ことりぷらす

ほのママ「ん、今何か隠さなかった？」

ほのパパ「・・・」ｷﾉｾｲﾀﾞﾖ

ほのママ「ねえ、隠したでしょ！　ちょっと見せなさい！」

ほのパパ「・・・」ﾅﾝﾃﾞﾓﾅｲﾖ

ほのママ「ごまかしたって無駄、怒らないから・・・」ｸﾞｯ

ほのパパ「・・・」ﾅﾝﾃﾞﾓﾅｲﾖ、ﾅﾝﾃﾞﾓ

ほのママ「み・せ・な・さ・い」

ほのパパ「・・・」ﾁﾗｯ

ほのパパ「・・・」ｽｯ

ほのママ「・・・」ﾋﾟｯ

スマホ（ホーム画面）

ほのパパ「・・・」ﾎﾗﾅ?

ほのママ「メール履歴は？」

ほのパパ「・・・」ｿｲﾂｧﾁｮｯﾄ

ほのママ（ﾌﾟﾂﾝ）

ほのママ「ふぅん、まぁいいわ。この土曜日、穂乃果のライブが」ｲﾗｲﾗ

ほのママ「・・・」ｲﾗｲﾗ

ほのママ（あのクソオヤジ、とっても怪しいわね）

ほのママ（絶対不倫よ！　あの反応速度はタダモンじゃなかった）

ほのママ（まるでボクシング世界級のスウェーだったわ）

ほのママ（そしてあの強情さ。普通じゃない）

ほのママ（どうやって謎を暴いてやろうか）

ほのパパ（いやー、ヤバかった。すっかりバレちまうとこだったぜ）

ほのパパ（俺も少しムキになってしまったな。余計怪しかったか？）

ほのパパ（しかしだ。漢にゃあ秘密の１コ２コなんてあるもんさ）

ほのパパ（かーちゃんにはわかんないか、ははっ）

ほのパパ（なんせ、今更手を引くのも漢じゃねえからな）

ほのパパ（まぁ、なんとか誤魔化せたみたいだな）

ほのパパ（おっ。返信が来た）

ほのパパ（ふむふむ、明日の金曜・・・夕方ねぇ）

ﾌﾟｼｭｰ

ほのパパ（やっべ、まんじゅう蒸しすぎた）ｱﾀﾌﾀ

ほのママ「・・・」ｼﾞｰｯ

ほのママ（スマホとにらめっこしながら、まんじゅうを焦がしている）

ほのママ（そうとうオネツなのね。許せないわ！）

ほのママ（見てなさい、今に後悔させてやるんだから！）

～夜～

ほのママ「ご飯できたわよ～」

穂乃果「ほあぁい」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

雪穂「はーい」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

ほのパパ「・・・」ｽｯ

穂乃果「わぁ、エビフライだ！」

雪穂「あれ？　なんか少なくない？」

ほのママ「あらホント。お父さんの分がないわね」

ほのパパ「・・・・・・・」ﾏｼﾞﾃﾞ？

雪穂「もー、お母さんったら・・・しっかりしてよ」

ほのママ「私としたことが、まさかの数え間違いなんて」ﾆﾔﾆﾔ

ほのパパ「・・・」ｼｮｰｶﾞﾈｰﾅ

穂乃果「お父さん、よかったら穂乃果のやつあげるよ」ｽｯ

雪穂「私のも」ｽｯ

ほのママ「みんな、エビフライ大好きだもんね」

雪穂「うーん、でも・・・」ｸﾞｳｳｳｳ

穂乃果「悪いよ」ｸﾞｳｳｳｳ

ほのパパ「・・・」ｾｰﾁｮｰｷﾀﾞｶﾗﾅ

穂乃果「・・・ごめんね、お父さん」

雪穂「いただきます」

ほのママ「ごめんね、あなた」ﾆﾔﾆﾔ

ほのパパ「・・・」ｲｲｯﾃｺﾄﾖ

ほのパパ（もしかして、怒ってるのか？）

ほのパパ（いやでも、うまく誤魔化したはずだよなぁ）

ほのパパ（たぶんホントに間違えたんだろう）

ほのパパ（最近、穂乃果も練習ばっかで一緒にご飯食べれなかったし）

ほのパパ（うんうん、そういうことだな）

ほのパパ（娘たちよ。俺の事はいい、しっかり食えよ）

～ほのママサイド～

ほのママ（ぬふふ、エビフライはあなたも大好物って知ってるんだから）

ほのママ（乙女の心を踏みにじった罰よ！）

ほのママ（平気なふりしてるけど、きっと悔しいに違いないわ！）

ほのママ（こんなもんじゃ終わらないわ、謝るまで許しませんから）

ほのママ（次はー・・・）

ｶﾎﾟｰﾝ

ほのパパ「・・・」ｵﾌﾛ

ほのパパ「・・・」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

ｶﾞﾗｯ

ほのパパ「・・・」ｸﾞｲｯ

ｼｬﾜ～

ほのパパ「・・・」

ほのパパ「・・・！」

ほのパパ「・・・」ﾂﾍﾞﾀｲ

ほのパパ「・・・」ﾀｽｹﾃ、ｻﾑｲ！

ほのパパ「！！！」ｵﾌﾛﾍﾀﾞｲﾌﾞ

ｻﾌﾞｰﾝ

ほのパパ「！？！？」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

ほのパパ「・・・！！！」ｻﾑｽｷﾞ!

