

とある日、秋葉原…
ガヤガヤ…
にこ「なんだか久しぶりねアキバも…」テクテク
にこ(アイドルになってからは、ゆっくりした時間なんて取れないもんね)
にこ(でも今日は久々のオフ!お忍びでアイドルショップやカフェに行きまくるわよ!)
にこ(と、その前に…一応、サングラスとマスクしておこっと)スチャ
にこ(おぉ…なんだか懐かしいわねこの感じ…!)
にこ(ランナウェイだランランナウェイだ♪なんなんなんで突然?ってね♪)クス
にこ「…」
にこ(久しぶりに希と絵里に会いたくなってきたわ。次のオフ日に誘ってみようかしら…)テクテク
ドンッ!
にこ「いたあっ!?」
ルビィ「ピギャアッ!?」ビクゥッ
ルビィ「あ、あわわ…あの、その…」オドオド
にこ「いたたた…ちょっと!そっちからぶつかったんだからまずは謝りなさい!」
ルビィ「は、はい!ごめんなさい…」
にこ「ん、よろしい。そっちは?大丈夫?」
ルビィ「あ、だ、大丈夫です…」
にこ「ちゃんと前見て歩かなきゃダメよ」
ルビィ「す、すみませんでした!」ペコリ
ルビィ「失礼します!」
タッタッタ…
車「おーい!危ないぞー!」プップー!
ルビィ「ピギィ!ごめんなさいー!」
にこ「…」
にこ(なんだかドンくさい子ね…大丈夫かしら…?)
にこ(見るからにアキバに慣れてない感じの子だけど…まぁいいか)
にこ(ふふふ…その点にこはたーっぷりアキバを堪能するにこ!)
にこ「さて、まずは…と」
アイドルショップ…
にこ(やっぱりアキバに来たらアイドルグッズを見ないとね!)ワクワク
にこ(ここはマイナーなグッズを取り揃える穴場の店…)
にこ(そこらの店とはラインナップが一味違うのよね~♪)
にこ「ん…?」チラッ
ルビィ「~♪」
にこ(さっきぶつかった子だわ。へぇ~アキバ慣れしてない子だと思ったけど)
にこ(ここに来るってことは、なかなか分かってるじゃないの)
にこ(…さてと、そろそろお昼ね)
にこ(よーし!にこだけが知ってる穴場の店に行きまくるわよ!)
カフェの前…
にこ(次のアキバ隠れスポットはここ…!『カフェにこにこ』!)
にこ(ここはグルメ通だけが知ってる穴場の喫茶店)ガチャ
カランカラン
にこ(ここのアップルパイにシナモンをたーっぷりかけて…)
にこ(あったかいロイヤルミルクティーと一緒に…ふふ♪)スッ
にこ(想像しただけで顔がにやけちゃうわね…ん?)チラッ
ルビィ「…」チョコン
にこ「なっ…!」
にこ(な、なんでこの子がこの店に…!?)
ルビィ「…」
にこ(ていうか何で知ってるのよ!さっきのアイドルショップといい、この穴場を!)
にこ(もしかしてこの子、見かけによらずグルメなのかしら…)
店員A「お待たせしましたー」
店員A「シナモン多めのアップルパイと、ロイヤルミルクティーのにこにこセットでーす」スッ
にこ「!!」ザワ…
ルビィ「あ、どうもです…」ペコリ
にこ(この子…!私のスペシャルセットと同じ物を…!?)ザワ…ザワ…
ルビィ「~♪」パクパク
にこ「…」
にこ(それから次の店でも…)
ラーメン屋…
ガラッ
店員B「いらっしゃいませー!」
にこ(! うっ…!)ハッ
にこ(あの子、またいる…!?)ザワ…
ルビィ「…」チョコン
店員B「ご注文は?」
ルビィ「あ、えーと…」
にこ(何故また穴場の店に…ま、まぁいいわ…)
にこ「えっと、麺かため油抜き野菜ニンニクマシマシで…」
店員C「お待たせしました」
店員C「麺かため油抜き野菜ニンニクマシマシです」スッ
にこ(えっ!?)バッ
ルビィ「あ、はい…」
にこ(あ…?また私と同じメニュー…!?)ザワ…ザワ…
にこ(そして見た目に似合わずかなり食べるのね…!)
ルビィ「~♪」ツルツル
にこ「…」
にこ(さらにその後も・・・)
ハンバーガー屋…
にこ「…」パクパク
ルビィ「…」パクパク
にこ(行き先も注文も…)
ソフトクリーム屋…
にこ「…」ペロペロ
ルビィ「…」ペロペロ
にこ(被りに被り続けた…)
にこ「…」テクテク
ルビィ「…」テクテク
にこ(間違いないわ、この子…)
にこ(私と趣味や舌が合うんだわ…驚くほどに…!)
にこ(表情からは分かり辛いけど、向こうもそのことに気づいているはず…!)
にこ(髪型も似てるし…なんかシンパシーを感じるわね…!)
にこ「…」ジー
ルビィ「…」チラッ
ルビィ(えぇ…あの人ずっと付いてくるよぉ…)ビクッ
ルビィ(さっきぶつかったのまだ怒ってるのかなあ…)ビクビク
にこ・ルビィ「…」テクテク
しばらくして、海鮮丼屋の前…
にこ「…」ピタッ
ルビィ「…」ピタッ
にこ(ふふふ…そうそう!アップルパイ、ラーメンときたら…)
にこ(ここよね!最後は当然…!)
