絵里「じゃあさ、兄弟が欲しいと思ったことってない?」
真姫「さあね、どうかしら」
絵里「さあね、って何?はっきり答えてよ」
真姫「忘れちゃったわよ、そんなの」
絵里「そういう言い方するってことは昔は思ったことがあるわけね」
絵里「そんなに怖い顔しないで。せっかく可愛いのに台無しじゃない」
真姫「適当なこと言うのはよしてよ」
絵里「ま、別に大したことじゃないわ、単なるコミュニケーションの一貫よ。じゃあ本題なんだけど」
真姫「回りくどいわね」
絵里「μ’sの中で一人姉妹にするとしたら……誰がいい?」
真姫「はぁ……?」
真姫「待って、待ってよ。何なのその質問」
絵里「え?だから私達の中でね」
真姫「違うわ、そうじゃなくて」
絵里「そうじゃなくて?」
絵里「あなたっていつもそんな難しいこと考えながら生きてるの?」
真姫「いつもじゃないわよ。ただね、そんな仮定の話をしたところで意味はないでしょう?」
絵里「あら、そう?」
真姫「もし宝くじに当たったらとかそういう話、私嫌いなのよ。真面目に三億円の使い道を考えたとしても目の前にお金が湧いて出てくるわけないじゃない。するだけ無駄よ、そんな話。」
絵里「宝くじの話と私の質問、一緒にしちゃうのはナンセンスよ。実際誰かお姉ちゃんになってくれるかもしれないわよ?」
真姫「あり得ないわね」
真姫「要するに遠回りしてるだけなら必要ないわ」
絵里「思い返してみれば、意外と遠回りするのが正解だったって気がつくことも多々あるのよ?」
真姫「さて、どうかしらね」
絵里「人生なんて案外そんなものよ。ね? だからちょっとくらいはいいでしょ?」
絵里「そうこなくっちゃ♪ で、誰がいい?」
真姫「μ’sの中で姉妹にするなら、だっけ?そうね……」
真姫「花陽がいいわ」
絵里「あぁ……そう……そっちにいくのね……」
絵里「まあそれは今は置いておきましょう。花陽……花陽ね。それは妹にしたいってこと?」
真姫「そうなるでしょうね、私のほうが一応は誕生日早いし」
絵里「……確かに花陽は可愛いわ、ええ。できることなら私だって花陽も妹にしたいわ」
真姫「じゃあこの話、花陽にすれば良かったんじゃない?」
絵里「もう、妬かないでよ真姫」
真姫「勝手に言ってなさい」
真姫「仕方の問題じゃなくて質問そのものが悪いとは思わない?」
絵里「そんなこと言わないの。オーケー、真姫。姉妹じゃなくて姉にするなら誰がいい?よし、これでいきましょう」
真姫「まだ続くわけ?」
絵里「当然よ。時間はたっぷりあるわ」
絵里「それはあなたの返答次第ってところかしら。いい?真姫、今度は姉よ、姉。そう、お姉ちゃん。だから凛と花陽はなし。同い年だもの」
真姫「つまり二年生か三年生の中から選べってこと?」
絵里「そういうこと。さすが真姫ね、理解が早くて助かるわ」
真姫「誰でもわかるわ、それくらい」
真姫「よくわからないけど普段あなたが亜里沙ちゃんと何してるかはわかったわ」
絵里「じゃあずばり聞くけど、お姉ちゃんにするなら……誰?」
真姫「ことりね」
絵里「あぁ……マッキー、あなたはどうしてこんなに捻くれてしまったの?」
真姫「うるさいわね。生まれつきよ」
真姫「μ’sの中ならね。はい、これでこの話は終わり」
絵里「いいえ、まだよ。こういう風にしましょう。ことりは次女なの」
真姫「は?」
真姫「三姉妹になったわけ?」
絵里「いいえ、亜里沙もいるから四姉妹よ。ふふっ、賑やかでいいわね」
真姫「あなた、欲張りだって言われるでしょ」
絵里「二兎追う者だけが三兎を得るのよ。欲張っていきましょう? それじゃあ一番上のお姉ちゃん……を決める前に何故ことりなのかを聞いておきましょうか」
絵里「ふむ、ごもっともだわ。あなたはまともな優しい先輩がいいのね」
真姫「どっちもあって困る要素ではないもの」
絵里「その通りね。ところで真姫、小さい頃は私、まともでやさしいエリーチカと呼ばれていたの」
