───
穂乃果「海未ちゃん……」
目の前に海未ちゃんがいた
その身には何も纏っていない
そして気が付けば自分も裸のままベッドの上に横たわっていた
海未「ふふ、綺麗ですよ穂乃果」
そう言って優しく私の頭を撫でる
穂乃果「海未ちゃんもきれい……」ボー
海未「ありがとうございます」
その上全身引き締まった細身の身体
穂乃果「海未ちゃん」
気が付くと抱きしめていた
二つの白い裸体が重なる
サラサラな肌が直に触れてすごく気持ちいい
海未「穂乃果は甘えん坊ですね」
穂乃果「海未ちゃん、来て♡」
海未「はいはい」
待ちきれずにこちらからぐいと顔を近づけ唇を触れ合わせる
穂乃果「んっ♡」チュッ
海未「そんなに慌てないでくださいよ」
穂乃果「だって……んむっ」
こちらが言い終わる前に今度は海未ちゃんの方からキスをしてきた
海未「おかえしですっ」
穂乃果「もう」プクー
そうは言いつつもすごく嬉しい
海未「可愛いですね」
海未ちゃんの手が頬に触れる
それだけでなんだかすごく嬉しくてつい顔が緩んでしまう
海未ちゃんの手が下に降りてくる
首筋を撫で肩に触れそして……
穂乃果「んぅ……」
海未「本当にきれいです」
私の胸は海未ちゃんに触られるままに形を変える
穂乃果「私も」
手を伸ばし目の前の白い柔肌のさらに柔らかい部分に触れる
穂乃果「柔らかい……」
海未「そうですか?ありがとうございます」
すると海未ちゃんは私の胸の先端を摘み上げる
思わず声を上げてしまう
海未「また可愛らしい声を上げますね」クニクニ
穂乃果「んんっ……、あっ♡」
海未ちゃんは手を止めることなく攻め続ける
海未「では今度は……」
そう言って顔を近づける
今度は顔にではなく胸にだ
海未「ちゅっ、ちゅぅ」
穂乃果「んあっ、やぁっ♡///」
変わらず片方の胸を手で弄り続けもう片方に吸い付いてくる
海未「ちゅぱ、ちゅう」
海未「ふう……おや、どうしました穂乃果、顔がすごく蕩けてますよ?」
穂乃果「だ、だってぇ……///」
海未「さて、ではこちらはどうでしょうか」スーッ
するすると手がお腹の方に降りていく
海未「大好きですよ、穂乃果♡」
耳元で囁かれると同時にお腹の底から快感が込み上げる
穂乃果「んあっ♡私もっ、好きっ♡あぁっ♡」ビクビク
穂乃果「海未、ちゃっ♡……あっ、好きいっ♡」
海未「ふふっ、ありがとうございます♡」
そうして二人のまぐわいは大きくベッドを軋ませてゆく……
───
穂乃果「んんっ……ふわぁ~」
穂乃果「あれ?」キョロキョロ
きょろきょろとあたりを見渡す
するとそこは見慣れた自分の部屋だった
他に人の姿はない
穂乃果「ゆ、夢?」
穂乃果「な~んだ、夢か~」
穂乃果「……」
穂乃果(な、なんであんな夢見ちゃったの~///)
穂乃果(海未ちゃんとええ、えっちなことする夢なんて~!///)
ほのママ「穂乃果、そろそろ起きなさい」
身悶えているとお母さんの声が聞こえる
穂乃果「はっ!」
穂乃果「う、うん!今起きたから~!」
穂乃果(胸がドキドキする……)
穂乃果「んっ……///」ムニッ
穂乃果(海未ちゃんに触られてた……///)モミモミ
穂乃果「と、とにかく起きよう!」ハァハァ
なんだかお腹の下あたりがムズムズした
雪穂「お姉ちゃんおはよう」
穂乃果「お、おはよう」
ほのママ「珍しいわね、あんたがすぐに起きるなんて」
穂乃果「たまたまだよ……」
ほのママ「そう?……ってなんだか顔が赤いけど熱でもあるの?」
穂乃果「そっ、そんなことないよ!大丈夫!」
ほのママ「う~ん、まあ元気はあるみたいだけど……」
穂乃果「大丈夫だから!」
ほのママ「分かったわよ。ほら早く朝ご飯食べて学校に行く準備しなさい。海未ちゃん達待たせちゃうでしょ」
穂乃果「!」ビクッ
穂乃果「わ、分かってるって……」
穂乃果(海未ちゃんって聞いただけですごいドキッとしたぁ)
雪穂「ど、どうしたのお姉ちゃん」
とにかくさっきのことは忘れようとご飯をかきこんでいると雪穂が尋ねてくる
穂乃果「べ、別に何でもないよ?」
雪穂「それならいいけど……ちゃんと噛んで食べなきゃ太るよ?」
穂乃果「うっ」
雪穂「そうしたらまた海未ちゃんに怒られちゃうんじゃない?」
穂乃果「はっ!」
穂乃果「そっ、そうだね」アセアセ
穂乃果「ゆっくりいただきます……」
穂乃果(うぅ、すごい意識しちゃう……)
穂乃果(ご飯ものどを通らないよ……)
穂乃果「おはよー、二人ともお待たせ」
何とかご飯も食べきって時間通りに待ち合わせ場所へ
ことり「おはよう穂乃果ちゃん」
海未「おはようございます」
海未「今日は早かったですね」
穂乃果「そっ、そうかな……あはは」
穂乃果(あ、あれ?いつも海未ちゃんとどうやって話してたっけ?)
