西濃「よーし、おるな!いくわ!」
希「え、……え!?」
希(な、なんなん!? 怖ッ)ガクブル
ピンポーン
希()ビクッ
トントン
<オ-イ
希(さ、さっきの電話の人の声……)ビクビク
トタトタ
ガチャ
西濃「ここやで、トントン(はんこ押すとこを指で叩きながら)」
希「え?」
西農「……よし、これ荷物な! ほな!」
バタンッ
希「……」
希「……えっ?」
せーのっぴょん♪
希「重いような、軽いような……」
希「……えりち宛やし、開けたらあかんよな」
希「……」
希「……」
希(き、気になる……えりち、何買ったんやろ)ウズウズ
希(DVD……えりち、映画のやつとか買ったんかな。でも、えりちが映画のDVDとかBD買ってるの、うちが知る限り見たことない……)
希「……他に何も書いてないしなぁ」
希「……うちに知らせずにえりちが買うDVD……もしかして」
希「えっちなやつなんやろか……」
希「……」
希「うわー。想像したらめっちゃショックや。予想以上や。ど、どうしよう。うち女として魅力なかったんかなぁ」
希「……」
希「……」
希「いや、わからんよ、わからん!決めつけるのは早い。問題はこの動画がどんな内容で、えりちがどんな性癖を持ってるかっていうことや!!」ウンウン
希「……」
希「……いや、でもちょっと、もし本当に女としてえりちがうちのこと、物足りないと思ってるなら、これは……受け入れられるの……ツライな……」ウ-ン
希「タロット占ってみるか……いや、でも、そんな、なんかえりちのこと信じてないみたいやし、ここで死神とか逆さ吊りの男とか出たらうち、にこっちの所に押しかけてしまうかもしれんし……」
希「うん、タロットはやめとこ! まだ早い。早まったらあかんよ! うん、タロットは早い、早い!」ウンウン
ガチでこんなんだぞ
—
–
希「……」ソワソワ
希「そろそろかな」
ガチャ
希「!!」
絵里「ふぅ。ただいまー!」チカァ
希「えりち、おかえりー!」
絵里「希ー!」ギュ-
希「ふふっ、えりち苦しいよぉ」
絵里「はぁああああのぞみのぞみのぞみのぞみのぞみがいるぅぅううううう落ち着くぅううううああああああああああ」ギュ-
希「今日もお仕事お疲れさま。ご飯できとるよ?」ナデナデ
絵里「のぞみのぞみのぞみのぞみ」ス-ハス-ハ-
希「もーはずかしーやん! 」コ-ラ
絵里「はぁ、希がいるってだけで疲れが吹っ飛ぶわ。本当、希ってエンジェルよね!」ギュ-
希「はいはい。わかったから。あ、えりちほっぺた冷たくなっとる。外寒かった?」
絵里「んー、寒かった!でも、今は希がいるから平気よ!!あああああああああのぞみのぞみのぞみのぞみのぞみーーー!!」ギュ-
希「風邪ひいたらいかんから、先にお風呂入ってきー、その間にご飯の支度しておくから」ね?
絵里「やだぁ!今日は希と一緒に入るって決めてるの!!希とのお風呂を楽しみに今日はお仕事頑張ったの!!」
希「あはは……じゃあ、一緒に入る?」
絵里「!!!」
絵里「入ります!!」キリッ
希「もー、えりちったら小学生じゃないんだから」クスクス
絵里「えへへ、だって希が大好きなんだもの!一緒にお風呂くらい入らせてよ、ねっ?」片目ウインク!
希「くっ////」
絵里「照れた?照れた?」
希「ああもう!いいからほらお風呂入ろうやん///先行っとって///」
絵里「はーい!!」トタトタ
希「でも、お外でお仕事頑張ってきたえりちが真っ先にギューってしてくれるの、本当に好きやなぁ。えりちの方が背が高いから全身抱きしめられとる感じするし……ふふっ////」
希「……えりち……うちのこと好きやって……///」モウ
希「じゃなくて、DVDのこと聞こうと思ってスッカリ忘れてたわ!!!うちのアホー!!」アアアアアア
<希ー!まだー?
