梨子「よっちゃん」
善子「んー?」
梨子「その格好はどうしたの?」
善子「サンタよ!見ればわかるでしょ」フフーン
梨子「うわぁ…寒そう」
善子「…うん」
梨子「こたつ入りなよ」ポンポン
善子「うん」
善子「はぁ…暖かい」ヌクヌク
梨子「よっちゃんの脚邪魔なんだけど」ドスドス
善子「蹴らないで!いいじゃんいいじゃん、仲良しみたいで」
梨子「お肌スベスベだね」
善子「変態…」
ガタガタガタガタ
梨子「外吹雪いてるねぇ…」
善子「お出掛けしたかったなぁ」ガックシ
梨子「お家デートも好きだけどね」
「ヨハネもー」モソモソ
梨子「?」
「もう少しそっち寄ってよ」
梨子「え?」
モソモソ
善子「っんはぁ」ヒョコッ
梨子「わぁっ!?」
善子「えへへー、リリーとお隣さん」
梨子「こたつ潜ってこっち侵入してくるとは…潜るのは煙突だけにして欲しいですサンタさん」
善子「嬉しいでしょ?」
梨子「いや全然」
善子「そんな!?」
梨子「こんな横に居られると暑苦しいし鬱陶しいんだもん」
善子「むきぃぃぃばかばかー!」ポコポコ
梨子「もぉ狭いんだから暴れないの!」ギュゥゥゥゥゥッ
善子「ンーンー!!!」
梨子「ふふっ、堕天使を封印してやったわ」ギュゥゥゥゥゥッ
善子「ンー!!?!?」ジタバタ
梨子「ちょ」パッ
善子「んっはぁ…はぁ…息できなくて死ぬかと思った…」
梨子「あ、ごめん」エヘヘ
善子「人間ごときのおっぱいで窒息死とか堕天使の恥だわ」
梨子「おっぱい言うな」
善子「まぁでもリリーのおっぱいでなら…えへへぇ」
梨子「こら」ペシッ
善子「いてっ」
梨子「まったくもぉ」
善子「もう一回ぎゅーして?」
梨子「嫌です、恋人を殺めて刑務所行きなんてごめんだよ…しかも胸で」
善子「今日の私は堕天使の上にサンタなの、だから無敵」ドヤッ
梨子「よくそんな衣装持ってたね」
善子「昨日買った」
梨子「おばか」
善子「ばかとはなによー!」プンスコ
梨子「おばかなものはおばかなの、おばか」
善子「むきぃいいいい!」
梨子「ふふっ、可愛いなぁ」ナデナデ
善子「撫でるなぁー!」ジタバタ
梨子「はい」
善子「えっ」
梨子「ん?」
善子「うぅ…」シュン
梨子「仕方ないなぁ、私はなでなでしてたいけど、撫でるなって言われたらなぁ」ニコニコ
善子「むぅ」プクッ
梨子「もう自分の恋人が堪らなく愛しくて頭撫でてたかったんだけど、やめろって言われちゃ仕方ないー」
善子「んーんー」グイグイ
梨子「どうしました?堕天使サンタさん」
善子「…撫でてもいいわよ」グイッ
梨子「ふふっ、嫌です」ニコッ
善子「なんでーなんでー!」
梨子「気が変わってしまいました」
善子「んー撫でて撫でて!!」
梨子「やーだ♪」
善子「…」
善子「…それなら」
梨子「?」
ナデナデ
梨子「!?」ビクッ
善子「ふふふ…どうだ、堕天使をなめるとこうなるのよ」ナデナデ
梨子「や、やめてぇ…///」
善子「きこえなーい、リリーだって頭なでなでしてもらえてほんとは嬉しいんでしょ?」
梨子「…」
善子「ねぇ?」
梨子「……嬉しくないもん」
ピタッ
梨子「え?」
善子「サンタさんは嘘つきのお願いは叶えてあげられないのよ?知ってた?」ニコニコ
梨子「くぅ…よっちゃんのくせに…」ンギギギ
善子「ねぇ、ほら、ちゃんと言ってみて?どうしてほしいの?」ボソッ
梨子「うぅ…///」
善子「ん?」
梨子「うぅぅぅ…」
善子「言って?」
梨子「うがぁああああああ!!!」
善子「うわぁ!?」
梨子「よっちゃんのくせにこのぉおおおおお!!」スリスリスリスリスリ
善子「ぎゃああああああああああ!!!」