海未「なんだか様子が変ですね。何かあったんですか?」ズイッ
穂乃果「!」ビクッ
海未ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んでくる
穂乃果「ううう、海未ちゃん!?なな、なんでもないよ!///」
穂乃果(そんな急に顔近づけてこないでよ~///)
穂乃果(夢の中でのキス思い出しちゃった……///)
穂乃果「そ、それよりほら、行こう?」
海未「あっ、穂乃果、待ってくださいよ!」
ことり「穂乃果ちゃん?」
穂乃果(あ~、ダメダメダメ!変な夢のことなんか考えちゃダメ!早く忘れよう!)
ことり「穂乃果ちゃん、海未ちゃんと喧嘩でもした?」
教室で一息ついているとことりちゃんが心配げに声を掛けてきた
穂乃果「え?な、なんで?」
穂乃果(あぁ、まだ海未ちゃんって聞いただけで意識しちゃう……)
ことり「朝から様子が変だったから……」
穂乃果「そ、そうだったかな?」
ことり「何年一緒にいると思ってるの?穂乃果ちゃんの様子が変なら分かるよ」
穂乃果「そ、そっか。でもそんな大したことじゃないよ」
穂乃果(喧嘩なんかより大変なんだけど……)
ことり「そう?でも今日のお泊りでしっかり仲直りしてね?ことりは仲良しな二人が好きだから」
ことり「約束してたじゃん。私はお母さんが出張で家にいないからいけないけど……」
穂乃果「あっ!そうだった!」
ことり「忘れてたんだ……」
穂乃果「おかげで思い出したよ、ありがとうことりちゃん」
ことり「う、うん。とにかくしっかりね?応援してるから」
穂乃果「うん……」
穂乃果(ど、どうしよう。こんなタイミングで海未ちゃんと二人きりでお泊り会なんて無理だよ……)チラッ
ノートに何か書いてる。新しい曲の歌詞かあるいは勉強か……
穂乃果(綺麗な手先、指先までしなやか……あの手で穂乃果のいろんなところを……)
穂乃果(……って何考えてるの!?///)ブンブン
穂乃果(無意識に連想しちゃうなんてこれじゃあ穂乃果がえ、えっちみたいじゃん!///)
穂乃果(でも胸がすごいドキドキしてる……こんなのおかしいよ……)
穂乃果「うぅ~……」ゲッソリ
穂乃果(何とか放課後の練習までは乗り切ったけど……)
穂乃果(なんかすごい疲れたよ~……)
穂乃果(海未ちゃんのこと見たり聞いたりしただけで夢の中でのあんなことやこんなこと思い出しちゃって……)
~~~回想~~~
─授業中
先生「じゃあ園田、ここ読んで」
海未「はい。~~~……」
穂乃果(海未ちゃん、ピンとまっすぐな背筋に凛とした声……)
穂乃果(やっぱりかっこいいなぁ)
穂乃果(あの時も海未ちゃんかっこ良かったかも……///)
穂乃果(っ!何考えてるの穂乃果は!)ブンブン
穂乃果(授業に集中集中……)ブンブン
先生「こ、高坂大丈夫か……?」
穂乃果「ちょっとトイレ行ってくるね」
ことり「いってらっしゃい」
海未「あっ、私も一緒にいいですか?」
穂乃果「えっ?あぁ、うん」
海未「ありがとうございます」
穂乃果(海未ちゃん、トイレ……)
穂乃果(ということは……)ゴクリ
穂乃果(いやっ!バカバカ!何考えてるの~!!)ガンガン
海未「ほ、穂乃果!?急に壁に頭を叩きつけないでください!?」
ヒデコ「お~、海未ちゃんはや~い!」
海未「そ、そんなことないですって……」
穂乃果(やっぱり海未ちゃんすごいな~)
穂乃果(だってあんなしなやかで引き締まった身体なんだもんなぁ)
穂乃果(……いや、あれはあくまで夢の中の話で!///)
穂乃果(……でも実際そうだよね。一緒にお風呂入った時とかに見たことあるし)
穂乃果(あの体操着の下には海未ちゃんのスリムな身体が……)
穂乃果(じゃないよ!さっきから変なこと考えすぎだよ!)