希「あ、すぐいくー!」
<早くしないと上がっちゃうわよー!
希「いや、それはカラスの行水すぎるやろ」
<ハラショー!
希(とりあえずお風呂でDVDのことをそれとなく聞いてみよう!)よしっ!
—
–
カポ-ン
絵里「いい湯だわー」ウウウ
希「えりち、おじさんくさい」クスクス
絵里「おじさん……」ズ-ン
希「え、そんな落ち込まんでも」オロオロ
絵里「エリーチカは希さんにおじさんと呼ばれて悲しいです」グスングスン
希「ご、ごめんって!」
絵里「希が私に背もたれてくれたら嬉しいなー」チラッチラッ
希「うわー……おじさん、下心が見えとるよ?」
絵里「下心なんてないわよ!失敬な!」プンスカ
希「本当にえっちなことせん……?」
絵里「えっちなことせん、えっちなことせん」オイデオイデ
希「……」
クルッ
ギュ-
希(うわぁ……な、何度やられてもえりちに背もたれるの、なんかはずかしい///)
絵里「もっと身体預けていいわよ?」
希「……ん、うん」チャプン
希(うう…..///)ドキドキ
絵里「んー、落ち着くー」ギュ-
希「か、肩にアゴ……のせるん……///?」
絵里「そうした方が希に近づけるから。いや?」
希「い、嫌じゃないよ!?///」
絵里「ならよかった。はぁー極楽極楽」
希(ううー/// うちも落ち着くー///)
モミモミ
希「ひゃう!?」ビクッ
希「い、いきなり揉まれたらびっくりするやろ!?」
絵里「希、肩凝ってるわね」フム
希「まぁ、、、肩は凝ってるけど?」
希(な、なんなん……普段肩とか揉まないやん……いきなりどうして)
希(はっ!肩揉むことでもしかしたらうちの身体を品定めして、あとであのえっちなDVD(仮)を見る時に映っとる女の人と比べるのかもしれん!)ガ-ン
絵里「なるほどなるほど」
絵里「じゃあ、前の方は?」モミモミ
希「んんっ////!?」ビクッ
希「ちょ、ちょっと!?なにする……んんっ////!?」ビクッビクッ
絵里「んふふ~嫌がってる割にはいい声出しちゃって。かわいいんだから」ニヤニヤ
希(こ、今度は胸の大きさチェックまで…)ワナワナ
希「え…」
絵里「…え?」
希「えりちのアホっ!?」ばしっ
絵里「あてっ!?」
—
–
お風呂上がり
絵里「希怒らないで~ごめんなさいってばぁ」ホカホカ
希「えっちなことせんって言ったのに…」ホカホカ
絵里「つい、で、出来心で……希が好きなのよ、わかって?いつでも希に触れていたいの」
希「またそんなことばっか言って……」プイッ
絵里「希……お、怒った?」オロオロ
希(ああもう……うちだってえりちにさわってもらって嬉しいのに、今日はDVDのこと考えたら、えりちの行動が全部うちのご機嫌取りに見えて、なにが裏があるんじゃないかって疑ってしまう)ウウウ
絵里「希?」オロオロ
希「……」
希「」ハァ
希(いつもかっこいいのに、うちがちょっとでも機嫌悪くなると、すぐにオロオロして。……そういうところ、可愛いって思っちゃう時点でうちの負けなんやろーなぁー)
希「怒ってないよ」
絵里「本当?」
希「本当。ただ、お風呂でああいうのは禁止な。音響くから、次の日ご近所さんと顔会わせずらいんよ」
絵里「わかったわ。もうやめる!ごめんなさい!」ギュ-
希「うんうん。じゃあ、ご飯にしようか」ナデナデ
絵里「ごはん!!」
希「もう、調子ええんやから」クスクス
絵里「希のごはんは美味しいか大好きなの!!」
希「ああ、そういえば」
絵里「?」
絵里「えっ」ビクッ
希「……」
絵里「あああ、あああわ忘れてたわ!?ああああ、ありがとう!?」シドロモドロ
希「……」
絵里「あーそうかー、きょ、きょうだったのねー、へー、そーかーそうかー、ふ、ふーん、へーっ。へー」シドロモドロ
希「……」ジ.
