ことりぷらす

ことり「海未ちゃん、今日、お熱が出て学校お休みだって」

穂乃果「……」

ことり「……」

穂乃果「ことりちゃん」

ことり「ん、わかった」

海未「けほっ、けほっ……」

海未(まさか私が風邪をひいてしまうとは……不覚です……)

海未(……まあ、最近、穂乃果とことりに構われて、少し疲れてたのかもしれませんね……)

海未(……たまには、ゆっくりと……)

〜数時間後〜

海未ママ「海未さん、穂乃果さんとことりさんがお見舞いに来てくれましたよ」

海未「……そうなのですか？」

海未ママ「ええ……どうしますか？」

海未(……ちょっと不安ですが、せっかく来てくれたのだし……追い返すのも……)

海未「会います」

穂乃果「……海未ちゃん、大丈夫？」

ことり「珍しいね、海未ちゃんが風邪だなんて」

海未「……そうですね……私自身も、少し驚いてます」

穂乃果「あ、これ。お土産……というよりお見舞い品？なのかな、まあいいや。はい」

海未「……！」

海未「ほむまん……」

ことり「私は……あ、体調良くなったらでいいからね？」

海未「……チーズケーキですか。ありがとうございます」

海未「はい、すみません……」

ことり「海未ちゃん、すっごく真面目だから、一生懸命になるのはわかるけど、自分の事も大事にしてね？」

海未「……はい」

穂乃果「あ、穂乃果りんごもってきたんだ。……剥いたげる」

穂乃果「いっちょ上がり！」

海未「おや、穂乃果にしては綺麗に剥けましたね」

穂乃果「えっー、それどういうこと？」

海未「いえ、なんでも」

ことり「海未ちゃん、はい、あーん」

海未「いやそこまでしなくても……今日はずっと眠っていたので、体調も良く……」

ことり「あーん」

海未「……あ、あーん……」ｼｬｸｯ

海未「……はい。とっても」

穂乃果「よかった。……あ、海未ちゃん。汗かいてるよ」

海未「え？……あ、本当ですね」ﾂﾂｯｰ

穂乃果「穂乃果が拭いてあげる」

海未「いやいや、流石にそこまでやらせるわけにも……」

穂乃果「いーの、穂乃果がしたいの」ﾌｷﾌｷ

海未(……)

海未(二人が不気味なくらいに優しい……いえ昔から優しいですが)

まともだ……！

ことり「海未ちゃん、今日の授業のノート、海未ちゃんの分もとっておいたよ」

海未「え、本当ですか？わざわざすみません、ありがとうございます、ことり」

ことり「いいのいいの。私がしたくてしてるんだから。あ、机においておくね」ﾎﾟｻｯ

海未「はい」

穂乃果「というか、今日びっくりしたんだからね。海未ちゃんがお休みだって聞いて」

海未「例えば」

ことり「ババ抜きの時の海未ちゃんみたいな」

海未「…………」

穂乃果「でも、だからこそ安心した。こうして海未ちゃんの姿見れて」

ことり「……私も」

海未「……穂乃果、ことり」

ことり「……やっぱり、海未ちゃんがいないと、ね」

海未「……ふふ」

穂乃果「……？どうしたの、海未ちゃん」

海未「……いえ」

海未「……我ながら、いい親友を持ったな、と」

ことり「もう、海未ちゃん……」

穂乃果「えへへ……」

海未「ふふ……」

ことり「待ってるよ」

海未「ええ！私もそんなやわじゃありません！」

穂乃果「……それじゃ、穂乃果たちはそろそろ帰るね」

海未「気をつけてくださいね」

ことり「うん、海未ちゃんも、今日はよく睡眠とってね」

海未「もちろんです！」

穂乃果「それじゃ、またね海未ちゃん」

ことり「またね」

海未「はい。また明日」

穂乃果「…………うん、また、明日」ﾆｯｺﾘ

海未「……」ｶﾞｻｶｻｯ

ほむまん チーズケーキ

海未「……」

海未「……♪」

海未「……明日は、なんだかいい日になりそうな気がします」

海未「ふふ……」ｽﾔｧ

〜翌日〜

海未「うわっ、とと、穂乃果！？」

穂乃果「わーい！海未ちゃんだ！海未ちゃん！」

ことり「良かったぁ、治ったんだね」

海未「ええ、おかげさまで」

穂乃果「よかったよかった〜」

ことり「もう、穂乃果ちゃん、昨日と別人みたい」

穂乃果「だってー、嬉しいんだもん！」

海未「ふふ、私も嬉しいです」

穂乃果「うんっ！」

穂乃果「じゃ、トイレ行こっか」

海未「……？ええ、構いませんが……」

海未「んっ！？んんんんっ……！？」

穂乃果「ちゅー……」ﾁｭﾙﾁｭﾊﾟｯ

海未(〜〜〜っ！？)

ことり「もう、穂乃果ちゃん長い。私も……」

穂乃果「ごめんごめん」

海未「な、なにをむぐっ！？」

ことり「んっ……」ﾁｭｯ

海未(な、なに、を……！？！？)

ことり「んっ……だから、二日分の海未ちゃんエネルギーを補給するの〜」

海未「だ、だからって……むうっ！？」

穂乃果「もっとキスしよ、海未ちゃん……んっ」ﾁｭｯ､ﾁﾙﾘﾙ

海未「ん〜〜！？」

ﾅｾﾞ､ｺｳﾅﾙﾉﾃﾞｽｩ〜〜!?

ーーー

翌日。
穂乃果とことりは風邪をひいた。

穂乃果「ごめんなしゃあい……けほっ」

海未「全く……病み上がりの人間にあんな事すればそりゃうつりますよ」ｼｬﾘｼｬﾘ

海未「ほら、あーん」

穂乃果「あ〜ん……」ｼｬｸｯ

穂乃果「美味し……」

海未「穂乃果は本当に穂乃果ですね……あ、これ。今日の分のノートです。ちゃんと、しっかり書き写すんですよ」

穂乃果「は〜い……」

海未「それと、今夜は冷えるようですから、しっかり暖かい格好をして寝てくださいね」

穂乃果「……」

海未「……？」

穂乃果(天使……)

穂乃果「……海未ちゃん」

海未「……はい？」

穂乃果「……ごめんなさい」

海未「……はい」

〜〜〜

ことり「私はもう大体大丈夫。ありがとうね、海未ちゃん」

海未「いえ。これ、今日の分のノートです」

ことり「あっ、ありがとう海未ちゃん！」

海未「どういたしまして」

ーーー

ことり「……えっとさ、海未ちゃん」

海未「なんです？」

ことり「……」

ことり「海未ちゃんがいない、海未ちゃんに会いたいって」

海未「……」

ことり「もちろん、私だって寂しかった……だからその」

ことり「穂乃果ちゃんの気持ちだけでも、わかってあげて……？」

海未「……ええ」

海未「私は幸せですね。少しだけおかしいですが、これだけ愛されるのも」

ことり「……その通りだね」

海未「……では、明日、学校で待っていますよ」

ことり「うん、ばいばい、海未ちゃん」

穂乃果「海未ちゃーーーん！！おはよう！！」

ことり「海未ちゃん、おはよう！」

海未「おはようございます、穂乃果、ことり」

海未「治ったようでなによりです」

穂乃果「えへへ、海未ちゃんのおかげだよ」

海未「ふふ……さ、行きましょう」

ことり「うん！」

たまにある、こんななんでもない朝が、とても幸せに感じる。

それは、とても素晴らしい事だと、心から思った。

おわり

乙です

あると思います(暴論)

乙乙