ほのパパ（お母さん、温度設定ミスってるって！）

ほのパパ（晩飯の時と言い、お母さん疲れてるのかな）

ほのパパ（仕方ない、このままでは風邪を引いてしまう。出よう）

ｻﾞｯ

ほのパパ「・・・」ﾌｷﾌｷ

ほのパパ「・・・」ｵｶｰｻｰﾝ

ほのママ「何かしら？」

ほのパパ「・・・」ﾌﾛ、ﾂﾒﾀｲｿﾞ

ほのママ「あらあら、ごめんなさい。設定間違えてたわ」ﾆﾔﾆﾔ

ほのパパ「・・・」ｿｯｶ

ほのママ「気になることがあってね、ついうっかり」ｷﾞﾛｯ

ほのパパ「・・・」ｿｶｿｶ

ほのママ（鈍感な人だとは思ってたけど、ここまでとは・・・）

ほのママ（ならば、気付くまで仕返しよ！）

ほのパパ（やっぱり疲れてるんだな）

ほのパパ（俺も鈍感だなぁ。気を付けないと）

ほのパパ（そうだ、娘達に水風呂だって言っとかないと）

ほのパパ「・・・」ﾁｬｸｼﾝﾅｼ

ほのパパ「・・・」ﾊｧ

ほのパパ（連絡取れないなぁ）

ほのパパ（今日の夕方って約束したじゃん）

ほのパパ（お母さんは昼頃からママ友と遊びに行ってるし）

ほのパパ（暇だな～）

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

ほのパパ（来たっ！）

？？？「ごめん、用事できちゃった！　明日の昼、楽しみに待ってて！」

ほのパパ（明日の昼って、ライブじゃんかよ）

ほのパパ（どうしようかなぁ・・・）ｿﾜｿﾜ

ｶﾞﾗｯ

ほのパパ「・・・」ｻｯ

ほのママ「・・・」

ほのパパ「・・・」

ほのママ「やっぱり怪しいわね」

ほのパパ「・・・」ﾁｶﾞｳﾖ

ほのママ「もういいわ、素直に言えないなら好きにして」

ほのパパ「・・・」ﾁｶﾞｳｯﾃ

ほのママ「明日のライブは私一人で勝手にいきますから」

ほのパパ「・・・」･･･ｿｳｶ

ほのママ「それと晩御飯、適当に買ってきてちょうだい」

ほのパパ「・・・」ｳﾝ

ほのママ「じゃ」ｶﾞﾗｯ

ほのパパ「・・・」

ほのパパ（いいもん！　勝手にしやがれ！）

ほのパパ（俺には俺の都合ってもんがあるんでぇ！）

ほのパパ（ビビってなんかないんだからな！）

～ほのママサイド～

ほのママ（一つの終止符を打ってしまった）

ほのママ（少し結果を急ぎ過ぎた感はあるけど、遅かれ早かれ・・・よね）

ほのママ（なんであんなのとくっついちゃったんだか・・・）

ほのママ（ライブが終わったら、実家に帰ろうかしら）

ほのママ（もう、謝っても絶対許さないんだから）

穂乃果「あれ、お父さんは？」

ほのママ「仕事が忙しいみたいだから、後で食べるみたいよ」

穂乃果「ふぅん・・・」

雪穂「ねえ、お父さんと喧嘩したの？」

ほのママ「ううん、なんでそう思うの？」

雪穂「お母さん、悲しそうな顔してるから」

ほのママ「気にしないで、ちょっと疲れてるだけよ」

雪穂「そっか」

穂乃果「それより、絶対ライブ来てよね！」

ほのママ「もちろん行くわよ！　楽しみにしてるわよ」

穂乃果「今回は気合い入ってるんだ！　きっと、お母さんも元気になれるよ！」

ほのママ「そう、頑張るのよ！」

穂乃果「あったりまえだよ！」

ｱﾊﾊ･･･