絵里「……」
希「……」ジ-
絵里「な、中身、見た?」
絵里「そ、そっか!よ、よかった!」ホッ
希(うわぁ……見てないって言った途端にすごいホッとした顔に……)
希(凹む……やっぱりえっちなやつなんかなぁ……)ズ-ン
絵里「ちょっとこれ部屋に置いてくるから!そしたらごはんにしましょう!」ウキウキ
希「うん……わかった……お味噌汁温めとくな……(そして明からさまにウキウキしとるし)」
絵里「これがあれば。うふふっ」トタトタ
希「……えりちのばかっ」ボソッ
絵里「あー、美味しかった!やっぱり希が炒める野菜とお肉の焼き具合最高ね!」ハラショ-
希「今日の3分クッキングでやっとった献立やから……」ションボリ
絵里「希、なんだか元気ない?」
希「ううん。なんともないよ、だいじょうぶ」
絵里「本当?さっき私が大きい肉食べちゃったの気にしてる?」
希「気にしてない気にしてない」
希(優しいけど、気を利かせるとこがなんかズレとる!!)
絵里「そう?ならいいんだけど。疲れてるなら今日は早めに休んだら?うん、きっと、それがいいと思うわ!」ソワソワ
希(ん?なんか優しいふりしてうちのこと厄介払いしようとしてるみたいな気が……そわそわしてるし)
絵里「ね?そうしましょう?希が元気がなくなると私も悲しいし、うん、今日は希は早めに休むべきだと私はそう思うの」ソワソワ
希「じゃあ、えりちにぎゅーしてもらって寝る……」
絵里「えっ」ギクッ
希「えっ」ビクッ
希「……」
絵里「その、あの……あれなの! そう! 明日のために資料をまとめなくちゃいけなくて!だから今日は申し訳ないんだけど、先に寝といてくれないかしら?」アセアセ
希「じゃあ、リビングにノーパソ持ってきて。うち、ソファーでゴロゴロしとるから。テレビはつけんから」
絵里「うっ……あの、その、ね、ちょっと、無理というか……」アセアセ
絵里「会社の人以外には知られてはいけない内容だから、今日はちょっと部屋でやるわ!ごめんなさい!」
希「……」
絵里「……だ、ダメかしら」オロオロ
希「わかった……」
絵里「……よかった」ホッ
絵里「あ、見ちゃダメだからね!もし部屋に入るときはちゃんとノックしてね!」
希「うん、わかった、わかった。じゃあ、お仕事頑張ってな」
絵里「うん! 希も早く寝るのよ?じゃあ、おやすみなさい」スタスタ
希「おやすみ……」
希「……」
希「……」
希(絶対DVD部屋で見る気マンマンやないかぁあああああああ!!!!)
—
–
希「なんなん!? 部屋にノックしてから入ってねって!! 思春期の中学生男子かっ!!鶴の恩返しの鶴かっ!!」
希「お肉大きいの食べたから元気ないとか!! たしかに『あ、うちが狙っとったお肉……』って、お肉がえりちのお口に入るまで視線でで追ってしまったけど!!追ってしまったけども!!」
希「ああ、タロットるか!!もうこれはタロットするしかないんやないんかなぁ!? 」
希「タロットる!!はい、カードひいたー!」シュパッ
希「んー、カードさんカードさん、えりちの好きなエロ動画はどんなジャンルですかっと。……どれどれ?」チラッ
希「……こ、これは!!」
希「そしたらな、恋人のカードが出たんよ。どう思う? にこっち~」
にこ「……」ゴクゴク
希「恋人のカードはな……愛による結びつきを表してて、新しい恋や出会いの予感を示しとるんよ」
にこ「へぇー」
希「恋人がおる場合は、は2人の愛の強さを試す試練が待ち受けとる、みたいな意味になるん」
にこ「なるほどねぇー」
希「にこっちもっとこう、なんか、こう、グッと興味持ってや……うち意外と本気で悩んどるんよ、今回」グスン
にこ「んー、にこ、興味ないにこ♪」ニコッ!
