

~部室~
ダイヤ「……最近部室が散らかっている気がしますわ」
ダイヤ「……」キョロキョロ
ダイヤ「物は整理整頓されず散乱し……ゴチャゴチャ……ゴチャゴチャ……」
ダイヤ「私や梨子さんは毎度毎度片付けているというのに……他の皆さん……特に千歌さんや果南さんは散らかしてばかり……」
ダイヤ「よく見るとスクールアイドルに関係ない私物もチラホラ……」
ダイヤ「……」
ダイヤ「……」ブチン(マジギレした音)
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千歌「さーて、今日も練習頑張ろーっと♪」ルンルン
曜「やる気だねー、千歌ちゃん」
千歌「私はいっつもやる気なのだ!えへへ」
ガチャッ
千歌「やっほー!……って、あれ?」
ダイヤ「千歌さん曜さん、授業お疲れ様です」
曜「ダイヤさん!今日は早いね」
千歌「ね。いつもは生徒会のお仕事済ませてから来るのに」
ダイヤ「……今日はたまたま早く来れたので」
千歌「そうなんだー!今日も練習頑張ろうねー」
ダイヤ「ええ」
ダイヤ「ただ、その前に」
ダイヤ「二人とも、カバンの中身を見せなさい」
千歌曜「え?」
ダイヤ「お見せなさい」
千歌「ほえ?……カバン?」
曜「な、なんで急に?」
ダイヤ「なぜ……ですか」
ダイヤ「そうですね。その答えは強いて言うならば、周りを見渡せば自ずと見えてくるのではないでしょうか」
曜「?」
千歌「……」キョロキョロ
千歌「分かんないよー!?」
ダイヤ「そうですか。それならばそれでいいのです」
ダイヤ「……とりあえずつべこべ言わず速やかにカバンの中身をお見せなさい!これは生徒会長命令ですわ!」
千歌「うーん、意味分かんないよー。ダイヤさんってば時々急に変なことし出すんだから」シブシブ
千歌「カバンの中身でしょー?……えーっとこれと、これと……あとこれ!」ガチャガチャ
千歌「これで全部だよ?」
ダイヤ「……なるほど」
スクールアイドル雑誌
作詞ノート
週刊少年サンデー
みかん
弁当の空箱
お菓子
水筒
筆箱
ダイヤ「……」
千歌「これがどうかしたのー?」
ダイヤ「……勉強道具は?」
千歌「え?ないよ?」
ダイヤ「ない!?」
千歌「うん。カバンの中にはないよー」
ダイヤ「……!?」
ダイヤ「アナタどうやって授業受けてるんですの!?」
千歌「いや、だから」
千歌「机の中に入れてるの!全部!」
千歌「そしたらいちいち運ばなくていいもんね!」
千歌「賢いのだ!」エッヘン
ダイヤ「…………」
曜(……あ)
曜(ダイヤさんこれ……ブッブーですわって言いそう)
曜(絶対言うぞこれ)
ダイヤ「……ブ」
ダイヤ「ブッブー!!!!!ですわ!!!!!」
曜(やっぱり)
ダイヤ「ア~ナ~タ~ね~え~!?」ズイッ
千歌「わっ!びっくりした!」
ダイヤ「そんなの論外!論外中の論外でしょう!?学校への置き勉は禁止であるということを知らないのですか!?」
千歌「えっ、そうなの!?」
ダイヤ「当たり前です!教材を学校に置きっぱなしにして、どうやって予習復習をするのですか!?」
千歌「千歌、そんなのしないし……」シュン
ダイヤ「ンマーーーーッ!!!(激怒)」
曜(…………)
曜(だいたい分かった……ダイヤさんが何したいのか。風紀委員とかがやるアレだ)
曜(部室散らかってたしなあ)チラ
ダイヤ「あとなんで週刊少年サンデーなのですか!読むならせめてジャンプでしょう!」
曜(そこは別によくない!?)
ダイヤ「学業と部活に必要ないものは没収です!サンデーと、このお菓子も!」
千歌「わー!お菓子はいいじゃん!」
ダイヤ「いけません!本来こういうものも持ち込みは禁止!ですので!」
千歌「うー、ケチ……」
ダイヤ「帰る時に返しますわ」
ダイヤ「……さて」チラッ
曜「!」ギクッ
ダイヤ「曜さん?アナタも」
曜「え、え?」
ダイヤ「カバンの中身、お見せなさい」
曜「……」
ダイヤ「さあ、早く。アナタは比較的変なものを持ち込んでるところをみたことがないですし」
曜「……」
ダイヤ「きっと大丈夫でしょう。さあ」
曜「……」
曜(やばい……カバンの中にはチャイナドレスが……)
曜(なんで数ある制服シリーズの中から今日に限ってこんなものを……!!)