穂乃果「うわぁ~」ダダッ
ミカ「わ~、穂乃果もはや~い」
フミコ「毎日海未ちゃんに鍛えられてるだけのことはあるね」
ことり「海未ちゃんのお弁当いつ見てもおいしそうだね~」
海未「ことりだっておいしそうですよ。自分で作っているなんて偉いじゃないですか。尊敬します」
ことり「朝はお母さんも忙しいしね。海未ちゃんのお家はむしろ朝からもお稽古のある海未ちゃんが忙しいんでしょ?それじゃあしょうがないよ」
海未「そうですかね」
穂乃果(海未ちゃんほんと綺麗にご飯食べるなぁ)モグモグ
穂乃果(器用に箸を使う手、おしとやかに食べる口……)
穂乃果(あの手や口で穂乃果の色んなところを……)
穂乃果(はっ!まただっ!)
穂乃果(もうやだよ~!///)バクバク
海未「ほ、穂乃果?もう少し落ち着いて食べたらどうです?」
穂乃果「ご、ごちそうさま!ちょっと飲み物買ってくるね!」ダッ
海未「そんなに慌てなくても……」
ことり「穂乃果ちゃん……」
海未「1!2!3!4!」
海未「凛!少し早いです!」
凛「わわっ!」
海未「にこも少しずれてますよ!」
にこ「分かってるわよ!」
海未「花陽、そこはもっと前に出てください!」
花陽「は、はい!」
穂乃果(海未ちゃんしっかり皆のこと見てリードしてる。さすがだなぁ)
穂乃果(あの時も海未ちゃんがリードしてくれて……)
穂乃果(あぁっ!もう!また考えちゃった!)
穂乃果(考えちゃダメ、考えちゃダメ!)
絵里「穂乃果危ない!」
穂乃果「えっ?」ズルッ
穂乃果「うわっ」コケッ
絵里「ちょっと大丈夫?」
海未「穂乃果!怪我はないですか?」ダキカカエ
穂乃果「うわぁっ!だだ、大丈夫だよ!///」
海未「ならいいですが……しっかり集中してくださいよ?」
穂乃果「分かったからは、離して……///」
海未「す、すいません。心配だったものでつい……」
穂乃果「ごめんね?大丈夫だから///」
海未「はい……」
~~~回想終わり~~~
凛「へ~、希ちゃんすごいにゃ~」
穂乃果「ん?」
ふとそんな声が聞こえて耳を傾ける
凛「もっと教えて!」
希「と言っても夢っていうのは不思議なものでまだ解明されてないことが多いからな~。まあそこがええんやけどね」
希「夢の内容は自分の記憶から作られたり自分がこうなりたいっていう望みを夢として具現化させたりあるいは予知夢やらお告げやらが見れるとか……」
希「解釈も様々やね」
凛「予知夢って?」
希「これから起こることを夢で見ることやね。未来予知の一種なんよ」
希「似たものに正夢って言って夢で見たことが本当になったりとかっていうのもあるなぁ」
凛「でもそんなのって本当にあるのかなぁ?」
真姫「科学的には自分の記憶を整理している、とかこうなりたいっていう願望を深層心理から引っ張り出してきて夢として見せるとかって言われてるわね」
穂乃果(じ、自分の願望……)
ということは私は海未ちゃんとああいうことをしたいってこと!?
当然あんなことしたことはないし記憶から、ってことはないだろうし……
でも海未ちゃんと……
自覚は無くても心の奥では海未ちゃんのことそういう目で見てたってことなのかな?