希「ひどっ!?」
にこ「いやぁ、だって。あんたたちなんだかんだでお互いにお互い好きすぎるし。愛の試練とか言われても一緒に住むまでにだいぶ世間の波に揉まれてるじゃない?」
希「まぁ、たしかに。えりちと付き合う前も付き合ってからも、乗るしかないこのビッグウェーブに!!って感じやった」
にこ「でしょ? だから今更絵里がエロ動画見てるどうこうで騒がれたって、って感じなのよね、にことしては」ゴクゴク
にこ「でも、希。絵里が本当にエロ動画見てるかどうかは確かめてないんでしょ?」
希「うーん。ここ二週間ずっと部屋にこもって会社の資料とやらを作っとるから、部屋のドアに耳つけてもたまにえりちの声で、ふーん、とか、こういう感じかしら?とか聞こえるばっかりで」
にこ「え、なによそれ。イヤホンつけて自分でシコってるってこと?いや、いくら友達の相談でも、絵里のそんなの詳しく聞きたかないんだけど」ウゲェ
希「シ、シコっとるって!?えりち生えてないよ!?にこっち、な何言っとるん////!?」ウワァァァ⁉︎
にこ「比喩よ、比喩。こんな公共の場でオナニーとか言えないじゃない」ヒソヒソ
希「言っとるし……/// 比喩やとしてもビビるから。やめてやー。もうっ。えりちには、生えてません!」
にこ「ごめんごめん」ケラケラ
希「そう言うのはラクやけど……。一緒に寝とらんからなんや寂しいし……」
希「うちがようやく寝たぐらいで布団に入ってきて、うちの背中の骨に合わせてなんか服の上から指を這わせて『ここかしら……こう?……うーんちょっと違うかも』とかボソボソ言うんよ!?絶対動画の中の女の人と身体比べとるやん!しかも違うって!」うわーん!
にこ「んー」
希「うちはえりちのために布団温めとく役割するために一緒に住んどるわけやないのに、そんな見ず知らずの人と身体比べられて勝手に落ち込まれて、なんか、悲しいやんこんなの!!」うわーん!
にこ「そうねぇー」
希「にこっち! いきなり興味なくしすぎぃ!?」
にこ「やー、もう。ほんと、あんたが泣こうが喚こうが、あんたらの話ってなんだかこう、ノロケ聞かされてる気がして、身体が拒否反応起こすのよね。聞く気はある、聞く気は」ダラ-ン
希「うう、酷い…うちほんとに悩んどるのに……」
にこ「まぁ、人間だから、いくら恋人といえど隠し事の一つや二つあるだろうけど、お互いコソコソしないでちゃんと話合いなさい、、、としか言えないわね」
希「はぁ……それ前も聞いた……」
にこ「うん、前も言った。それくらいあんたら二人が同じところでグルグルしてる証拠よ」
希「同じところでグルグル……」グスン
希「なになに?」ウキウキ
にこ「なんでウキウキしてんのよ!?」
希「いや、なんかこう、ねぇ……」エヘヘ
にこ(絵里はどういう教育してんのよ、全く)ハァ
にこ「いい? 今日絵里が帰ってきたら話し合うこと!」
希「うん、わかった!」
にこ「そんなグダグダ悩んでたって仕方な…..。えっ?わかったっつった!?」
希「うん!にこっちから言われたならしゃーない。今日聞いてみる!」
にこ「聞き分けいいのがほんと、腹立つ。あんた、ただ単にキッカケが欲しいからにこ呼びつけただけじゃないの!!」
希「ん~。だってにこっちに命令されたらなんだか頑張れる気になれるんやもん♪」ニコニコ