梨子「撫でてあげる!!もうやだって言っても止めないから!!」
善子「ぎゃあああ禿げる禿げる!摩擦で発火するうがああああ!!!」
梨子「何を言おうとしてるのかなこのお口は」
善子「んー!」
梨子「よっちゃんは黙って私の思い通りになってればいいの」クスッ
善子「くそぉ…いつかギャフンって絶対言わす…」
梨子「何百年後かなぁ」ナデナデ
善子「生きてない!」
梨子「あれ、そういえば外が静かだね」
善子「吹雪止んだ!?」
梨子「もう夜だけど」
善子「今から出掛ける!ケーキ買いに行くわよ!」
梨子「えー今からー?寒いよぉ」ヌクヌク
善子「こたつの電源は抜きましたよ先輩」
梨子「人間とは思えない行為」
善子「堕天使ですので」
梨子「ちっ」
善子「舌打ち!?」
梨子「あー疲れた、もう歩けない、お出かけ中止、もう夜七時、お腹すいた、ごはん作ろ」
善子「だめー!!ケーキ買いにいくの!」
梨子「そんなのいつでも食べれますが?」
善子「今日食べないと!」
梨子「クリスマスだからケーキ食べるってそういう固定観念よくないと思います」
善子「この先輩本気で外に出たくないんだ…」ジトッ
梨子「ってことで」
善子「私、知ってるわよ」
梨子「え?」
善子「リリーさ、最近…」
プニッ
梨子「ひぃっっっ!!!?!??!?」ビクッ
善子「なにこれ?ねぇ?なにこれ?運動してる?気にかけてる?」プニプニッ
梨子「んがぁ!やめなさい!!」ペシッ
善子「あだっ!」ズテンッ
梨子「ばか!よっちゃんのおばか!変態!」
善子「ふふ…なんとでも言えばいいわ…だからといって」
梨子「もうわかった!歩けって言うんでしょ!行けばいいんでしょ行けば!」プンスコ
善子「勝った…計画通り」ニヤリ
梨子「…よっちゃん」
善子「ん?」
ギロッ
善子「ひっ」ビクッ
梨子「後で覚えておきなさい」ボソッ
善子 ガタガタガタ
梨子「さっ、行きましょうか、堕天使サンタさん」ニコッ
善子「悪魔なしこだ…」
梨子「ほらとっとと歩く!」ペシッ
善子「ひぃいいい!」タッタッタッ
…
梨子「ねぇ、よっちゃんその格好で外出る気?」
善子「もちのろんよ!」
梨子「それじゃ風邪引いちゃうでしょ、上着着てきなさい」
善子「えー、せっかくのサンタさんなのに」
梨子「お外で見せびらかしたい気持ちは分かるけど、それで風邪引いたらただのおばかでしょ」
善子「むぅ…そうだけど、でもこのままがいいの!!」ムスッ
梨子「だめです!!先輩の言うことがきけないの?」
善子「そういうの良くないと思う!先輩だからってそういうの良くないと思う!!」
梨子「いいから言う事ききなさい!!」
善子「やだ!!」
梨子「よっちゃんは私だけのサンタでいてほしいの!他人に見せびらかす必要ないの!!」
善子「うっ///」ドキッ
梨子「あ、いや、なんでもない!今のなし!!///」
善子「もっかい、もっかい言って!」
梨子「うぅ…///」カァァァァァ
善子「ねぇ、もう一回お願い!ほらほら」
梨子「んもぉおおおお!!いいから早く着てきなさい!襲って食べちゃうわよ!!」ウガァァァァ
善子「ぎゃああああ怪獣なしこだぁぁぁぁ」アハハハハ
—–
—
–
「いってきまーす」
バタンッ
善子「雪は降ってるけど、風はやんだわねー」
梨子「ほら、中入って」バサッ
善子「相合い傘ー!」ニギッ
梨子「ちょっとぉ、くっつきすぎ」
善子「積もったわねぇ」ズサズサ
梨子「東京はここまでなかなか積もらないから新鮮」
善子「でたー、東京自慢でたー」ブー
梨子「自慢でーす」クスッ
善子「開き直った」
梨子「いやほんと、気にしないで」