幼馴染で大切な親友をそんな目で見てたなんて私最低だよ……
うぅ~~
頭の中がグルグルする
穂乃果「ふえっ!?べべべ別にそんなことないよっ!?」
真姫「ほ、穂乃果?」
穂乃果「どど、どうしたの真姫ちゃん!?」
凛「穂乃果ちゃんなんかさっきから変だよ?練習中も海未ちゃんのことチラチラ見ては顔を赤くさせてブンブン首を振って……」
真姫「いつもみたいに喧嘩したっていうのとはちょっと違った感じだし……」
穂乃果「な、なんでもないよ!海未ちゃんは関係ないから!」
希「まあまあ穂乃果ちゃん。ほら二人もそろそろ帰ろ、外も暗くなってきたし真姫ちゃん達可愛いんやから夜道は危ないよ?」
真姫「か、可愛いって急に何言いだすのよ!」
凛「凛はいざとなったらダッシュで逃げれるにゃ!走るのは自信あるから!」
希「何もないに越したことはないやん。ささ、帰るで」
真姫「分かったわよ」
凛「かよちんはにこちゃんとアイドルショップに行っちゃったし今日は真姫ちゃんを独り占めにゃ!」
真姫「な、何言ってるのよ!」
凛「これぐらいで照れちゃう真姫ちゃんかわいいにゃ~」ダッ
真姫「こら、凛!茶化すんじゃないわよ!待ちなさーい!」
希「……穂乃果ちゃん、分かりやすすぎやよ。そんな素直なところが穂乃果ちゃんのいいところでもあるんやけど気い付けた方がええよ?」
希「うちらには話しにくいことなんやろ?それなら無理にとは言わんから。でも何かあったらうちらのこと忘れんといてな?」
穂乃果「あ、ありがとう希ちゃん」
希「ほら穂乃果ちゃんも帰る準備しとき。そろそろ海未ちゃんとえりちも戻って来るやろうし」
穂乃果「そうだね……」
穂乃果(何とか助かった……。希ちゃんありがとう)
穂乃果(でももう放課後だよ……。もうすぐ海未ちゃんが家に来るんだよね……)
穂乃果(このままじゃ身が持たないよ……)
穂乃果(気が付けばもう海未ちゃんが家にやってきた)
海未「お邪魔します。一晩お世話になります」ペコリ
ほのママ「そんな律儀にしなくてもいいのに。もう何回目とも分からないのに」
海未「それでもお世話になるんですから。そういうものはしっかりしておかないと」
ほのママ「海未ちゃんらしいわね。誰かさんに爪の垢を煎じて飲ませてあげたいわよ」
海未「ふふっ。そうだ、これ母からです」
ほのママ「あら、毎回毎回ありがとう」
海未「いえ、気にしないでください」
ほのママ「ほら穂乃果!ボーっとしてどうしたの?」
穂乃果「あぁ、うん。行こう、海未ちゃん」
海未「はい」
ほのママ「もうすぐごはんできるからそれまでゆっくりしててね」
海未「ありがとうございます」
穂乃果(どうしよう……)
穂乃果(海未ちゃんと二人きり……)
穂乃果(どうしても意識しちゃうよ、夢のこと)ドキドキ
穂乃果(というかよく考えてみれば夢の中で海未ちゃんと居た場所って穂乃果の部屋だったような……)
穂乃果(まさかこれから正夢になるとか!?あれは希ちゃんが言ってた予知夢ってやつだったの!?)
海未「あ、あの穂乃果?」
穂乃果「うわぁっ!な、何かな海未ちゃん」
海未「いえ、ボーっとしていたので。もしかして体調が悪いんですか?」
穂乃果「そ、そんなことないよ」アセアセ
海未「ならいいのですが……」
海未「とりあえず宿題をやりますよ。穂乃果が勉強を見てほしいと言い出したのではないですか」
穂乃果「そ、そうだね」
穂乃果(余計なこと考えちゃダメだよ!)
海未「どうしました?」
穂乃果「ここなんだけどさ……」
海未「見せてください」フワッ
穂乃果(目の前に海未ちゃんの頭が……。なんかすごくいい匂いする……///)ドキドキ
海未「ここが間違っていますね」
穂乃果「えっ?どこどこ?」
海未「ここですよ。しっかり聞いててください」
穂乃果「ああここか~」チョン
穂乃果「あっ!ごごごめん!」
海未「い、いえ……そんな少し手が触れたぐらい気にしませんよ?」
海未「いえ……」
穂乃果(なんか気まずいよ……)
海未「あ、あの穂乃果……?」
穂乃果「な、何?」
海未「その……」
ほのママ「二人とも晩御飯できたから降りて来なさーい」
穂乃果「は、は~い」
穂乃果「海未ちゃん行こう?」
海未「そうですね」
穂乃果(助かった~。このままじゃ間が持たなかったよ)
穂乃果(海未ちゃんとならいつもは喋らなくても全然気まずくないのに……)
海未「いつもありがとうございます」
ほのママ「そんなこと気にしないの」
海未「とてもおいしいです」
ほのママ「あら、ありがとう」
雪穂「あれ?お父さんは?」
ほのママ「明日の仕込みをしたいから後で食べるって」
雪穂「ふ~ん。なんか海未ちゃんとかことりちゃんがいる時いつもそんなこと言ってない?」
ほのママ「……確かにそうね」
穂乃果(やっぱりきれいに食べるなぁ)
雪穂「お姉ちゃん?箸が止まってるよ?」
穂乃果「あぁ、うん……」
穂乃果「う~ん、少し食欲ないかも……」
雪穂「お姉ちゃんが食欲ないなんて相当じゃない?」
ほのママ「確かにそうね……」
穂乃果「ひどいよ二人とも。そこまでじゃないから大丈夫だって」
海未「やっぱり体調が優れなかったんじゃないですか」
海未「お邪魔してしまって悪かったでしょうか?」
穂乃果「そんなことないよ。でもちょっとだけ休ませて」
ほのママ「じゃあ部屋で横になってなさい」
穂乃果「うん。海未ちゃんわざわざ来てくれたのにごめんね?少し休めば大丈夫だから」
海未「いえ、でも本当に大丈夫ですか?」
穂乃果「うん、大丈夫大丈夫」
海未「穂乃果……」
ふらふらとベッドに辿り着き横になる
朝からずっと海未ちゃんのこと意識しちゃってなんかすごく疲れちゃった
それもこれも全部あんな夢見たせいだよ!