ダイヤ「……」ジー
曜「……はっ!」
ダイヤ「……なんか挙動不審ですわね」
曜「え……?え?そうかな~wアハハ……」
ダイヤ「……はっ!」シャババ
曜「わっ!カバン奪い取られた!」
ダイヤ「日本舞踊の動きも案外役に立ちますわね」サッ
曜「わー!!ちょっと、待って!開けないでぇ!」
ダイヤ「中身は教科書にノート……ん?底の方に何か……」
曜「……」ダラダラ
ダイヤ「こ……これは……!」
曜「……あ」
曜「あの~……」
千歌「わっ、マジで」
ダイヤ「……」
ダイヤ「えぇ……(ドン引き)」
曜「……っ////」
ダイヤ「なんでこんなものを学校に……」
曜「いや……私制服好きだし……」
ダイヤ「チャイナドレスって制服なんでしょうか……??」
曜「まあ……広義では……」
ダイヤ「……」
ダイヤ「ぼ、没収しときますわね……」
曜「え!」
曜「ちょ、ちょっと待って!制服だよ!?それって学業に関係あるんじゃないかな!?」
ダイヤ「チャイナドレスが浦の星女学院に?」
曜「関係……」
ダイヤ「ないですわよね……」
曜「うん……」
ダイヤ「……帰る時返しますわ」
千歌(そもそもなんでチャイナドレスを学校に……)
ダイヤ「……という訳で二人とも!今後は関係の無いものの持ち込みは控えるように!いいですわね?」
千歌曜「はい……」
ダイヤ「じゃあ、行ってよし!ですわ!屋上で先に柔軟などしていてください」
ダイヤ「私はまだ荷物検査をしているので」
千歌「ちぇー」スタスタ
曜「ねえ、サンデーって今なんか面白いのやってるの?」スタスタ
ダイヤ「さて、次は……」
ガチャッ
善子「あれ?ダイヤ。今日は早いのね」
ルビィ「うゆ?」
ダイヤ「あら二人とも。花丸さんは?」
善子「日直よー、ちょっと遅くなるって」
ルビィ「あと20分くらい?で来るんじゃないかな」
ダイヤ「そうですか。なら、二人を先に……」
善子「?なによ」
ダイヤ「いえまあ……要は、今ちょっとした抜き打ちの荷物検査をやっていまして」
善子「へ?」
ルビィ「!」ピクッ
ダイヤ「まあ、部室も最近散らかっていますし、ここらで気を引き締めなおすためにも!……不必要なものを学校に持ってきていないかということを確かめたいのですわ」
善子「……」
善子「へ、へー」
ルビィ「……」ビクビク
ダイヤ「そういう訳で……今持っているそのカバンの中、それをチラッと見せて頂ければ……」スッ
善子「!」サササッ
ルビィ「えっ、あっ……やっ、今は……その……」
ダイヤ「……」
ダイヤ(二人のこの反応……これは間違いなく……)
ダイヤ(何か持っていますわね……よろしくないものを……)
善子「や、や~!?私……そういえば、なんかズラ丸の日直手伝いたくなってきた……みたいな……」
ダイヤ「……」
善子「……ちょっと教室戻ってくる!」サッ
ダイヤ「待ちなさい」ガシッ
善子「ちょ、離しなさいよ!日直を手伝いにいくのよ!」
ダイヤ「そんな堕天使らしからぬことをしていいのですか?」
善子「堕天使だって日直の一つや二つ手伝うわい!」
ルビィ「そんな堕天使いないよ善子ちゃん……」
善子「なにー!?アンタちょっと空気読みなさいよ!私逃げようとしてんでしょうが!」
ダイヤ「逃げるとか本人の前で言っちゃダメでしょう……」
善子「う……!」
ダイヤ「……」
ダイヤ「……ゲームですわね?ゲーム持ってきてるんですわね?」
善子「え!?なぜそれを!!」
ダイヤ「やっぱり!!ブラフですわ!なんか善子さんならその辺りのもの持ってきてそうとカマをかけただけです!!」
善子「うわ!!きたないわね!」
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善子「ゲーム類はこれで全部です……はい」ショボン
3DS
vita
ソフトケース
ダイヤ「感心しませんわね……」
ダイヤ「学校にこのような遊び道具は持ち込み厳禁ですわ!帰るまでの間没収させてもらいます!」
善子「う~、休憩時間とかにやろうと思ってたのに……」
ダイヤ「まったく……」
ルビィ「……」ソー
ダイヤ「……で、ルビィ」
ルビィ「!!」ビクッ
ダイヤ「アナタ……こっそりどこへ行こうとしているんですの」
ルビィ「い、いやあ~……あはは……」
ダイヤ「まさかアナタ……学校に不要なものを……?」