真姫「今は違うようね。小さい頃の話だし」
絵里「あなたは三つ子の魂百までということわざを知っているかしら」
絵里「あら、そんなに見つめられると私も照れるわ。じゃあ意味を思い出してからでいいのだけど、二人目の姉は誰にする?」
真姫「希ね」
絵里「なんてこと……だからあなたは髪の毛がくるくるになってしまったのね」
真姫「うるさいわね。生まれつきよ」
真姫「まあ……なんだかんだ言って周りがよく見えてるというか、よく見てくれてるっていうか。そんな感じよ」
絵里「マッキー的には眼の良さも重要なポイントなのね。でも視力なら私も希に負けてないわ。考え直さない?」
真姫「いいえ」
真姫「そもそも現実が見えてないんじゃない?」
絵里「じゃあ……」
真姫「当然コンタクトもお断り」
絵里「……もう、まだ何も言ってないじゃない」
絵里「……いいえ、もうこの話はやめましょうか」
真姫「ようやくその気になってくれたのね。嬉しいわ」
絵里「代わりに希とことりを抜きにして新しく決め直しましょう」
真姫「意味分かんない」
真姫「この話はもう辞めるって言ったばっかじゃない」
絵里「ええ、そうね。だからμ’s全員の中から選ぶのはやめるの。希とことりは殿堂入り。あ、凛と花陽は永世名誉妹だからやっぱり抜きね」
真姫「何がエリーをそこまで駆り立てているのかしら」
絵里「ただの戯れよ、これは普通の雑談だもの。そう、雑談。だからあなたも難しく考えなくていいの。直感で選んで。もうこの際だからパッと目に映った人とかがいいんじゃないかしら」
真姫「あぁ、ごめんなさい、今の話を聞いていたら目眩がしてきて何も見えなくなったわ」
真姫「じゃあ、穂乃果とにこちゃん」
絵里「……だからあなたツリ目なのね」
真姫「うるさいわね。生まれつきよ」
真姫「勝ち負けの話をしてしまうのならあなた、とっくにコールド負けしてるわよ」
絵里「……一応穂乃果とにこを選んだ理由を聞きましょうか」
真姫「そうね、二人ともなんだかんだしっかりしてるとこはしっかりしてるし、実際妹がいるから姉としてイメージしやすいもの」
絵里「おかしいわね、もう一人長女がいるはずなのだけど」
真姫「おかしいわね、姉の威厳というものを一切感じないわ」
真姫「なら生憎だけど私には縁がないものみたいね」
絵里「それは今日までの話。私たちは明日を生きるの。あなたも姉の威厳感じてみない?」
真姫「エリー、ごめんなさい。未来を生きているのはあなただけなの。私は追いつけないわ」
絵里「オッケーよ、任せなさいマッキー。それなら私が引っ張りあげてあげましょう。これが最後の質問。μ’sメンバーの中からお姉ちゃんにしたい二人を選んで。ただし凛と花陽は永久欠番、希とにこと穂乃果とことりは殿堂入りしたから選んじゃダメよ」
真姫「……自分が酷い強行手段に出てるってこと、あなたわかってる?」
真姫「そうね、私もその考え方には同意するわ。ええ、もう……わかったから。だからそんな目で見ないでよ」
絵里「だって……真姫が意地悪なんだもん」
真姫「悪かったわよ、もう……。私、姉になってもらうなら海未とエリーがいいわ」
絵里「ハラショー……!私のことを選んでくれて嬉しいわ、真姫!」
真姫「この茶番がようやく終わると思うと私も嬉しいわね」
真姫「理由?それならいっぱいあるわよ」
絵里「本当?嬉しいわ」
真姫「でも色々ありすぎるから全部は話せないわ。でもね、敢えて一つだけ挙げるとしたら……」
絵里「したら?」
真姫「消去法ね」
はよ
面白い
アメリカ人とかの会話みたい
真姫「だいぶありのままに明かしたつもりだけど……かしこい姉なら汲み取ってほしいわ」
絵里「任せなさい、私はかしこい姉だから全てを理解したわよ」
真姫「優秀な姉を持つと楽でいいわね」
絵里「それじゃあ優秀な妹に聞きたいことがあるのだけど」