……でもあんな夢見ちゃったのは穂乃果がいけないんだよね
海未ちゃんのことあんな風に思ってたなんて自分でも気づかなかったけど
私、海未ちゃんのこと好きなのかな?
ずっと一緒にいた幼馴染
そんなこと考えたこともなかったけど
でもどこかではそう考えてたってことなのかな
でもそれが好きってことなのかは分からないな……
なんかもう頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃって何も考えられなくなってきちゃった
もういいや、一旦寝よう
せっかく来てくれた海未ちゃんには悪いけど
一回寝て起きれば全部忘れて元通りになれるかもしれないし
ごめんね、海未ちゃん
ふと頭に柔らかく暖かい感触が
何だろう?
気になって目を開く
海未「すいません、起こしてしまいましたか?」
目の前には心配そうにこちらを覗き込む海未ちゃん
私の頭を優しく撫でてくれていた
なんだかすごく落ち着く……
けど、ふとあの夢のことを思い出す
ベッドに横になる私の頭を撫でてくれた海未ちゃん
今の状況はお互い服を着ているものの夢の光景と同じだ
そう思ったら急に全身から熱が込み上げてくる
海未「ど、どうしました?」ビクッ
海未ちゃんは体をびくりと震わせて心配そうにこちらを見つめる
うるんだ瞳でそんな風に見つめられたらすごい罪悪感が湧いてきちゃう
穂乃果「ご、ごめん。びっくりしちゃって……///」
海未「そうですか……」
海未「というより少し顔が赤いですね。大丈夫ですか?」
穂乃果「うん、少し寝てたからちょっと暑くなっちゃっただけだから///」
海未「ならいいですが無理はしないでくださいよ?」
海未ちゃんはこんなにも純粋に私の心配をしてくれるのに私は……
海未「何も穂乃果が気にすることはありませんよ」ニコッ
そう言って優しく微笑む海未ちゃんを見るとさらに申し訳なくなっちゃう
ほのママ「海未ちゃん、お風呂入ったわよ。先に行ってらっしゃい」
海未「すいません、ありがとうございます」
ほのママ「あら、穂乃果起きたの?もう大丈夫?」
穂乃果「うん、もう大丈夫だよ」
穂乃果「ほら、海未ちゃん先にお風呂入っておいでよ」
海未「そうさせてもらいますね。穂乃果も大丈夫そうですし」
海未「では失礼します」
穂乃果「いってらっしゃい」
ほのママ「あっ、そういえばシャンプーがもう入ってなかったかもしれないわね」
ほのママ「悪いんだけど穂乃果、持って行ってくれる?」
穂乃果「うん、分かった」
穂乃果「もう、お母さんってば。もうちょっと早く気付いてくれればよかったのに。海未ちゃんに悪いじゃん」
穂乃果「海未ちゃーん、シャンプー入ってないでしょ」ガララ
海未「きゃっ、ほ、穂乃果!?///」ハダカ
穂乃果「あわわ、ごごごめん!///」バタン
穂乃果(まさか目の前に裸の海未ちゃんがいるとは……///)
穂乃果(海未ちゃんの裸見ちゃった……。今までは気にしてなかったのにすごいドキドキするよぉ……///)
穂乃果(おかげでまた夢のこと思い出しちゃったし……)
海未「ほ、穂乃果?シャンプーでしたっけ。もう大丈夫ですから渡してください」
海未「いえ……」ソーッ
恐る恐る扉を開けた海未ちゃんはバスタオルを巻いていた
バスタオル一枚……
変なこと考えちゃダメなのにさっき見た裸と夢で見た裸とを目の前の海未ちゃんと重ねてしまう
穂乃果「とりあえずはい!ほんとにごめんね!///」
なるべく海未ちゃんの方を見ずにシャンプーを渡してすぐに立ち去る
なんだかクラクラする
自分の部屋に戻るもまだドキドキは鳴りやまない
息も荒くなってきて頭がぼーっとする
穂乃果「はぁはぁ、体が熱い……///」
穂乃果「ダメなのにぃ、海未ちゃん海未ちゃん……///」
ベッドの上で悶えていると視界の端にあるものが映る
何も考えずにそれを手に取る
穂乃果「まだ海未ちゃんの熱が残ってる……」
穂乃果「……」スンスン
無意識に匂いを嗅いでしまう
穂乃果「海未ちゃんの匂い……///」スンスン
