「まるだって……ルビィちゃんがこんなに近くにいたのなら……」グスッ
花丸「もっと早く……仲良くなりたかったのに……」ヒックヒック
花丸「うっ……ううっ、ひっく……」ポロポロ
ルビィ「ぐすっ、うっ……うううっ……うわぁあああぁあああん」
『 泣 か な い で 』
――――――
――――
――
――朝 黒澤家・ルビィの部屋
ルビィ「…………はっ!!」ガバッ
ルビィ(あれ?……ルビィ、ベッドにいる……?)
ルビィ(夢……だったのかな?もうあまり覚えてないけど……)顔ペタペタ
ルビィ(涙?……ルビィ泣いてたのかな?早く拭かなくちゃ)ゴシゴシ
ダイヤ「ルビィ、そろそろ起きなさい。また寝坊……」ガラッ
ルビィ「あっ、お姉ちゃん。おはよう」
ダイヤ「おはよう……珍しいですわね。わたくしが起こす前に起きてるだなんて」
ルビィ「えへへ、何だか今日はすぐに目が覚めちゃって」
ダイヤ「まあいいですわ」
ダイヤ「朝食の準備が出来てますから、早く着替えて降りてらっしゃい」
ルビィ「はーい」
ルビィ「……早く着替えてご飯食べなきゃ」ヨイショ
――通学路
ルビィ(一体何だったんだろう、昨日見た夢……)
ルビィ(マルちゃんが出てきたのは覚えているんだけど……)
ルビィ(あれ?夢の中のルビィ、『花丸ちゃん』って呼んでた気が……)
花丸「おはよう。ルビィちゃん」肩ポンッ
ルビィ「あっ、おはようマルちゃん!」
ルビィ「今日はね、ちゃんと起きることが出来たんだ!」
花丸「ふふっ、そうだったんだ」ニコッ
ルビィ「でも昨日見た夢がね、ちょっと怖い夢だった気がするの」
花丸「怖い夢?どんな夢だったか覚えてないの?」
ルビィ「うん。起きた瞬間にほとんど忘れちゃったんだけどね」
ルビィ「マルちゃんと一緒にいたのは、おぼろげに覚えてるんだけど……」
ルビィ「夢の中のルビィは、何故かいつもモヤモヤしていた気がするの」
ルビィ「目が覚めた時に涙が出てたんだけど、多分、夢の中で泣いてたんだと思う……」
花丸「ルビィちゃん……まるはいつでもルビィちゃんと一緒ずらよ?」
花丸「だって『幼なじみ』じゃない」ニコッ
ルビィ「マルちゃん……」
花丸「だからルビィちゃんも、まるのことを置き去りにしないでね?」
ルビィ「うん……もちろんだよ。ありがとう、マルちゃん」
花丸「怖い夢のことは忘れてさ、今日の練習が終わったら松月行かない?」
ルビィ「いいね!またみかんのパウンドケーキ食べたいし……」
『……………………』
――善子が好きそうな天界ぽいところ
『はぁ……やれやれ。今までさまざまな世界を見てきたが……』
『これほどまで矛盾を孕んだ世界を見たのは初めてだ』
『本来なら傍観することに徹し、干渉することは避けていたが』
『このままだと、矛盾だらけの「あちらの世界」の彼女たちの精神が崩壊してしまう』
『不本意だが、これまでの出来事は全て無かったことにして……』
『今後、彼女たちが矛盾点を詮索できないように魔法をかけておいた』
『呪文名「それ以上いけない」だ』
『対価として「こちらの世界」の彼女の夢として処理させてもらった』
『結果としては彼女に負担をかけてしまうが、夢ならすぐに忘れるだろう』
『いくら創造主が設定変更に寛容と言っても、これほど矛盾が多いと対処しきれないぞ』
『特にルビィという娘は、あちらでは多くの属性や魅力を根こそぎ奪われているからな』
『実は花丸とは「本当に幼なじみだった」と知ったら、どうなることやら……』
『いっそのこと、矛盾だらけのあちらの世界を破壊してやりたいところだが』
『それは即ち「廃校を阻止できるかもしれない世界」を』
『彼女たちの「未来」と「可能性」を殺すことになってしまう……』
『今は……ただ、見守るしかないな。半年後には再び時が動き出すらしいし』
『きっと彼女にも、「本当の幸せ」が訪れると信じて……』
おわり
良かったよ
よかった
矛盾の犠牲になったかわいそうなルビまるはいなかったんだね…
酒井はもう一回ルビィと向き合った方がいい
分かる
酒井が全ての元凶
平行世界ネタいいね!
まだ次元の歪みが…
賞賛されても批判されてもおいしいスレということになるな・・・
G’s連載世界(世界内の一貫性ない、認知している人も少なく他の世界とは独立している)
アニメ世界(が他の世界
G’s連載世界(世界内の一貫性ない、サザエさん時空、認知している人も少なく他の世界とは独立している)
アニメ世界(一部を除き世界内の一貫性があるが強い影響力を持ち、他の世界を侵食することもある)
コミック世界(世界内での一貫性あり、独自の世界観を持ち他の世界とは相互不干渉)
スクフェス世界(サザエさん時空、アニメ世界からの影響を受けやすくそれまでの設定を無かったことにするのも珍しくない)