ことりぷらす

梨子「はい？」

善子「のみこみ悪いわねリリーは」

梨子「いや、いきなりそんなこと言われても何ものみこめないから」

善子「まぁいいわ。鞠莉さんお願い」

鞠莉「ええ、いいこと梨子？」

梨子「は、はいっ」

鞠莉「このまま年月を重ねて、お酒を嗜む時がくると思うの。いえくるわ」

鞠莉「そんな時にたった一杯で酔いつぶれちゃったら………そんなリリーも悪くないわね」
りこ
善子「鞠莉さん脱線しないで！」

梨子(帰っていいかな……？)

梨子「はい？」

鞠莉「だから、飲み会よ」

梨子「うん、待って。話が繋がってないし、そもそも私たち未成年ですよ？」

鞠莉「私たちの歳でもお酒を飲める国はあるわ」

梨子「ここは日本ですっ。それに親や先生にばれたら……」

善子「鞠莉さんの部屋は完全防音だから安全よ。それにもし先生にばれちゃっても」

鞠莉「権力で揉み消すわ♪」

梨子「…………」

鞠莉「と、いうわけでー」

善子「今夜鞠莉さんちに集合ね」

梨子「いやいやいやっ！絶対ダメですから！？」

まりのへや

善子「おつまみ買ってきたわよ。パパ……お父さんがいつも食べてた物だから味は保障できないけど」

鞠莉「thankyou善子♪私も最高級のチーズを用意したわ」

鞠莉「お酒も……こっちに」ｶﾞﾁｬ

善子「うわ……高そう……」

鞠莉「んー……まぁパパのコレクションから貰ったからそれなりかもね」

善子「………飲んじゃっていいの？」

鞠莉「もち♪ワインは飾るものじゃないもの」

梨子「はぁ………結局きちゃった………」

梨子「私は飲まないわ。うん、頑張れ私」ｸﾞｯ

善子「なにぶつぶつ言ってるのリリー？」

鞠莉「そろそろ始めるわよ？」

梨子「え、ええ……」

鞠莉「まぁ最初は……この美味しそうなので」

梨子「ラベルにブドウの絵が載ってますね」

善子「ブドウジュースみたいなものかしら」

鞠莉「赤ワインね。まぁ気に入らなかったら別のを開けましょう」ﾄﾎﾟﾄﾎﾟ

善子「そんな贅沢な……！」

梨子「ありがとうございます。……記念日？」

鞠莉「そ、善子と梨子との初飲み会記念日。はい善子も」

善子「ヨハネよ。記念日……素敵な響きね」

梨子「…………素敵な日になればいいですけど」

鞠莉「きっとなるわ。それじゃ──── 」

よしまり「かんぱ～い♪」ｶﾁﾝ

梨子(はぁ……心配だなぁ…)

梨子「あははっ、うふふ」ｹﾗｹﾗ

鞠莉「あ、あの……梨子？大丈夫？」

梨子「だいじょーぶでーす。あははっ」

善子「いや…その、大丈夫そうにはみえないんだけど……」

梨子「………」ｼﾞﾄｰ

善子「な、なによぅ……」

梨子「よっちゃん…よっちゃん、ふふっ♪」

よしまり「……………」

鞠莉「ええ、まさかたった一口でああなるなんて、さすがリリー」

鞠莉「略してさすりりね」

善子「どうするの？」

鞠莉「もちろん決まってるわ……！」

鞠莉「梨子ー、こっちのも美味しそうよー」

梨子「ふぁ～い♪」

善子「ちょ、ちょー！？」

鞠莉「善子……いえ、堕天使ヨハネ。この企画の趣旨覚えてるかしら？」

善子「何よいきなり……」

鞠莉「そう、己の限界を知る！そして限界突破！」

善子「初めて聞いたんですけど！？」

鞠莉「そしてそこにはベロンベロンな梨子！だとすれば……」

鞠莉「梨子の限界のそのまた向こう側……見てみたくない？」

善子「……………みたい、けど」

鞠莉「私たちで梨子の壁を壊してあげましょう」

善子「わかった………………ってならないわよ！」

善子「それに──── 」

梨子「よっちゃん！」

善子「な、なに…？」

梨子「ちょっとよっちゃん、グラスがからなんだけどー」

善子「リリー？無理に飲ませたのは謝るからもう終わりに──── 」

梨子「よ～ちゃん～！ほしいの～！」

善子「………っ///」

鞠莉「今キュンってしたでしょ？」

善子「し、してな……したけど…///」

鞠莉「梨子、可愛くおねだりできたら考えるわよ？」

梨子「おねがぁい…よぉちゃぁん……」ｷﾞｭ

善子「」

善子「だ、だめよ…津島善子。いまのリリーは正常じゃないの。あんなことになっちゃってるけどリリーは清純で──── 」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