ルビィ「も、持ってきてないよ!」ブンブン
善子「その割になんか挙動不審ね」
ルビィ「そ、それは……」
ダイヤ「……?」
ダイヤ「そもそもルビィの荷物は毎日私が詰めているはず……正直、ルビィに関しては荷物検査自体別に必要はないと思っていたのですが……」
ダイヤ「なんか……」
ルビィ「~、~♪(上手くない口笛)」
ダイヤ「……怪しいですわね!」
ダイヤ「はっ!」シュバッ
ルビィ「あっ!お姉ちゃんがこれまで培ってきた日本舞踊の技術を駆使してルビィからカバンを奪い取ったあ!」
ダイヤ「おちゃのこさいさいですわ」
ダイヤ「さて、中身は……と……」
ダイヤ「……!!?」
教科書
ノート
筆箱
空の弁当箱
水筒
化粧ポーチ(リップクリーム、ヘアゴムなど)
制汗スプレー
財布
携帯電話
家の鍵
防犯ブザー
お菓子×4
ぬいぐるみ
スクールアイドル雑誌
少女漫画
ダイヤ「ルビィ!」
ルビィ「うわーん!ごめんなさい!」
善子「なによそれ……クマのぬいぐるみ?」
ダイヤ「明らかに私が入れてないものがいくつか入ってますわね……」
ルビィ「う~……」
ダイヤ「私が詰めたあとこっそり入れたのですね!?」
ルビィ「だってお姉ちゃん怒るから……」
ダイヤ「いや、ぬいぐるみはいらないでしょう……流石にいい歳をして……」
ルビィ「い、一番いるよぉ」
ダイヤ「……はー、まったく…………」
ダイヤ「これも没収です。家に帰ったら返しますから」
ルビィ「むー」
ダイヤ「とりあえず二人とも屋上へ行ってなさい。千歌さんと曜さんがストレッチてますから……私は少しルビィの将来が……」
善子「将来が?」
ダイヤ「心配になってきましたわ……」
善子「あと数年してぬいぐるみ持ち歩いてたら完全なメンヘラね」
>善子「あと数年してぬいぐるみ持ち歩いてたら完全なメンヘラね」
つまり寝そべり持ち歩きまくりなライバーはメンヘラだらけ…
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花丸「えー?荷物検査?」
ダイヤ「そうです。最近部室が(略)」
花丸「でもマル、別に変なものは持ってきてないよ?」
花丸「ほら」
ダイヤ「どれどれ……」
ダイヤ「……!本当ですわ。どれも学業に必要なものばかり」
ダイヤ「c||^.-^||b」
花丸「ノcノ,,^o^,,ノレ」
ダイヤ「これまでチャイナドレスとかゲーム機とかそんなものばかりでしたから……普通でよかったですわ。」
ダイヤ「お時間を取らせてすみませんでした。屋上で千歌さん達が先に練習を始めていますので」
花丸「うん。じゃあ行ってくるずらー」スタスタ
花丸(……本当は昼までのっぽパン5本入ってたけど、もしそのままだったら何か言われてたかな)スタスタ
花丸(食べておいてよかった)スタスタ
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ダイヤ(……さて、残りは鞠莉さん果南さんち……梨子さん?はて)
ダイヤ(ずいぶん遅いですわね……もう普段の練習時間はとうに過ぎてると言うのに)
ガチャッ
果南「おーっす。遅くなってごめんねー」
鞠莉「あらダイヤ?どしたの。部室に1人で」
ダイヤ「あら二人とも」
果南「いやー、鞠莉が理事長の仕事関係でやることあってさ。成り行きで手伝ってたの」
鞠莉「思ったより時間かかっちゃった」
ダイヤ「そういうことでしたか」
ダイヤ「実は今、お二人にもご協力願いたいことがありまして……」
果南「ほえ?」
鞠莉「なーに?改まっちゃって」
ダイヤ「最近(略)」
果南「あー、まあ確かに。散らかってるっちゃ散らかってるかもね」
鞠莉「私はあまり気にしないけどねー」
ダイヤ「……」ジー
果南「?なにさ、ダイヤ。見つめちゃって」
ダイヤ「……いえ」
ダイヤ「私の見ている限りだと……部室を散らかしているのは比較的、果南さん。アナタであることが多いような気が」
果南「えー?」
果南「うーん、そうかなー。私はあんまりそんなつもりないんだけど」
鞠莉「果南はガサツだからねーw」
果南「む。そういうことなら!」
果南「いいよ!せめて部室に変なものは持ち込んでないって証明してあげる!」
果南「カバンでもなんでも隅々まで見ちゃってよ!」