ガラッ
店員D「いらっしゃいませー」
にこ「…」スッ
ルビィ「…」スッ
にこ(そしてもちろん注文は…)
にこ・ルビィ「「ねぎトロ丼ねぎ多めで…!」」
にこ(そうそう!ここのねぎトロは絶品で…)
ルビィ「それと…」
ルビィ「豆板醤とうずらの卵もらえますか?」
にこ「…」
にこ「!?!?!?」ガタッ
にこ(えっ…!?)ザワ…
にこ(と、豆板醤とうずらの卵ですって…!?)ザワ…ザワ…
にこ(同じ味覚だと思ってたのに…急になんなのよこの子!?)
にこ(ねぎトロに乗っけようっていうの…?そんなものを…!)
にこ(私なら絶対にそんな食べ方はしないわよ…!)
店員D「お待たせしましたー。ねぎトロ丼ねぎ多めです!」スッ
にこ「あ、はい…」
店員「それとこちらは豆板醤とうずらの卵ですね」
ルビィ「ありがとうございます…」
パカッ…
ルビィ「♪」ワクワク
にこ「…」ジー…
にこ(この子と私の舌が合うのは確かだわ…しかしこれは…)
にこ(くっ…!頼んでみる…?私も…!)ザワ…ザワ…
にこ(いや!ダメダメっ!さすがに豆板醤はダメッ…!)
ルビィ「~♪」パクパク
にこ「…」
にこ(でもまぁ、分からないこともないわね…うずらの卵は…)
にこ(これだけなら合わないことはないでしょ…!)
にこ(それに私、辛いのは苦手だし…)
にこ「あ、うずらの卵ひとつ…」
店員D「はいよ!」 スッ
パカッ…
にこ(うん…ねぎトロ丼のトッピングはこれくらいにした方がいいわね…!)
ルビィ「…」チラッ
シャッ!
にこ「…ん?」
スーーーー…ピタッ…
にこ「!?」
にこ(あ、あの子!豆板醤のビンを滑らせて私の前に!?)
にこ「…!」チラッ
ルビィ「…」コクン
にこ(この子…!)ザワ…
にこ(と、豆板醤を信じろというの!この私に…!)ザワ…ザワ…
ルビィ「…」グッ…!
にこ(くっ…!サムズアップ…!)
にこ(わ、分かったわよ!どうなっても知らないからね!)パク…
パクパク…
にこ「うっ…!?」
にこ(うまっっっ…!)
にこ(豆板醤の旨みと辛みが…!)パク…
にこ(卵とマグロにいい具合にからんで…!)パクパク
にこ(美味さ…!2こぷりっ…!)パクパクパク
にこ(辛いのが苦手なんて杞憂…!箸が止まらないわっ!)パクパクパクパク
ルビィ「…♪」ウンウン
にこ(ふぅ~…)
にこ(…気がつけばあっという間に完食)ペロリ
にこ「なるほど…確かにこれは素晴らしい組み合わせだわ」
にこ「なかなかやるわね、あなた…」チラッ
にこ「あ、あれ?いない!」キョロキョロ
にこ「あの子は一体…!?」
やざわ……
やざわ……
店の外…
ルビィ「…」タッタッタ
ルビィ(うぅ~!マズイよぉ…!)
ルビィ(思わずあんな出しゃばったことしちゃった…!)
ルビィ(でもあの人…ルビィと好きなもの一緒だったなあ…)
ルビィ(サングラスしてたから顔は見えなかったけど…一体誰なんだろう…?)
ルビィ「…」
ルビィ「また会えるかな…」タッタッタ
――――
――
―
そして数日後、秋葉原…
ワイワイ…
絵里「にこから遊びに誘われるなんて珍しいわね~」
希「最近にこっち忙しそうだったから、久々に会えて嬉しいやん♪」
にこ「たまには3人で出かけるのもいいと思ってね」
絵里「なんだか学生時代を思い出すわね。あ、もうこんな時間…」
絵里「ねぇ、お昼はどうする?」
希「あ、この近くに美味しいおうどんさんの店があるらしいんよ」
絵里「最近、話題のカレー屋もこの辺りよね」
ワイワイ…
にこ(…どっちも違うわね)
にこ(どう考えても今日は、カレーやうどんじゃなくて焼きサバ定食…)
にこ(名も知らぬあの子なら…分かってくれるんでしょうね…)
にこ(また会えるのかしら…この広いアキバで…)
> にこ(美味さ…!2こぷりっ…!)パクパクパク
草
ワイワイ…
善子「ねーお昼ご飯どうするー?」テクテク
花丸「マルはラーメンが食べたいずら~」
ルビィ「あ、えっとね…この辺りに焼きサバ定食が美味しい店あるんだけどどうかな?」
善子「焼きサバ!?アンタ渋いわね…」
テクテク…
にこ「…ん?」
にこ(いますれ違った子…)ザワ…
にこ「あっ!あのっ…!」
ルビィ「?」クルッ
にこ「あの…私たち、その…どこかで…」
ルビィ「あっ…!」ハッ
にこ「あっ…!」ハッ
にこ・ルビィ「…」
絵里「どうしたの、にこ?」
花丸「ルビィちゃんの知り合いずらか?」
にこ「き…」
にこ「君の名は…?」
ルビィ「あなたの名前は…?」
ルビィ「…」
ルビィ「って!矢澤にこちゃんだーーーーー!?」
にこ「はい!そりゃバレるわよねー!」ニッコニッコニー
ルビィ「このあとみんなで焼きサバ定食を食べましたとさ」
おわり
にこルビの可能性を垣間見た
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