真姫「何でも聞いてちょうだい、ふふん」
絵里「……どうして海未と私が最後に残ったのかしら?」
絵里「ええ、そんなことよ。大丈夫、私全然気にしてないわ」
真姫「心配しないで、別にあなたが思っているようなことじゃないわよ。つまりね、別にあなた達が嫌いなんてことはないから」
絵里「ならよかったわ……お姉ちゃんウザいなんて思われていたらハートがブレイクしていたところよ」
真姫「あー……それは、まあ……ええ、うん」
絵里「オーケー、真姫。かしこい姉は今全てを理解したわよ」
絵里「ええ、そうね。お風呂も一緒に入るわ」
真姫「エリー、焦らないで。その辺は追い追い決めましょう。いい? それで話を戻すけど、海未ってちょっと堅いところがあるし、よく怒ってるイメージがあるのよ。まあだいたい穂乃果のことだけど」
絵里「んー、確かにね。夜更かしとかも許してくれなさそうだわ」
真姫「実際許してくれないでしょうね。だから誰を姉にするか、という話の中では順番が後ろの方になってしまったの。もちろん海未が真面目なのは知ってるし、仲間として個人的に頼りにもしてるわ」
真姫「安心してよ、次はあなたの番だから。そうね、あなたには色々言いたいことがあるわ。ええ、そりゃもう色々と。話しだしたらきりがないわ」
絵里「大丈夫、一から十まで全て話してくれても構わないわよ」
真姫「そうしたら明日になっちゃうから。だから私が言うのは一つだけ。あのね……私の立場になって考えてみてほしいんだけど、誰に姉にしたいかなんて聞かれて目の前の人の名前を言えると思う?」
絵里「言えるわよ」
絵里「残念だけど私の常識ではこうなるわ」
真姫「……わかった、わかったわよ。ああもう……こんなこと言いたくないけれどね、そこに私の性格とかも加味して考え直してくれないかしら」
絵里「そっか……そういうことね」
真姫「よかったわ、これで話がまとまりそうよ」
真姫「……なんでそうなっちゃったのかしら」
絵里「だってそうじゃないならあなたが私にずっと抱っこされてるわけないでしょ?」
真姫「それは言わない約束」
絵里「もちろん他の誰にも言ったりしないわよ。こんな真姫を知っていていいのは私だけだもの」
真姫「ま、そういうことにしておいてあげるわ」
真姫「……ん」
絵里「なによそれ。どっちなの?」
真姫「ノーコメントってことよ」
絵里「駄目よ、真姫。無言は肯定と同義、はっきり言わないと。黙っていても事態は好転しないの」
真姫「ほんとあなたってああ言えばこう言うわね」
絵里「後輩にちゃんと受け継がれているようだから感激よね」
絵里「ええ、好きよ」
真姫「……ん」
絵里「大好き。愛してるわ」
真姫「……くすぐったい」
真姫「わかんない。わかんないけど……くすぐったい」
絵里「そっか」
真姫「……なんで『好き』とか『愛してる』とか、そういうこと平気で言えるのよ」
絵里「きっと本音だからでしょうね」
絵里「あなたこそどうして恥ずかしがっちゃうの?」
真姫「……きっと本音だからよ」
絵里「ふふっ、くすぐったいわね」
真姫「どこが?」
絵里「さあね、胸のあたりかしら。私もよくわからないわ」
真姫「あっそ」
真姫「その話まだ続いてたのね」
絵里「ええ、当然。この際海未お姉ちゃんも呼びましょうか?」
真姫「駄目に決まってるでしょ」
絵里「えー、どうしてよ。駄目なの?」
真姫「全然わかってないわね。それ本気で言ってるならまだまだ私達、一緒にいる時間が必要だわ」
絵里「あら、願ったり叶ったりじゃない。じゃあ、ほら。ね?」
絵里「だ・か・ら……早く言ってくれないと離してあげないわよ?」
真姫「現状維持じゃない。何か問題あるの?」
絵里「あれ? ないわね。じゃあ逆よ逆。早く言ってくれないと私、どっか行っちゃうわよ」
真姫「ご飯までには帰ってきなさいね」