善子「だめ!言って!隠し事許さないわよ!」ズズッ
梨子「ほんとほんと、なんでもなーいなんでもなしこだよ♪」
善子「え?なに?なんて?」
梨子「…ごめん、今のなし///」
善子「ぷふっ、なに?今のなし?今のなしこ?あはははははは!!!」
梨子「ふんっ」テクテク
善子「あー置いてかないでー!」テクテク
イラッシャイマセー
善子「なににしよっかなぁー」
梨子「どーせショートケーキでしょ、苺乗ってるし」
善子「どーせってなによー…まぁそうだけど」
梨子「…むむむ」
善子「すごい…いつになく梨子が悩んでる」
梨子「うーん…うううう…」
善子「何で迷ってるのよ」
梨子「このチョコのやつか…こっちのモンブラン…」
善子「ねぇ、後ろ詰まってるんだけど」ボソボソ
梨子「あー…どうしよぉ…」
善子「すいません、このチョコレートケーキと、モンブラン1つずつください」
梨子「え、ショートケーキは?」
善子「いいから黙ってて」
アリガトーゴザーイ
善子「よし、任務完了!」
梨子「ねぇ、ほんとに良かったの?」
善子「ショートケーキの話?」
梨子「うん…」
善子「いいの、私チョコも大好きだし、栗も嫌いじゃないし、半分こずつすればどっちも楽しめるでしょ」
梨子「そうだけど…」
善子「そこはありがとうって言っときなさいよ」
梨子「うん…ありがと」ギュッ
善子「ん」
善子「そういえば、雪もやんだわね」
梨子「なんか納得いかない…」
善子「まだ言ってる…たまには後輩に甘えてよ」
梨子「えー、負けた感じがしてなんかやなんだもん」
善子「ふふっ、なら今日は私の勝ちね…」
梨子「それは許されない」
善子「そんなに!?」
梨子「あー…」
善子「はぁ、ならさ」
梨子「?」
善子「さっきの、教えて…それでおあいこで」
梨子「さっきのって?」
善子「来る途中に私に何か聞こうとして誤魔化したでしょ、あれ」
梨子「えっ」
善子「目そらさないで」
梨子「べ、別にやましいことなんてないです!」
善子「そんなこと言ってないでしょ」
梨子「ぐぬぬ…」
善子「ほらほら、なんでもなしこじゃなかったんでしょ?」
梨子「…はぁ、あーもぉわかった、そんな大した話じゃないけど」
善子「で?」
梨子「うん」
梨子「よっちゃんって…その、私と付き合うまで、恋人いたことあるのかなぁって…気になったの」
梨子「それだけ」
善子「それだけ?」
梨子「それだけ」
善子「ほんとに大した話じゃないんだけど」
梨子「ほら」
善子「だからって口籠ることないでしょ」
梨子「だ、だって…もしよっちゃんが、とてつもなく経験豊富で…」
梨子「クリスマスデートなんてお手の物だったりしたらって思うと…つい」
梨子「女の子と私から見ても可愛いし、美人だし、自分が堕天使だとか痛いこと言ってても、そういう変人が好みの変わった殿方だっているかもしれないし」
善子「あれ、今さらっと酷いこと言われた?」
梨子「わ、私はよっちゃんが初めてだから…その…」
善子「私だって梨子が初めての人よ」
梨子「え、ほんと!?」
善子「うん」
梨子「はぁ…なんだ、もぉなら最初からそう言ってくれればいいのに、スッキリした」
善子「え、これ私が悪い?私が悪いみたくなってるんだけど」
梨子「よっちゃん」ニギッ
善子「?」
梨子「私は、よっちゃんが初めてで良かったよ」ニコッ
善子「うっ…うぅ///」
梨子「さっ、早く帰ってケーキ食べよ♪」
善子「ばか…ばかなしこ」ボソッ
梨子「あー先輩に悪口言う子には手を繋いであげませーん」ペイッ
善子「ばか、梨子は馬鹿よ、私より」