にこ「うっ///」
にこ「こういう時だけズルいの、本当変わってなくてイライラするわ」ボソッ
希「ん?なんか言った?」
にこ「な、何もないわよっ!! じゃあもうにこ行くからね!!」
希「あ、うん!にこっちほんと忙しいのに時間作ってくれてありがとうなぁ!」
にこ「友達のためならいくらでも時間作るわよ」
希「人気芸能人がまたまた~」ケラケラ
にこ「ほ、ほんとだっての!!」
希「んふふー。にこっちのそういう人情に熱いところ、やっぱり好きやなぁ」
にこ「はいはい、わかったわかった」
希「照れとる照れとる」
にこ「……っち。ああもう!じゃあ!行くから!また、何かあったら連絡市なさいよね!」
希「うん!あ、花陽ちゃんに、いつもお米ありがとー!おいしいよー!って言っとって!!」
にこ「はいはい」ジャ
希「」バイバ-イ
—
–
希「そろそろえりちが帰ってくる…」ゴクリッ
希「うう、なんか緊張してきた……」ギュ
ガチャ
希「帰ってきた!! 」ドキドキ
絵里「希ー。ただいまぁー!」
希「お、おかえり、えりちっ」ドキドキ
絵里「ふぅぅぅううう!!ああああああああ希希希ー!希が生きてるってことだけでこんなに癒されるゥぅうううう!!!国宝よ!!希は国宝!!」ギュ-
希「あはは、毎回凄い言われ方やな」
絵里「はっ!でも国宝にしたら私以外の目にも希が映ることになる……それはダメ、ダメよ、うん。それはいけないわ!!」
希「そんな……うちなんて別に誰も相手せんよ……大袈裟やね、えりちは」あはは
絵里「希、そういう風に自分を下げることを言っちゃ、めっ!いけません!」メッ
希「もう、わかったわかった。もう何回目やんこのやりとり」ギュ-
絵里「だって、何回言っても希がそういうこというから」プク-
希「もう。うちはえりちが見てくれてたら充分よ」
絵里「ふふっ。希を私の目の届かない場所になんて独りで活かせないんだからっ」ぐー
希「……」
絵里「……」キリッ
ぐー
希「……キリっと決めてるとこ悪いけど、お腹なっとるし、ごはんにしよか」クスクス
絵里「うん!お腹すいた!ごはん!!希のごはーん!!」キリッ
—
–
絵里「でね、……がその時に……それで私が」モグモグ
希「そうなんやーへー」
希(あかん。またDVDのことを聞くタイミングをはかろうとすると、えりちの話が頭に入ってこん)モグ…モグ…
絵里「……」
絵里「希」
希「ん?どしたん?えりち」
絵里「なんだかうわの空みたいだけど、大丈夫?もっとこう、グッと、ガッと、興味を持てとは言わないけど、もう少し私の話、ちゃんと聞いてくれたら嬉しいな」
希「あ、う、うん。ご、ごめんなっ」
絵里「ふふっ。希、ほっぺたにごはんついてるわ」
希「えっ、どこどこ?」ペタペタ
絵里「はーい、ジッとしてねー?」ヒョイ
希「あ、ありが」
絵里「」パクッ
希「!!」
絵里「?」モグモグ
希(うおおぉ……そういうの自然にやられるのズルいわぁ!このクォーターめぇぇぇ////)ドキドキ
絵里「あ、希。今日は一緒に寝ましょう」
希「え……」
希(え!? 今日はもうDVD観ないんやろか!? 「もう動画は飽きるほど見たから、たまには希にも構ってあげましょうか、希寂しがり屋だもんね、ふふっ」って感じなんやろうか…!?)