ダイヤ「自信満々ですわね……では遠慮なく」
ダイヤ「……」ガサゴソ
果南「ふふん。私これで結構優等生だからね。ダイヤが心配してるようなものなんて持ってきてないんだから」ドヤア
ダイヤ「……」ガサゴソ
ダイヤ「……」ピタッ
ダイヤ「……」
ダイヤ「……これは?」スッ
果南「え?それ?干物だけど」
ダイヤ鞠莉「臭いと思った!!」
果南「臭くないよ。いい匂いじゃん」
鞠莉「いや、干物の匂いって分かればね!?なんの情報もない状態でその匂いはただただ不審だから!」
ダイヤ「たまに教室が磯の香りすると思ったら……いつ食べてたんですのこれ……」
果南「帰り道とかかな」
ダイヤ「またえらい一日の後半に!」
果南「でもそれ別にアウトじゃないでしょ?タッパーに入れてるし。お弁当みたいなもんじゃん」
ダイヤ「いや、これは……!」
果南「干物はダメって決まりないじゃん」
ダイヤ「……」
ダイヤ「くさやとかはやめてくださいね……」
鞠莉(あ、ダイヤ言い返せないんだ……)
ダイヤ「まあそれ以外は問題ないようですし……果南さんはもう少し部室でモノを散らかさないように整理整頓を心掛けて頂ければ……」
果南「了解だよー」
鞠莉(校則に干物はダメって追加しようかしら……)
ダイヤ「……さて、じゃあ次は…………」
鞠莉「ん」
ダイヤ「鞠莉さんですけど……まあ正直、理事長の持ち物検査をするというのも変な話ですわよね」
鞠莉「まー、いーんじゃない?一応私も生徒な訳だし」
鞠莉「七面倒臭いことはやめにして、さっさとオープンしちゃいましょう♪」
ダイヤ(この様子だと鞠莉さんは問題ないみたいですわね……)
鞠莉「……あっ」
ダイヤ「?」
鞠莉「やっ……ちょっ……と、まっ……」
鞠莉「……」
鞠莉「え~と」
ダイヤ「?」
鞠莉「アハハ……」
ダイヤ「どうしたんですか?見せるのなら早く……」
鞠莉「ねえ、やっぱやめにしない?私理事長だし。偉いし」
ダイヤ「さっきと言ってることが違う!」
鞠莉「生徒会長が理事長に命令とかおこがましいし」
ダイヤ「急に不遜!!」
ダイヤ「……」
鞠莉「~、~♪(上手い口笛)」
果南「ねえ、明らかに鞠莉、様子おかしいよね」ヒソヒソ
ダイヤ「ええ。まるで途中で何かに気付いたような……」ヒソヒソ
果南「やっちゃいなよ」ヒソヒソ
ダイヤ「やっちゃいましょうか」ヒソヒソ
ダイヤ「……はっ!!」シュババ
鞠莉「!?ホワッツ!?」
果南「でた!ダイヤの日本舞踊で鍛えた(略)」
鞠莉「ゆ、油断してた……!」
果南「どれどれ……?」
ダイヤ「……?別に普通……というか、理事長関連のものでしょうか……書類が多いくらいで……」ガサゴソ
ダイヤ「特に変なものは……」ガサゴソ
ダイヤ「……あ」
果南「あ」
鞠莉「……」
ダイヤ(このポーチ……)
果南(化粧ポーチじゃない……というか半透明でうっすら中見えるけど……これは……)
鞠莉「~~~…………ッ//////」プルプル
ダイヤ「……」スッ
ダイヤ「すみません……」
ダイヤ「その……」
ダイヤ「やっ……すみません」
果南「あー……それで今日ちょっと具合悪そうにしてたんだねー……アハハ……」
果南「きょ、今日は練習休んだ方がいいんじゃないかな?」
鞠莉「……知らないっ!///」プイッ
童貞(何が入ってたんだ……?)
えっち
——————–
—————–
————–
梨子「あれ、ダイヤさん。部室で1人で何してるんですか?」
ダイヤ「片付けを……」
梨子「……?そうなんですか。手伝いますね」
ダイヤ「あっ、ありがとうございます……」
梨子「いえいえ。皆散らかしちゃって大変ですもんね」
ダイヤ「そうですね……でも」
梨子「?」
ダイヤ「だからと言って安易に人のプライバシーを覗くのは……その、良くないと思いました……」
梨子「……?はあ……」
梨子「ところで鞠莉さん凄い赤面しながら屋上向かって行きましたけどなんかあったんですか?」
ダイヤ「なんでもないですわ……」
梨子(……なんだ荷物検査しないんだ。せっかく曜ちゃんがLINEで教えてくれたのに)
梨子(カバンに入ってた壁ドン同人誌、隠してくる必要なかったかなあ)
テンポ良くて読みやすかった
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