梨子「ねぇよっちゃん」ﾐﾐﾓﾄﾎﾞｿﾎﾞｿ

善子「ひゃ///」ﾋﾟｸｯ

梨子「………だめ？」

善子「だ、だめ…よ……っ///」

梨子「…………」

善子「く……ひ………っ///」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

梨子「……おちちゃえ」ｶﾌﾟ

善子「──── っ！？///」

善子「う…あ…っ！///」

ｶﾞﾊﾞｯ

梨子「きゃ…！？」

善子「………な、なによ、堕ちちゃえって……！///」

善子「わ、わたっ、私は……！？///」

鞠莉「梨子押し倒してお楽しみ中になんだけど、私もいるって事忘れてないでよね？」

善子「ひゃあああああっ！？」ﾋﾞｸｯ

鞠莉「堕天使なのに？」

善子「う、うるさいわねっ」

梨子「………よっちゃんのイジワル」ﾌﾟｸｰ

梨子「いいもんいいもん。まりちゃんにおねだりするんだから」

善子「…っ///」

鞠莉「ほっぺた膨らませてとってもcuteね」

鞠莉「なーに？」

梨子「りこぉおさけぇほしいなぁ」

鞠莉「ハーイ♪」ﾄﾎﾟﾄﾎﾟ

梨子「まりちゃんだーいすきー♪」

善子「ちょ、ちょっと鞠莉さん！？」

梨子「ごくごく………おかーりー」

善子「おかわりじゃなくて、ダメだってば」ﾊﾞｯ

梨子「あ……りこのぐらす……」

梨子「よっちゃんのいじわるぅ」ｳﾙｳﾙ

梨子「う…く……ひくっ……」

善子「ちょ、泣かないでよ…！」

梨子「ぐらす…ぐりゃすぅ………」

善子「えぇ……！？」

梨子「ぐりゃすないとだめなのぉ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

鞠莉「はい、新しいグラスよ」

梨子「………………うふふっ♪」ﾆｺﾆｺ

善子(ガラガラ持たせた赤ん坊みたい)

鞠莉「まぁまぁ、ほっといたらそのうち寝ちゃうわよ」

鞠莉「それよりも私たちも飲みましょう」

善子「でも………」

鞠莉「問題ないってば。何かあればすぐ医療スタッフが来てくれるように手配してるし」

鞠莉(嘘だけど)