絵里「…あれ?う、嬉しくない?」
絵里「お仕事……?」
希「?」
絵里「?」
絵里「あ、う、うん!? もう大丈夫になったのよ、そうそう、そういう感じだったわね!うん、もうお仕事は終わったの、そう、とっても大変だったけど、なんとか頑張れたわ!」アセアセ
希(うちを誤魔化すために自分で作った設定忘れとったな……)ハァ
希「そっかー。よかったー! なら、今日は一緒に眠れるんやねぇ」
絵里「うん! 明日は土曜日でお休みだし、のんびりしましょう!」モグモグ
希「せやねー。(のんびり……かぁ)」モグモグ
希(久しぶりにするんかなぁー)モグモグ
希(うう、動画の人と比べられる予感しかせん……今から凹むわ……はぁ……)チラッ
絵里「…///」モグモグ
希(えりち、なんか照れとるし、ニヤニヤしとるし。……思い出し笑い? なんやん、なんやん)モグモグ
絵里「ん~ふふふ。今日は楽しみにしててね、希///」ニヤニヤ
希「あ、う、うん」アハハハ
絵里「♪~」ニヤニヤ
希(気が重いわ……)
—
–
寝室
希「……」
絵里「お風呂あがったわ」ホカホカ
希「あ、う、うん」
絵里「んー?なんだか希、ぎこちないわ。緊張してる?」クスクス
希「いや、今さらきんちょーはしてないけど」あははは
希(今からえりちにされることを思うと嫌なんて言えんわっ!)
絵里「今日はね、実はやりたいことがあるの!」
希「そ、そうなん?(早速動画の見よう見まねかい!)」
絵里「うん! 希、はいっ、ばんざーい!」
希「?」
絵里「」バンザ-イ
希「……」
絵里「」バンザ-イ
希「……」
絵里「」バンザ-イ
希「」バンザ-イ
ガシッ
希「……う、うん(うわぁ、AVってこんな風に服脱がすんかぁ)」
希(ちょ、ちょっとだけなんかワクワクしてきたな///)ドキドキ
絵里「よいしょっと!」スッポ.ン
希「……うう///ちょ、ちょっと今日は手順が早いんとちゃう?///」
絵里「手順? よくわからないけど、次はそのままベッドにうつ伏せになってー」グッ
ゴロン
希(うぅ……な、なんやこのパターン……キスもなんもせずにもうベッドに…..どんだけすることしか考えてないんや……AV恐ろしい……)
絵里「よし、じゃあ始めるわね♪」スッ
希「あ……////」
絵里「気持ち良くしてあげるからね、希~♪」ピトッ
希(せ、背中にえりちの指の感触が……くすぐったい……ついにうちも、えりちのAVで培った技の練習台に……///)アアアア
モミモミモミモミモミモミモミモミモミモミ
モミモミモミモミモミモミモミモミ
絵里「よいしょ、よいしょ♪」
モミモミモミモミモミモミモミモミ
希「これは……なんというか」
モミモミモミモミモミモミモミモミ
絵里「希、気持ちいいでしょー?」ヨイショヨイショ
モミモミモミモミモミモミモミモミ
希「うん、すっごい気持ちいい……です」
モミモミモミモミモミモミモミモミ
絵里「希、いつも料理とか家事とか私のために頑張ってくれてるから、何かお礼をと、思ってね」ヨイショヨイショ
モミモミモミモミモミモミモミモミ
希「だから、マ、マッサージ?」
モミモミモミモミモミモミモミモミ
絵里「うん!こないだネットで『家事に疲れた主婦のためのマッサージ』っていうDVD見つけてね、もう運命よね!これだっ!って思ってすぐにポチったわ!」ウフフ
モミモミモミモミモミモミモミモミ
希「……」枕つっぷし
絵里「でも、DVDがあんなに早く届くなんて思ってなかったの。まさか希がDVD受け取っちゃうなんて!」
モミモミモミモミモミモミモミモミ