穂乃果「海未ちゃん、海未ちゃん……」ギュッ
上着を抱きしめると海未ちゃんの匂いと熱に包まれてまるで本当に海未ちゃんに抱きしめてもらっているかのような感じがする
胸が苦しい
ジンジンする
自分の胸に手を伸ばし乱暴に掴む
穂乃果「海未ちゃんっ、んあっ」
海未ちゃんのことを考えると止まらなくなってしまう
穂乃果「はぁはぁ、んっ、うぁっ///」
ダメなのは分かってるのにもう止められそうにない
お腹の方もすごく熱い
片方の手は胸に当てたままもう片方の腕を自分の下腹部に伸ばす
穂乃果「濡れてる……あぅ、ふっ……///」
穂乃果「あっ……んんっ♡///」
穂乃果「海未ちゃん♡もっと……♡///」
穂乃果「ああっ♡海未ちゃん、そこぉ、いいっ♡///」ビクッ
何とか声を抑えつつ自分の身体を貪り続けた
穂乃果「はぁはぁ……」
穂乃果「うぅ、うっ……」
やってしまった
そんな後悔が広がる
大切な幼馴染で私は……
自分の汚い欲をぶつけてしまった
穂乃果「ごめんなさい、ごめんなさい海未ちゃん……」
穂乃果「うぅっ、うわぁあ……うぅ……」
この怒りをぶつける先が分からずに涙となって溢れ出る
もう私に海未ちゃんの隣にいる資格はないのかも
本当にごめんなさい海未ちゃん
乱れた服を整え最低限の携帯と財布だけ持って部屋を出る
早くしないと海未ちゃんが戻ってきちゃう
涙も拭かずに私は家を出た
行くあてもなく少し離れたところにある公園に立ち寄る
昔海未ちゃんとことりちゃんと一緒に遊んだことがある公園だった
穂乃果「うぅっ、ううぁ」
公園にあった遊具の中で膝を抱えて一人鼻をすする
穂乃果「ごめんなさい、ごめんっ、なさい」
ごめんなさい以外の言葉が出てこない
そうやってひとりで謝り続けていると携帯が鳴る
穂乃果「海未ちゃんから……」
そう言って携帯の電源を切る
もう私は海未ちゃんと話す資格なんてないんだから
アドレスも消してしまおうと思ったがそれはできなかった
本当に私は最低だ……駄目な奴だ……
穂乃果「うぅ、ぐすっ……」
穂乃果「うわぁ~ん、ううっ」
そう思うとさらに涙が溢れてくる
私は小さく声を上げて泣き続けた
:
:
「穂乃果~!」
一体どれだけ泣き続けただろう
ふと自分を呼ぶ声が聞こえた
「穂乃果~!」
そしてよく聞くとその声は今私が一番会いたくない人のものだった
どうしてここに……
なんて考えるよりもとりあえず声を抑えなきゃ
泣いていたから嗚咽が漏れてしまうが出来る限り抑える
両手で自分の口を押える
文字通り息を殺して身を潜めた
そしてふと考えてしまう
今口を押えているこの手で私は……
早く立ち去ってと願い続ける
だがその願いもむなしくついに
海未「穂乃果、ここに居ましたか」
穂乃果「……」
見つかってしまった
海未「ほら、こんなところでどうしたんですか?」
穂乃果「……」
顔を下げたまま黙っていると
海未「穂乃果、こっちを向いてください」
そう言って海未ちゃんは両手で私の顔を無理矢理上に向かせる
海未ちゃんの顔を見てそんな風に優しく声を掛けてくれて
そのせいでまた涙が込み上げてきてしまう
穂乃果「ううっ、うわぁっ、うわぁ~ん」
海未「な、泣かないでくださいって。穂乃果には笑顔が一番なんですよ?」ナデナデ
抱きしめて優しく背中をさすってくれる
そんな海未ちゃんの行動にどんどん涙があふれてきてしまう
海未ちゃんはこんなに優しくしてくれるのに私はなんてことをしてしまったんだろう
そう思うと涙が止まらない
海未「ほ、穂乃果、どうしたんですか?私にできることはありますか?」
私から離れてほしい
もう二度と私に優しくしないでほしい
でもそんなこと言えないよ
やっぱり私海未ちゃんのことが好きみたい
今海未ちゃんの顔を見て確信した
その瞬間色んな気持ちが溢れてきて
罪悪感が一番強かったけどすごく嬉しい気持ちが湧いてきた
真っ暗闇の中に見えた一筋の光のようにすごく安心が生まれた
穂乃果「ごめんなさい、海未ちゃんごめんなさい」
涙を流し嗚咽交じりに何とかそう言葉にする