絵里「ちーがーうーのー。ここはね、上目遣いで私の袖をちょんと掴んで、おいて行かないでお姉ちゃん、とかそういうことを言うところよ」
真姫「そんなことしないし、言うわけないじゃない。他にはないの?絵里お姉ちゃん」
絵里「じゃあね、それなら………………」
抱っこしながらとは予想外も良いところだわ。
もっと下さい。
絵里「ハラショー! ハラショーよ、真姫! ねえ、もう一回言ってくれない?」
真姫「一回でいいからってさっき言ってたじゃない」
絵里「しまったわ、余計なこと言わなきゃよかった。あ、でも一回だけだからやってくれたのね。ふふふ、ポジティブが溢れ出すわ」
真姫「無理に言わなくていいのよ」
真姫「嫌よ、もう終わりでいいじゃない。まだ満足できないわけ?」
絵里「当然。一緒にお料理作っておでかけもするの。あ、お風呂も一緒よ」
真姫「一つ疑問なんだけど」
絵里「何かしら」
絵里「そりゃあ私が真姫のことをとことん甘やかして可愛がりたいと思っていたからに決まってるじゃない」
真姫「知ってる?私ってね、愛玩動物じゃないのよ」
絵里「そうだ、チョコ食べる?」
真姫「お姉ちゃん、話を聞いて」
真姫「……」
絵里「あ~ん」
真姫「……あーん」
絵里「美味しい?」
真姫「……ん」
絵里「そう、良かったわ」
真姫「だいぶ伝わるようになっちゃって悔しいわ」
絵里「……泣いていい?」
真姫「あー、ごめんなさい、エリー。私が悪かったわ。けっこうしたつもりだったけどもっとアピールした方が良かったのね」
絵里「……」
真姫「もう……チョコあげるから元気だしてよ。別に絶対にやだってわけじゃないから……でもね、一ついい? 愛情って一方的に注ぐものじゃなくて、双方向的にやりとりされるものだと私は思うのよ。何か意見ある?」
絵里「お姉ちゃんだもの、何でもわかるわよ?」
真姫「じゃあ私が妹になんかなりたくないのもわかって欲しいんだけど」
絵里「……泣いていい?」
真姫「あー、ごめんなさい、エリー。私が悪かったわ。けっこうしたつもりだったけどもっとアピールした方が良かったのね」
絵里「……」
真姫「もう……チョコあげるから元気だしてよ。別に絶対にやだってわけじゃないから……でもね、一ついい? 愛情って一方的に注ぐものじゃなくて、双方向的にやりとりされるものだと私は思うのよ。何か意見ある?」
素晴らしい作品をありがとう。
えりまき良いね。大好きだわ。のぞえりもうみえりもほのえりも好きだけど、えりまきは供給が不足してる。
なので、また書いてください。
真姫「ありがとう。だから私の事、下に見てほしくないの」
絵里「……あなたの気持ち、全然わかってなかった」
真姫「私が隠してただけよ」
絵里「いつの間にか上手くなっちゃって……」
絵里「あの頃の真姫は可愛げがあったわ」
真姫「なら今は?」
絵里「もっと可愛い」
真姫「やめてよ、くすぐったい。私達もう駄目みたいね。この際だから全部言っちゃうわ。姉妹とか先輩後輩とか、そんなの関係なしにできればあなたと私、対等な関係でいたいのよ」
絵里「恋人として?」
絵里「ええ。私ったら色々と勘違いしてたみたいね」
真姫「そうよ、お姉ちゃんと妹じゃなければお出かけもお料理もしちゃいけないなんてことはないでしょう?」
絵里「全くもってその通りだわ。むしろ血が繋がってる姉妹だったら──」
チュッ
絵里「こんなことしちゃいけないものね、本当にごめんなさい」
真姫「……気づいてくれたのならいいのよ」
真姫「そりゃあまあ……そうでしょ」
絵里「今日はごめんね真姫。お詫びにたくさん愛し合いましょう……♡」
真姫「……ん」
ハッピーエンドね♪
ニヤニヤした
おつ
でゅふ
久しぶりにめっちゃよかったw
兄弟居る奴ホンマわからへんわ。もう一つ言うとくとμ’sもう一回全員集合してトップアイドルになってく話やってくれへんか?
19人姉妹か
Cコースではさくらが好きですう