絵里「中身見られてたらって思ったらヒヤヒヤしちゃった!せっかくサプライズで希にマッサージしてあげようと思ってたのに練習する前からバレちゃったのかと思ったわ!」
モミモミモミモミモミモミモミモミ
希「」枕つっぷし
絵里「って、希…? 気持ち良くて寝ちゃった?」オソルオソル
希「えりち…..」枕つっぷし
絵里「なぁに? あ、肩すっごい凝ってる!」モミモミ
希「疑ってごめんなぁーー!」涙だばー
希「違うんよ、違うんよ、うち、てっきり、グス、えりちがえっちなDVD買ってこっそり見とると思っとって」うえーん
絵里「えっ!?んん!? え、えええええええっちなDVD!? そ、そんなもの買うわけないでしょう!?////」カァァァアア
希「そうやんな。うん、うん。そうやんな。えりちなら、そういうヘタレなリアクションやんな。うん。うちが間違っとったよ。グスッ。疑ってごめんなぁ。ほんま、えりちのこと信じられなかった自分が、自分で恥ずかしくて」
希「うぇぇーーん!!」
ギュウ
希「ふぇぇっ!?」
絵里「バカね。わ、私がそんなの買うわけないでしょう!?そ、そもそも希のことほんとに大切に思ってるし、希がいれば私にはそんなもの必要ないもの」ギュ-
希「うぉぉぉん……え”い”ち”ぃ……ごべん”ね”ぇ……うち、でっぎり……え”い”ち”ぃがうちにあぎじゃづだゆだどおもっでだぁぁあ.」ポロポロ
絵里「私が希に飽きるわけないでしょう?一緒にいればいるほど、あなたをどんどん好きになっていくわ。希に知られまいとして部屋に篭って練習してたから、うん、不安にさせちゃってごめんね、希」チュ
希「んっ……んんっ///」プハッ
絵里「ふふっ」
希「な、なんで笑うん…?」グスッグスッ
絵里「いえ、何回キスしても希は息継ぎが上手くならないなぁと思ってね」クスクス
希「そんな、……えりちがひとりで上手くなるから……ぐすっ……ひっく……」ポロポロ
絵里「じゃあ、一緒に練習しましょうね。時間はたっぷりあるわ」チュ-
希「んっ……えりち……好きっ……」チュ、チュ、チュ
絵里「わたしも……あなたが大好きよ……のぞみっ……」チュ、チュ、チュ
—
—
–
希「というわけで、仲直りしたわー!」デ-ン
にこ「……よかったわね」キップイ
希「もうテンション低いなぁ!にこっちは!」ワシワシスルデ-?
にこ「はいはいそういうのいいから。それにしても、まさかマッサージのDVDとはねぇ。さすが絵里のやることだわ」
希「すっごい気持ちいいんよ、えりちのマッサージ!!あれからうちも見せてもらって今練習しとるん!今度えりちにするの!」モミモミ
にこ「まぁ、末長くお幸せに。さて、今日はもう帰るわ」ガタッ
希「そうなん?久しぶりに家来たんやからもう少しゆっくりしてればいいのに」
にこ「久しぶりのオフだし、いつも家のこと花陽に任せっきりだから、たまには、ね」
希「ぬふふ~。にこっちも今日は花陽ちゃんとラブラブかぁ~」
にこ「そ、そんなんじゃないわよっ!?あんたらと一緒にしないでっ」
希「ぬはは、ごめんごめん」
にこ「じゃあ、また!」
希「うん、またなー!」
—
—
–
ガチャ
にこ「ただいまー」
シ-ン
にこ「あれ?はなよー?はなよ?いないのー? っかしーわね。今日出かけるとか聞いてないけど、買い物かしら」キョロキョロ
プルル…プルルル
にこ「あ、電話……でないと」スタスタ
ガチャ
西濃「おるかーー?」
にこ「え?」
西濃「よーし、おるな!いくわ!」
にこ「……え?」
おわり
最後の感じ好き
絵里が終始アホだったのが残念
マッサージのDVDとか気団板とか鬼女板で聞いたような話だな
花陽…?
タイトルで一発ギャグストーリーかと思ったらいい話だった