海未「はいはい、もう大丈夫ですから。穂乃果は悪くないですって」ナデナデ
海未ちゃんはいつまでも優しく私を慰めてくれた
海未「落ち着いたみたいですね」
穂乃果「……うん」
海未ちゃんが側に居たらいつまでも泣き止まないと思ってたのにやがて涙は止まった
やっぱり海未ちゃんがいるとすごく安心しちゃって……
でもこの罪悪感はいつまでも私の心の中に居座り続けた
もう二度と会いたくなかったのに海未ちゃんを拒むことが出来ない自分がいる
やっぱりそばにいて欲しいなんてとんだわがままだよ
海未「身体も冷えてしまってますね。これをどうぞ」ファサ
そう言って海未ちゃんは上着を掛けてくれた
ほんのり暖かく安心する匂いに包まれる
でもこの上着は……
海未「さっきからずっとごめんなさいって一体何があったんですか?」
穂乃果「……」
海未「話してみてくれませんか?」
穂乃果「……分かった」
こんなこと話したら本当に海未ちゃんと一緒に居られなくなっちゃう
でもそれでいいかも
自分から拒むことが出来ないなら相手から拒んでくれればいいや
そうすればもうこんなに苦しまなくて済む
でもやっぱり怖い
嫌われちゃうのが、蔑まれちゃうのが、もう二度とこうやって話したりできなくなってしまうのが
それにそうなったらもうμ’sも辞めるしかなくなっちゃうのかも
みんなにも申し訳ないや、本当にごめんなさい
でもいつまでも怖がってちゃダメだ
これが最後だから、最後にこんなに優しくしてくれたなら
もう十分だよ
おずおずと口を開く
海未「はい」
穂乃果「私、その……」
穂乃果「今日海未ちゃんとえっちなことする夢見ちゃって」
海未ちゃんは驚いたような恥ずかしいようなそんな表情を一瞬だけ見せたけどすぐにいつもの優しい表情に戻る
穂乃果「それでなんかずっと海未ちゃんのこと意識しちゃってね」
穂乃果「さっきお風呂で海未ちゃんのその……裸を見ちゃったらすごくドキドキして、体が熱くなってきちゃって」
穂乃果「それで部屋に置いてあった海未ちゃんのこの上着でその……」
穂乃果「海未ちゃんのこと思いながら一人でシちゃったの」
海未ちゃんは表情を変えることなく私の話を聞き続ける
穂乃果「本当にごめんなさい。気持ち悪いよね。軽蔑するでしょ?」
穂乃果「だからもう穂乃果に構わなくてもいいから。もうこれっきりで縁も切ろう」
穂乃果「μ’sも辞める。自分から言い出したことなのにごめん」
穂乃果「今まで優しくしてくれてありがとう、わがままばっかり言ってごめんなさい」
穂乃果「それとこの上着は弁償するから」
穂乃果「じゃあ、さようなら」
また涙がこぼれる前に、変に未練が残らないようにすぐにその場を立ち去ろうとする
今すごく心が苦しい
またあとでいっぱい泣けば全部忘れられるよね
海未「待ってください!」ギュッ
どうして……
早くここからいなくなりたいのに、やめてよ
また辛くなっちゃうよ
穂乃果「離して!」
海未「嫌です!絶対に離しません!」
穂乃果「なんで……」
海未「そんなの穂乃果が辛そうに、悲しそうにしているからに決まってるじゃないですか!」
穂乃果「それは……か、関係ないでしょ!もうこれっきりなんだから!」
海未「関係あります!あなたは一体どこまでわがままなんですか!!」
海未「これっきりなんかじゃありません!勝手に私の前からいなくならないでください!」
穂乃果「でも……!」
海未「でもも何でもありません!」
海未「そりゃあ最初はびっくりしましたが何故か穂乃果なら別に構わないなと思ってしまいまして」
海未「むしろちょっと嬉しかったというか……」
少し照れた風にそんなことを口にする海未ちゃん
穂乃果「え?なんで?」
海未「それはきっと私は穂乃果のことが好きだからなんだと思います」
穂乃果「す、好きって……」
海未「はい、今ようやく自分の本当の気持ちに気付けました」
そう言って海未ちゃんは真っ直ぐ私を見据える
海未ちゃんの口からはそんな言葉が紡がれる