梨子「むっ、どういうことよ」ムスッ
善子「私だって、梨子が初めてでよかった…リリーの初めてになれてよかった」ボソボソ
梨子「…」
善子「そ、そういうこと!!ばかなしこ!」
梨子「ふふっ、ありがと」ニコニコ
善子「んなっ、笑うなぁ!!」ポコポコ
梨子「ねぇよっちゃん」
善子「ん?」
梨子「クリスマスプレゼントさ、ほしいものある?」
善子「プレゼント!?ほしい!!」
梨子「いやそれは知ってるけど、何が欲しいのかなぁって」
善子「え、うーん…えー」
梨子「無いんだったらクリスマスプレゼントはナシでいっかな」ニコッ
善子「えー!なんで!やだ欲しい!梨子がくれるものならなんでもいい!」
梨子「って言っても、もう買ってあるんだけどね」
善子「あー!騙した!なんでそういう意地悪するの!!」プンスコ
梨子「よっちゃんの反応が面白いから?」
善子「むきぃぃぃぃ!!」
梨子「ねぇサンタさん」ギュッ
善子「むぅ、なによ?」
梨子「サンタさんは、私になにくれるのかな?」
善子「…ふふふ、さーどうだか」
梨子「えーなんでですか?」
善子「プレゼントってのは良い子にしてた人にしか届かないのよ?知ってた?」
梨子「なら私は100点ですね、津島善子ちゃんって子のお世話係頑張ってますし」
善子「ちょっとまって」
梨子「違いますか?」
善子「津島善子弄り係の間違いでは?日々先輩からいじめを受けていると報告を受けてますが」
梨子「あ?なに?」ギロッ
善子「うっ…なんでもないです」
梨子「うんうん」ニコニコ
善子「はぁ…それで、梨子は何が欲しいの?私ももう買ってあるけど」
梨子「え、準備してくれてるの!?…感激、涙」グスッ
善子「そんな!?昨日買ったの」
梨子「あー…だからサンタ服も一緒に買ったのね」
善子「鋭いな人間よ」フフン
梨子「うるさい」
梨子「欲しいものねぇ..んーそうだなぁ、それじゃ1つめは」
善子「え、複数可!?」
梨子「1つめはね、お家に帰るまでに私を寒さから凌いでほしいな♪」
善子「寒さ凌ぐって…むぅ、それじゃ私のマフラーを…」
梨子「ぶっぶー、不正解でーす」
善子「え」
梨子「それじゃサンタさんが風邪引いちゃうでしょ」
善子「…あーもぉわかった」
ピトッ
善子「これでいいわよね?」
梨子「正解ー」エヘヘ
善子「玄関出たときはくっつきすぎって怒ってたくせに」ボソッ
梨子「なに?なんて?」
善子「なんでもありませーん、これで寒くないでしょ?」
梨子「あはは、寒いです、サンタさん無能です」ニコニコ
善子「ひどい言われよう!!?」
梨子「でも、なんだかポカポカしてくるね」
善子「ふんっ、意味わかんない梨子」
梨子「えーわかんない?」
善子「どーせ私はおばかだからわかんないー」
梨子「ふふっ、なら私がサンタさんを暖めて分からせてあげるよ…今晩ベッドの上で♪」
善子「んなっ…変態!///」
梨子「まぁ嫌ならいいけど」
善子「んー!嫌じゃない!嫌じゃない!」
梨子「なんだぁ、サンタさんだって期待してるんだね」
善子「うぐっ」
梨子「そりゃそうだよね、そんな格好して恋人を誘ってるんだから」ニコニコ
善子「ち、ちが」
梨子「違わないよ♪」
善子「違うのー!」ムーッ
チュッ
善子「んんっ!?」
梨子「ふふっ、遅くなったけど」
梨子「メリークリスマス、よっちゃん」ニコッ
梨子「ほら早く行こう?帰ってケーキ食べなきゃ♪」
善子「もぉ…ずるいわよ、ばか///」ボソッ
おわり
|c||^.- ^|| すてきなよしりこでしたわ、乙ですわ
最高過ぎるわw
よしりこ推し不可避
なかなかにきゃんりかみのあるよしりこだったな
よき