ほのパパ「・・・」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ほのママ「・・・」

ｶﾞﾗｯ

ほのパパ（よし、あいつは出て行ったな）

ほのパパ（俺も出るとしますかねぇ）

ｶﾞﾗｯ

～ライブ本番～

ｹﾞｰﾝｷｰﾉｵｰﾝﾄﾞｰﾊ ｻｰｶﾞｰﾗｰﾅｲｰ･･･

ﾄｰﾄﾞｰｹﾃｰ ｾｰﾂｰﾅｰｻｰﾆﾊｰ･･･

ｶｰﾍﾞｰﾊｰ ﾊｲ!ﾊｲ!ﾊｲ!　･･･

穂乃果「突然ですが、今日は特別な人を呼んでいます」

穂乃果「予定が合わずにぶっつけ本番なので、緊張してるみたいですが」

穂乃果「みなさん、大きな拍手でお出迎えください！」

ｻﾞﾜｻﾞﾜ

ほのママ「へー、誰かしら」

雪穂「・・・」

穂乃果「それでは登場してもらいましょう！　どーぞ！」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

ほのパパ「・・・」ﾃｸﾃｸ

穂乃果「私のお父さんです！」

ﾜｰｯ

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

雪穂「頑張れ、お父さん！」

ほのパパ「・・・」ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

穂乃果「うんうん」

穂乃果「あはは、お父さん、緊張しちゃってセリフを忘れちゃったそうです」

ｱﾊﾊﾊﾊ

穂乃果「実は、今日はお父さんとお母さんの結婚記念日なんです」

穂乃果「μ’ｓのライブでお祝いするのは、とても悩んだのですが」

穂乃果「メンバーのみんなは、ぜひやりたいと言ってくれました！」

穂乃果「お父さんにも相談しました！　『お母さんには内緒だよ』って言われたのですが」

穂乃果「お父さん、すっかり勘違いされてしまったみたいで反省してます！」

ｱﾊﾊﾊﾊﾊ

ほのパパ「・・・」ﾁｮﾝﾁｮﾝ

穂乃果「うん」

穂乃果「それでは、お父さんの心の準備ができたそうなので、マイクをお渡しします！」

穂乃果「お父さん、頑張って！」ﾎﾞｿｯ

ほのパパ「・・・」ｽｯ

ほのママ「・・・」

雪穂「頑張れ！」

ほのパパ「・・・」ｽｳｯ

ほのパパ「お母さん・・・いや、きぃちゃん。俺と結婚してくれて、ありがとな」

ほのパパ「以上」ｽｯ

ﾜｧｱｱｱｱｱｱｱｱ

穂乃果「お父さん、ありがとうございました！」

穂乃果「お母さん、ステージにこれるかな？」

ほのママ「・・・」ｽｯ

ほのママ「・・・」ﾃｸﾃｸ

穂乃果「それでは、お母さんにマイクを渡します！」

ほのママ「私こそ、こんな私と結婚してくれて・・・あ、ありがとう」

ほのママ「これからもよろしくお願いします！」

ｶﾞﾊﾞｯ

ほのパパ「・・・」ｶｧｱｱ

ほのママ「ごめんねぇ、私てっきり・・・」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

ほのパパ「・・・」ｺﾞﾒﾝﾅ、ﾔﾘｽｷﾞﾁｬｯﾀﾖ

穂乃果「それじゃあ、次の曲です！　せーのっ！」

μ’ｓ「もぎゅっと“Love”で接近中！」

おわり

…なんか似合うのあったっけ