ことりぷらす

ダイヤ「楽しそうですわね、千歌さん」

千歌「だって久々にダイヤさんとデートですもん！」

ダイヤ「これまでだってお互いの家で遊んでたじゃありませんか」

ダイヤ「……ま、はしゃぐ気持ちも分かりますがハメを外しすぎないように」

千歌「……あ、でもルビィちゃんから聞きましたよー？ダイヤさん昨日ずっとそわそわして眠れなかったって」

ダイヤ「なっ！？そ、そんなこと……」

千歌「ダイヤさんも、楽しみですよね？」

千歌「うんうん、楽しい時は楽しみましょ？」

ダイヤ「……そうですわね」

千歌「で、ダイヤさんなんか目的あったんですっけ？」

ダイヤ「ええ、ルビィに頼まれて雑誌を」

ダイヤ「……自分用のも買いますわ」

千歌「じゃ本屋ですね、あとは……映画とかどうです？」

ダイヤ「いいですわね、何か良いのありますか？」

千歌「えっとですねー、私の持ってる少女漫画が映画化してますよ、どうです？」

千歌「お昼はどうします？」

ダイヤ「そうですわね……ファミレス、あたりでいいのでは？」

千歌「落ち着けますもんね、そうしましょう」

ダイヤ「今日も夕方あたりに帰る、で良いですわね？」

ダイヤ「……そろそろ着きますわね」

千歌「本屋ですよね？私もちょっと用事あるんですよね」

ダイヤ「漫画か何かですか？」

千歌「まあ、そんなとこです」

千歌「手でも繋いじゃいます？」

ダイヤ「ええ、それもいいですわね」

千歌「えっあっ」

ダイヤ「……何か？」

ダイヤ「私だっていつまでも子供みたいに恥ずかしがってられませんわ」

千歌「……あ、じゃあ腕組みましょう、ほら」

ダイヤ「ちょっ！？」

千歌「こっちの方があったかいですよ？」

千歌「大丈夫です、合わせます」

ダイヤ「……」

千歌「あれ、恥ずかしがってます？」

ダイヤ「は、恥ずかしくなんか」

ダイヤ「えっ、そんな」

千歌「じょーだんですっ、じゃまずは本屋で。そのまま映画行きましょっ」

ダイヤ「……はい」

千歌「あーもーなんで売ってないのー！」

ダイヤ「そんなに人気なんですか？」

千歌「いや、むしろマイナーです。新刊先週だったからなー……」

ダイヤ「それは仕方ありませんね」

千歌「……なんかダイヤさん一番くじまでやってるし」

千歌「それにしてはE賞で悔しがってたくせに」

ダイヤ「……と、ところで映画まであとどれ位ですの？」

千歌「……まいっか。あと30分ですね」

ダイヤ「ちょうど良い頃合ですわね」

ダイヤ「お昼前にそんなに物は食べられませんわ」

千歌「んー、確かにそうですね、飲み物だけ買ってきます。何飲みます？」

ダイヤ「では烏龍茶で」

千歌「はーい」

ダイヤ(千歌さん、相変わらず人をからかいますのね……少し疲れてしまいますわ)

ダイヤ(いえ、そういうところも素敵なのですけど……って私は何を考えているんですか！)

千歌「ダイヤさーん、お待たせしましたー！」

ダイヤ「ぴっ！？」

ダイヤ「いえ、少し考え事を……」

千歌「あー、ダイヤさんってそんな感じがします」

ダイヤ(本当は貴女のことを考えていたのですけど……内緒にしておきますわ)

ダイヤ「さっ、そろそろ開場しそうですし、行きましょうか」

千歌「……良かった」

ダイヤ「……」

千歌「原作再現？って感じでした、キャストもストーリーも……スタッフの愛を感じたなー……ダイヤさん？」

ダイヤ「……はっ！？私は何を」

千歌「何かあったんですか？」

千歌「ダイヤさん、この作品知らないんですよね？」

ダイヤ「ええ、初めてでしたわ」

千歌「……なんかずるーい」

ダイヤ「何故ですの？」

ダイヤ「ふふっ、抽象的すぎて伝わりませんわ」

千歌「むーっ……なんかお腹すいてきました」

ダイヤ「もうお昼も過ぎてきましたもの、当然ですわ」

千歌「確か近くにありましたよね？行きましょっ」

ダイヤ「……ええ」

千歌「ファミレスって久々だなあ」

ダイヤ「私は数える程しか来たことありませんわね」

千歌「ダイヤさんとこならもっと美味しいところに行くんじゃないですか？」

ダイヤ「そんなことありませんけど……料亭は連れてってもらいましたわ」

ダイヤ「そうですの？」

千歌「なーんか住む世界が違うなあ」

ダイヤ「そういう価値観も今後共有しないといけませんね」

千歌「そうですねー……合わせられるか不安です」

千歌「……さっ、食べましょ！私もーお腹ぺこぺこで」

ダイヤ「私だって同じですわ」

千歌「何食べますー？」

ダイヤ「……ハンバーグ」

ダイヤ「な、なんですのその顔は！」

千歌「いやー。なんか面白いなって」

ダイヤ「人で面白がらないで下さい！」

千歌「もうだいぶいい時間ですね」

ダイヤ「話し込みましたわね……」

千歌「お互いの中学時代とか、結構面白かったです」

ダイヤ「……ふふっ、そうですわね」

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