善子「医療スタッフ？」

鞠莉「Yes！うち専属の凄腕だから、ね？」

善子「…………まぁ、なら。ちょっとくらいは…」

鞠莉「そうこなくちゃ♪」ﾄﾎﾟﾄﾎﾟ

鞠莉「それじゃ、改めて………かんぱ～い♪」

善子「…………///」ﾎﾟｰ

鞠莉「善子？ダイジョーブ？」

善子「……………ぇ…なに……？」

鞠莉「ふふっ、完璧に酔っちゃったみたいね」

鞠莉「……って私も少しヤバいんだけどね。そろそろお開きにしようかしら」

善子「…………」ﾎﾞｰ

梨子「よっちゃん♪」ﾀﾞｷｯ

善子「………………………り……りー…？」

梨子「まだおさけのこってる、のませてあげる」

梨子「ほーら、グラスしっかりもってー？」

善子「ん…………」

梨子「くちあけて……はぁいごくごく♪」

善子「んく……んく……」

梨子「こぼしてる、かわいい♪」

鞠莉「これが百合の花園……！」

梨子「よっちゃん？よーちゃんー？」ﾕｻﾕｻ

善子「すぅ……」ｽﾔｽﾔ

梨子「…………」

梨子「まりちゃんのんでますかー？」ｸﾙｯ

鞠莉「ふぇ！？」ﾋﾞｸｯ

梨子「しゅさいしゃなんですからぁーたーっくさんのまないとーですねー」ｼﾞﾘｼﾞﾘ

鞠莉「え、えと……実はもう結構入っちゃって、限界がちか──── 」

梨子「まりちゃんのかっこいいところみたいー」ﾎﾞﾄﾙｽｯ

鞠莉「いや、え、梨子？聞いてる？」

鞠莉「ちょ、まって──── 」

梨子「それそれ♪」ｸﾞｲｸﾞｲ

鞠莉「ん、ぐ……！？」

梨子「はーいぜんぶのめましたぁー」

鞠莉「」ﾌﾗｯ

ﾊﾞﾀﾝ

鞠莉「」

梨子「…………おさけぇ」

梨子「ごくっ……これおいしぃ…」ｳｯﾄﾘ

梨子「………おつきさま…きれい」

梨子「うふふっ、しゃぁわせぇ♪」ﾎﾟﾜﾎﾟﾜ

鞠莉「う……ん……いっ！？」ﾑｸｯ

鞠莉「頭痛い………」

鞠莉「えと………なにこれ？」

鞠莉「確か……善子たちとお酒を………うぅん…」

鞠莉「全然思い出せない……お酒を開けた辺りまでは覚えてるのだけど…」

善子「うぅ……」ﾑｸｯ

鞠莉「善子……」

善子「ガンガンするわ……」

鞠莉「おはよ……善子もきてるみたいね」

善子「ええ……どうやらたくさん飲んじゃって酔いつぶれちゃったみたいね」

善子「お酒の味も覚えてないわ……うう、お酒って最悪ね」

梨子「お、おはよう。よっちゃん鞠莉さん」

鞠莉「梨子……」

善子「リリーは元気そうね」

梨子「もう、ふたりともグビグビ飲んで、その場で寝ちゃって大変だったのよ？」

梨子「もしかして覚えてないんですか？まったく？」

鞠莉「ええ……でも……」

善子「この空き瓶の量……どうりで何も覚えてないわけね……」

梨子「………とにかく、シャワー浴びてきて。少しはシャキッとするわ」

梨子「私はなにか二日酔いに効きそうなの作っておきますから」

鞠莉「……そうね。行きましょう善子」ﾌﾗﾌﾗ

善子「ヨハネよ……」ﾌﾗﾌﾗ

梨子「いってらっしゃい」

梨子「……………」

梨子「ふたりとも覚えてなくて」

梨子「あんなの、もし覚えられてたりでもしたら……」

梨子『りこぉおさけぇほしいなぁ』

梨子『くちあけて……はぁいごくごく♪』

梨子『……おちちゃえ』ｶﾌﾟ

梨子「……///」ｶｱｧ

梨子「なんで私の記憶からも消えてないのよぉ……///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

ｶﾎﾟｰﾝ

善子「なんだかんだで湯船張っちゃったけど……」ﾁｬﾌﾟﾁｬﾌﾟ

鞠莉「朝風呂もいいじゃない♪」ﾁｬﾌﾟﾁｬﾌﾟ

善子「まぁそうね。なんだか新鮮でいいわ。ていうかふたりでも余裕な浴槽とか……羨ましすぎる」

鞠莉「うふふっ。………あ、そうだ」

善子「どうしたの鞠莉さん？」

鞠莉「そういえばカメラ回してたの忘れてたの。後で回収しなくちゃ」

善子「え、そんなことしてたの？」

鞠莉「ソナエアレバウレイナシってね。どんな風に酔っぱらってたのか観ておかなくちゃ」

鞠莉「………果南やダイヤの前で失態は犯したくないもの」

善子「そ、そうね。ずら丸やルビィと飲む機会もいずれ来るのもね。私も観たい」

鞠莉「じゃあ上がったら一緒に観ましょう」

善子「遅くなってごめんリリー」

梨子「おかえりなさい。玉子スープ、二日酔いにいいんだって。温め直すから席座ってて」

善子「はーい」

梨子(もう過ぎたことだし、いつまでも考えてちゃダメ。昨日の事は私の中で封印さえすれば無事解決よ)

梨子(忘れよう。忘れたら皆幸せなんだもの。うん)

鞠莉「thankyou梨子。そうだわ、梨子も一緒にこれ観ない？」

梨子「なんですかそれ？」

鞠莉「昨日の飲み会の映像よ」

梨子「」

おわる