穂乃果「私も海未ちゃんのことが好き。色々あってそうなんだって気付けた」
穂乃果「でもいいの?こんな私で。その、変態みたいなことしちゃった、というより変態なんだよ?」
海未「そんなことありません。好きな人のことを思ってそういう行為に至るのは普通のことです」
海未「私はどんなあなたでも受け入れて見せますよ」
穂乃果「本当に?」
海未「ええ、約束します」
穂乃果「ありがとう、海未ちゃん」ポロポロ
海未「もう泣かないでくださいよ」ナデナデ
穂乃果「ごめん、でもちょっとだけ」
穂乃果「もうこうやって海未ちゃんと話せるのも最後だって覚悟してたのに海未ちゃんは受け入れてくれて、恋人になってくれて。それが嬉しくて我慢できないの」
海未「これからはいつでもそばにいますから、だから大丈夫ですよ」ナデナデ
穂乃果「ぐすっ、うわぁ~ん」
海未「好きなだけ泣いてください、私がついてますよ」ナデナデ
穂乃果「あ~あ、お母さんにも怒られちゃった」
海未「急に家を飛び出したらそりゃあそうなりますよ」
穂乃果「でもなんで穂乃果があそこにいるって分かったの?」
海未「穂乃果のことなら例えどこに居ようとも見つけてみせますよ」キリッ
穂乃果「海未ちゃん……」キュン
海未「と言えればかっこよかったのですが……」
穂乃果「違うの!?」ガクッ
海未「ええ。携帯のGPSですよ。穂乃果のお義母さまの携帯に登録されていたので割とすぐに見つかりましたよ」
穂乃果「ロマンの欠片もない……」
海未「現代科学の勝利でしたね」
穂乃果「でもいいや。海未ちゃんが来てくれた時色んな気持ちがあったけどすごく嬉しかったし」
海未「そうですか。よかったです」
海未「穂乃果がまた勝手にどこかへ行かないようにです。お義母さまにも頼まれましたので」ニギッ
穂乃果「そんな……」
穂乃果「でもいいの?いくらお風呂に入ったとはいえこの手で自分のこと慰めてたんだよ?汚いよ」
海未「そんなの関係ないですよ。穂乃果に汚い所なんてありません。むしろ少し嬉しいぐらいです」
穂乃果「海未ちゃん……」ジトー
海未「そんな目で見ないでください!これじゃあ私が変態みたいじゃないですか!」
穂乃果「そりゃあ私も人のこと言えないけど海未ちゃんもなかなかだと思うよ」
海未「なっ!も、もういいですから早く寝ましょう!」
穂乃果「分かったよ……」
海未「ではおやすみなさい」
穂乃果「おやすみ海未ちゃん」
穂乃果「何?」
海未「チュッ」
穂乃果「えっ?」
海未「今はまだ恥ずかしいので穂乃果が夢で見たようなことはしてあげられませんのでこれで勘弁してください」
海未「では今度こそおやすみなさい」
穂乃果「ちょ、ちょっと海未ちゃん!?///」
穂乃果(これじゃあ逆に寝れないよ!)
穂乃果(まあでも……)
いつかあの夢が正夢になる日が来るのかも
それまでは少し時間が掛かるかもしれないけど
でもそんな日を夢見て待ち続けるからね
すぐ横でかわいらしい寝顔を見せる海未ちゃんを見てなんだかすごく幸せを感じる
海未ちゃん、おやすみなさい♡
穂乃果「はぁはぁ……///」
海未「ほ、穂乃果?」
穂乃果「海未ちゃんのせいだ!」
海未「え?」
穂乃果「海未ちゃんが寝る前にキスなんかするからまた変な夢見ちゃったよ!」
海未「そんなこと言われても困ります!」
穂乃果「海未ちゃんのえっち!///」
海未「なんでそうなるんですか~!///」
おわり
いいほのうみだった
そしてこの罪悪感は何だろう
つい先日今年書き納めとか言っておきながらすぐにまた書いてしまったし……
どうせ後悔するならもっとヤり切った方がいいと思います。
もっと色々かいてほしい
エロは初めて書いたけど難しいな。地の文に頼っちゃう
勢いで行けそうな気もしたけどあんまりそこばっかり書いてもやりたかった事とは違うしこれくらいで
読みやすくてとても面白かった
やっぱほのうみはいいなぁ
とても良かったよー
また読みたい
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